2013年1月30日水曜日

金城台の地層

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は,先月開催した「守山の自然と文化を探る」講演会でお話をしてくださった森先生が来られました。2013 年度から実施を予定している八竜湿地の年代測定研究プロジェクトの打合せだったのですが,ちょうどキリスト教センター跡地で進められている新講義棟建設予定地で地層が見られるのでは?ということで,打合せの後私も一緒に見学に行くことになりました。

 特別に許可をいただき,ヘルメットをかぶって現場に入りました。重機が土砂が階段状に整地しているところでした。
キリスト教センターがあった場所から南を見たところです

 ちょうど地面を切り出したところがあったので,その断面を見てみました。高さは 3 m くらいでしょうか。森先生の右手あたりに黒い層があって,その下がかなり固い「粘土層」,その上が単一電池くらいの小石が多数混じる「れき層」で,森先生の頭の上の地表面に近い部分に濃い赤い土の層が見えています。
森先生いわく,れき層に含まれる小石が皆一様に白く,他ではあまり見当たらない様相だそうです。写真の中央をやや斜めに横切る黒い層もどのようなものかちょっとわからないとのことでした。

 下の粘土層の破片を拾って見てみました。
きれいな層になっていますね。粘土は水の流れが緩やかな湖や池だった時,水中の微粒子が沈んでできたものだそうです。小高い丘陵地の上にあって,通称「金城台」と呼ばれるこの場所が,かつて湖の底にあったということをにわかには信じられませんが,地球の長い歴史で見れば「ちょっとしたこと」なのかもしれませんね。
 


2013年1月28日月曜日

ツグミのえさ探し

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 今日もまた名古屋はうっすら雪化粧の朝を迎えました。
 さて,今朝KSCの野々垣先生と一緒に第三駐車場を歩いていた時のこと,冬枯れのアベマキやコナラの梢にたくさんの小鳥がいるのを見かけました。シジュウカラやコゲラ,メジロなどの集団です。「混群」といって冬になると種の違いを超えてまとまって行動するのです。
 
 一方,地面でも何羽かの鳥が歩き回っていました。
ツグミです。たぶんメスだと思いますがちょっと自信がありません。冬鳥として日本にやってくるツグミは,木の上ではなく地上でえさとなる虫や木の実を探すのです。今朝見たときもあちこち歩き回って,落ち葉をどかしたりしてえさ探しをしていました。

 森の脇の道を歩いているときに,森の中でごそごそ音が聞こえてきた,そんな経験をした人はいませんか? ハトの場合も多いのですが,冬のこの時期はこのツグミだったり,12/13のブログで紹介したシロハラ(こちらもツグミの仲間)だったりもします。もし森の中から音がしたら,音のする方向をそっと見てみましょう。ツグミやシロハラに会えるかもしれませんよ。
 
 

2013年1月27日日曜日

今日は三重県でサンプリング

 みなさまこんにちは,よしだです。

 雪が止んで青空の日曜日となりました。私は毎月の調査で三重県鈴鹿市・四日市市の湿地に行ってきました。この時期湿地では,植物相など特に目立った変化はないのですが,うっすらと雪化粧した湿地は表情が変わってよいものです。
鈴鹿市の金生水(かなしょうず)沼沢です。
雪の下で水が凍っています。

四日市市の御池(おいけ)沼沢です。
遠くに見える鈴鹿山系の山々も真っ白!

 しかし,湿地は基本的に吹きさらしの場所ですから,冷たい北風で寒いのなんの…(泣)。ささっと作業を済ませ,車に戻ってほっと一息です。ふっ~。

 しかし,そんな寒い中でのサンプリングでも,鳥がやってきたりするとうれしくなります。今日撮れた鳥はこちら。
向こうを向いて表情がよくわからない写真になってしまいましたが,ジョウビタキの雌です。羽にある白い模様が目印です。火打石を鳴らすような「カッ,カッ」という鳴き声をするので「ヒタキ(火焚き)」と名がついたそうです。
 それにしても,とげのあるバラの枝につかまっていますが,痛くないのでしょうか???
 
 

2013年1月26日土曜日

雪の日のハクセキレイ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日の名古屋は午前中晴れていたものの,昼過ぎから雲が広がって雪になりました。それもすごい吹雪! 周りはみるみる白くなっていきました。
吹雪で窓の外は真っ白!

 そんな中,用事があって外に出てみると,W10号館西側の軒下にハクセキレイがいました。何かの実がとても気になっている様子です。
これ食べよっかな~
(ちょっとピンぼけです)

 しかし口の大きさに対して実が大きすぎるのか,あるいは堅くてくわえにくいのか,何度もくわえては落とし,くわえては落とし…。でも実をくわえるとご覧の通り。
カメラ目線でドヤ顔!!!

 雪が降って寒い中でしたが,楽しませてもらいました!
 

2013年1月23日水曜日

湿地の水の話

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は東谷山の麓の湿地へ毎月の調査のために出かけていました。毎月のことであっても,あるいは寒い冬であっても,自然の中に入るのは私にとってとても楽しいことです。残念ながら写真を撮り損ねてしまいましたが,白と黒の模様で,ちょっと尾が長いスズメくらい大きさの鳥,「エナガ」がすぐ近くにやってきました。木の実の中から綿のようなものを引っ張り出していたのですが,巣の材料にするのでしょうか?

 さて,湿地自体は保全活動をされている市民団体の方々の手によって枯草が刈られたようで,ずいぶんすっきりとしていました。そして,昨日までに降った雨で地面の水分が多くなり,湿地らしい光景となっていました。

 ところで,下の写真はその湿地内で撮ったものですが,ここはいつもこれくらい水がたまっています。赤茶色になっているのもいつも通り。
 この赤茶色は,鉄の沈殿によるものです。東海地方の湿地は「酸性・貧栄養」といって,湿地を涵養する水が弱酸性で,しかも植物の栄養となる塩類の乏しいのが特徴である,とよく言われます。でももう一つ,水には鉄分を含むことも多いと私は感じています。では,この鉄はどこから来たのでしょうか? おそらく地層中からであろうと思われますが,実際のところはまだよくわかっていません。それどころか,湿地の水がなぜ酸性なのか,ということすら説明できていません。
 身近な自然でありながら,湿地には科学で解明できていないことがまだまだたくさんあるのです。
 

2013年1月22日火曜日

キリの実

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日大高緑地内の湿地に行ってきたことを前回のブログで紹介しましたが,今日はその時拾ってきたキリ(桐)の実の話をしましょう。これです↓
 長さ5 cm くらいのかたい殻に覆われていますが,2つに割れかけています。右の実も90度回転させるとやっぱり割れ目があります。しかしこの割れ目,真っ二つに割れることはありません。木の上でも地上に落ちても,「少し開いた」状態のままです。

 では中はどうなっているのかというと…
割ってみました。殻の断面は少し細長いクルミの実,といった感じでしょうか。でも何かほこりのような(?)ものがたくさん入っていますね。取り出してみると…
この小さなもの,実はこれが種子なのです。キリは風で種子を散布させます。なので一つ一つの種子はとても小さくて軽くできています。その種子を殻の中に置いておくのですが,殻が「少し開いた」というのがミソ。つまり「少し開いた」状態だからこそ少しずつ風に乗せて種をまくことができますし,また,風が強いときは中に風が入って散布されやすくなる,という仕掛けなのです。

 キリは遠い昔中国から持ち込まれた樹木と考えられています。日本ではかつて,女の子が生まれると庭にキリを植え,嫁ぐ頃には充分に大きくなったキリで,たんすを作って持たせる風習がありました。つまり20年くらいすればたんすができるほど大きくなるのがキリの特徴です。そんな成長の早い樹木も,種はこんなに小さいのですね。ちょっと不思議な感じがします。
 

2013年1月19日土曜日

大高緑地の調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日のことになりますが,私は名古屋市緑区の大高緑地に行ってきました。ここにも小規模な湿地があり,その水質の調査依頼を私が受けたのです。

 今回は,湿地の保全をされている花水緑の会の梅本さん・研谷さん,調査依頼の仲介をしてくださった名古屋市生物多様性センターにお勤めで本学非常勤講師の野呂先生,そして同じく調査依頼を受けた,八竜湿地の調査でお世話になっている名古屋市環境科学調査センターの西さん,榊原さん,そして私の計6名で調査地に向かいました。

 余談ながら,大高緑地には小学校の頃に遠足で来たことがあります。しかし遠足自体の記憶はすっかり消え,最寄りの名鉄左京山駅で,「東京急行電鉄から移籍しためずらしい車輌を見た」ということしか覚えていません(苦笑)。なので公園内のこんな竹林の風景もとても新鮮に感じます(笑)。

 それはともかくも,大高緑地では何ヶ所も湧水点があるようで,一部は下の写真のようにビオトープを兼ねた田んぼが作られ,子供たちの学習の場になっているそうです。

 こちらは今回の調査地の一つです。私が調査を続けている八竜湿地や東谷山湿地とは違って,森の中にあって木漏れ日が差し込んでいます。このように直接日が差さないところでは,シラタマホシクサやトウカイコモウセンゴケなどが生育することはありませんが,湿地環境が形成されているという点でとても貴重です。
 ここで得られたサンプルもまた分析を行います。そのデータが湿地保全のお役に立てられればと思っています。
 

2013年1月18日金曜日

KSCの新年会

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 昨日のことになりますが,KSCで新年会を開催しました。当初は年末に忘年会を,という話だったのですが,うまく都合がつかず今回の新年会となりました。今回は学生さん4名と教職員7名の計11名が参加しました。
かんぱ~い!!!

 今回はおさかな中心のコースだったのですが,ボリュームが多くて…(笑)。しかし,普通なら年齢勾配と食べ物の摂取量は逆相関になるはずですが,今回は正の相関に(???)
このあたりがビールの大消費地帯です(笑)

 おさかなのお作りです。マグロ,サケ,イカ,タコ,タイ,アワビ,その他いろいろ盛ってあります。 
お作りの一番奥にいらっしゃるのがヒラメですね。おなじ平べったいおさかなでも,「左ヒラメ右カレイ」と言います。小さいころは目が左右にあるのに,成長に伴って左か右に寄ってしまうのだそうです。ということは,魚が平べったくなるために目が右に寄っても左に寄っても,どちらかが何か生存に有利とかの差はあまりないようだ,というのが小野先生の結論でした。KSCらしい,楽しくてためになる飲み会でした!
 
 
 

2013年1月16日水曜日

炭焼き体験学習のようすが放送されます

 みなさまこんにちは,よしだです。

 この月曜日に行われた炭焼き体験学習では,地元の「グリーンシティケーブルテレビ」さんの取材を受けたのですが,その放送日をお知らせいたします。

116日   18:50/ 19:50~ / 20:50/ 21:50~ / 22:50~ / 23:50~

1月17日  8:30/  8:40~ /  8:50~

120日~26日  毎日15:00

契約されている方はぜひご覧ください!

2013年1月14日月曜日

炭焼き体験学習を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は一般の方向けの「炭焼き体験学習」を開催しました。炭焼きを通して,生態系を守ることの大切さや,金城の里山保全の取り組みを知っていただくため,昨年度に引き続いて3回目の開催です。

 まずは炭焼きの準備です。窯に竹を詰めていきます。今回は太いモウソウチクではなく細いマダケが中心だったため,かなりぎっしりと入りました。

 窯を閉めた後はいよいよ火入れです。しかし今回は着火剤もガスバーナーもなし! ライターで少しずつ火をつけるしかありません。金城祭で竹とんぼの準備をした時に出た竹の切れ端を焚き口に入れ,これに火をつけて薪に着火させました。 
みなさん見守っています!

 さて,いったん火がつくとしばらくは煙地獄!!! 炭焼きに慣れている私たちでも大変ですから,初めて炭焼きに参加したみなさんにはかなりつらかったのではないでしょうか? 取材に来られたグリーンシティケーブルテレビのスタッフの方々も,煙の威力にお困り気味でした(すみません…)。

 しかし煙にまかれるのも最短記録(!)の30分で終わり,薪が安定して燃えるようになりました。いつもならここで竹割りをしていただいたり,学内の自然林の見学をしたりするのですが,また今回の講座も雨!(私のせい?) 屋根のないところに出ることができませんでした。早めに昼食を済ませて,午後炭焼き小屋の中で少しだけ竹割り体験をしました。 

 お仕事のあとはおやつの時間。昼食後に窯の上に置いたさつまいもがおいしく焼けました! きょうの窯の温度の上がりはとても順調で,かつてなく早く焚き口を閉じて終了となりました。雨のため予定していたプログラムを全部行うことはできませんでしたが,参加者のみなさんにはなかなかない機会をご提供できたのではないかと思います。
 

2013年1月12日土曜日

サクラサク

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今回は里山ではありませんが,ちょっと変わった写真を撮ってきたのでご紹介しましょう。何だか花盛りですが,なんと一週間ほど前の正月4日に撮影した写真です。場所は一宮市南部,名鉄尾西線観音寺駅近くにあるお寺で育つ「四季桜」です。サクラなのですが,この寒い真冬でも満開に花を咲かせる変わった木です。
 

 なぜ季節外れの花が咲くのかよくわかりませんが,時節柄非常によく目立ちます。これは何も人間の目に限らないようで,しばらく見ていたらメジロが3羽やってきました。花の蜜を吸おうと思っているのか枝から枝へあちこち飛び移り,花の中にくちばしを入れていました。花の少ない時期のごちそうなのかもしれません。

 
 
 「サクラサク」といえば,試験の合格電報(って,今もあるのかしら???)の定番の文言ですが,まだまだ冬本番のこの時期,春を思わせる光景に少し暖かな気持ちになりました。

2013年1月9日水曜日

アカゲラ現わる!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週土曜日 (5日) のことですが,学内の自然林内を歩いていたら,聞き覚えのある鳥の鳴き声が聞こえてきました。その鳥は近いところにいて,しばらくとどまっているようです。注意深く声の主を探すと…いました!
 

 「アカゲラ」です。ヒヨドリや年末見つけたシロハラと同じくらいの大きさのキツツキです。上の写真で全体にオレンジ色を帯びているのは,沈もうとしている夕陽のせいですが,下の写真で後頭部が赤いのが見ますね。これはオスの証拠です(メスは黒いです)。木の高いところを行き来して,キツツキらしく幹で虫を探したり,普通の鳥のように枝にとまったりしていました。

 金城には小型のキツツキである「コゲラ」は頻繁に見られますが,アカゲラもこれまで鳴き声を希に聞いたことがあって,いるのは知っていたものの,はっきりとその姿を見たのは初めてです。ネットで調べてみると,名古屋市内でも名東区や千種区,緑区などで目撃されているようで,それなりに生息しているようですね。

 ところで「聞き覚えのある」と先に書きましたが,子どもの頃,近所で弱って動けなくなったアカゲラを私の妹が拾ってきて,しばらく自宅でえさをあげたりしたことがあります。愛嬌のある顔立ちとしぐさでかわいかったのをよく覚えています。

*ブログへの画像のアップがしばらくできなくなってしまいましたが,岩崎先生のおかげで復旧しました。ありがとうございました!
 

2013年1月8日火曜日

ザリガニの脱皮

みなさん、明けましておめでとうございます。
KSCの岩崎です。久しぶりの投稿です。
我家には5歳のやんちゃ娘がいますが、金城のある守山の自然に育てられ、すくすくと大きくなっています。この写真は、昨年の6月に娘が金城の近くの池でザリガニつりをした様子です。
この日は20匹ぐらいつり、そのうち3匹を我が家に連れて帰りました。残念ながら、いまは、1匹しかいませんが、その1匹が、先日、久しぶりに「脱皮」しました。
この寒さにも負けず、すくすくと大きくなるザリガニに元気をもらう今日この頃です。
では、今年もKSCをよろしくお願いいたします。
いわざき


2013年1月5日土曜日

あけましておめでとうございます

 みなさまこんにちは,よしだです。
 新年明けましておめでとうございます。

 名古屋は例年よりも少し寒く感じるものの,天候が大きく崩れることもなく穏やかな正月を迎えましたが,みなさまはいかがでしょうか? 
 さて,このブログを私が担当するようになって一年が経ちました。このブログは「KSC活動ブログ」というタイトルになっていますが,KSCの活動報告だけでなく,金城の里山の話題を中心に,街中や山登りをしている時などに見た自然の情景,時には天文の話まで,ざっくばらんに自然のおもしろさ,美しさ,奥深さ,不思議さをお伝えしたいと思って書いてきました。年が変わっても引き続きいろいろな話題を紹介していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 ところで,年の始めは一年の目標を立てるものとなっていますね。
 里山関係では,私はこれまで湿地の水の調査をやってきましたが,今年からは里山の生物のなぞ解きにも挑戦したいと思っています。また,時々紹介している山登りでは,実は私は日本の3000 m 以上の全山登頂を目指していて…と言ってもたったの21峰しかないのですが(笑),残り7峰のうち4峰は今年のうちに,と思っています。

 今年もよい年になりますように!

*現在このブログの画像アップロード機能が不具合で使えないため,今回写真はありません…