2014年1月31日金曜日

KSC全体会

 みなさまこんにちは,よしだです。
 きのうは雨の降る寒い一日でしたが,そんな中KSCの全体会が行われました。

 もうすでに講義の期間も終わったこの時期ですが,来週末の「第9回 大学間里山交流会」の開催に向けて,準備状況の確認や分担などを話し合う必要があったのです。
熱心に話し合い中です
この写真はまつやま先生に撮っていただきました

 里山交流会にはKSCの学生さん・教職員合わせて15人の他,先生方のゼミ生が5人ほど参加してもらえることになりました。みんなで会を盛り上げていきたいと思います!
 

2014年1月29日水曜日

Libletter (リブレター)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は図書館の学生ボランティア「リリアン」のみなさんが研究室にやってきました。「里山の先生」ということで,私が図書館の広報冊子 "Libletter" のインタビューを受けることになったのです。

 来てくださったのは薬学部・文学部・人間科学部の学生さん合わせて5名。薬学部以外の学生さんにとっては実験装置や試薬が並ぶ研究室は新鮮だったようです。

 質問はいくつもあって,「里山の魅力って何ですか?」とか,「里山以外の趣味は?」とか,もちろん図書館のボランティアらしく「好きな本は何ですか?」などなど。
インタビューのようすです
(この写真はまつやま先生に撮っていただきました)

 好きな本はいくつもあるのですが,今回私は,最近お気に入りのウォルター・ウエストン作の「日本アルプス 登山と探検」を挙げました。今から120年ほど前,スポーツとしての近代登山を日本に広めたウエストンが,日本アルプスのすばらしさを世界に広めた名著ですが,山の話はもちろん,当時の日本の世相,日本人の行いについても書いてありなかなか面白いのです。私の「里山以外の趣味」 (おやっ,里山って「趣味」でしたっけ?) の一つである山登りをしていると,自分の登山経験を重ねることができ,さらに楽しく読めます。

 インタビューというか,私があれこれ一人で話していた感もなくもないですが(苦笑),90分は楽しくてあっという間に過ぎてしまいました。私のインタビュー記事が掲載される "Libletter" は3月15日発行とのことですので,ぜひ皆さんご覧になってください。

インタビューに来られたリリアンのみなさん,おつかれさまでした!
 

2014年1月28日火曜日

ガマズミとミヤマガマズミ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 ブログのアップが,少しだけ「お久しぶり」になってしまいました。現在,今月末が初校・第一校提出締切の2つの論文に追われていて,ブログが「後回し」になっていたのです。それが今日,第一校の論文は提出し,初校の論文も一通り書き上げて最終チェックの段階に。ようやく先が見えてきました (やれやれ)。

 さて,前回 (1/22) の記事で少し触れましたが,その一つが里山に関する論文です。これを書いているときにちょっとしたミスをしてしまったので,今回はそのお話をしましょう。

 その論文では,里山に生育する植物の紹介をしているのですが,この自然林にも多く生育しているガマズミという植物の説明で,私は下の写真を使っていました。
  ところが共著者の小野先生から,「これはガマズミではなくミヤマガマズミではないか?」というご指摘を受けました。あわてて調べてみると,ガマズミもミヤマガマズミも分布はほぼ重なっているのですが,識別点として・・・
 
 【ガマズミ】
  葉が波打つ,葉の先端はややとがる,葉の最も太い部分は枝側
 【ミヤマガマズミ】
  葉は波打たない,葉の先端が鋭くとがる,葉の最も太い部分は先端側

とあり,確かに上の写真だとミヤマガマズミということになります。それで探し出したのが下の写真。赤い実に差はありませんが,左上の葉を見ると,上の写真の葉とは違うことがわかりますね

 金城の里山にはこの他にも近縁種の「コバノガマズミ」というのも生育していて,樹種判定に悩むことがあります。今回の間違いは論文の投稿前に発見されて事なきを得ましたが,まだまだ私は精進が足りませんね~ (苦笑)
 

2014年1月22日水曜日

ネズミサシ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 寒い日が続きますね。いま私は里山関係の論文を書いているところなのですが,その論文で必要となる写真を撮りに,時々八竜湿地へ出かけたりしています。

 下の写真はおととい撮ったもので,わかりにくいですが,手前左の方の水たまりは凍っています! 寒かったです~。
陽ざしがあるのが救いでした・・・

 さて 1月16日のブログで,里山に育つスギの話をしました。 「金城の自然林にはそもそも針葉樹は数えるほどの種しか生育していない」と書きましたが,アカマツやクロマツといった松の木は有名ですね。ところが,もう一種類自生しているものがあります。高木に育っているものがあまりないので目立たないですが,それがタイトルにある「ネズミサシ」です。
地を這うように育っています
 
 「ネズ」という別名もありますが,「ネズミサシ」の方がイメージが湧きやすいでしょう。なにせ「ねずみ刺し」ですからね! その名の通りとげ状の葉は比較的固く,ネズミなら刺さってしまいそうです。人間が触ってもかなり痛いです!
葉は痛いので注意!

 一見するとマツの仲間のよう見えますが,分類上はヒノキの仲間です。やせ地でも生育できる特徴があり,かつてこのあたり一帯がはげ山だったころのはたくさん生えていたそうです。今では緑豊かな丘陵ですが,ネズミサシはそうではなかった昔のことを教えてくれるのです。
 

2014年1月18日土曜日

八竜湿地の流量測定が再開

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうはセンター試験の日ですが,寒いながらも雪が降ったりせず,穏やかな陽気となりましたね。

 そんな中私は,八竜湿地で水位計の設置作業をしてきました。先週の島田緑地での水位計設置作業では,水位計のトラブルで調整ができず,やむを得ず稼働中の八竜湿地の水位計を移設しました。つまり,それ以降八竜湿地では水位計がないため,データが取れず困った状態が続いていたのです

 それが昨日までに原因の究明と修正が完了し,今朝さっそく設置してきました。欠測となったこの一週間,雨がほとんど降らなかったのは不幸中の幸いです。
ようやく元通りになりました
 
  きょうの作業は水位計の設置だけでなく,堰を流れ出る水量を実測したり,たまった落ち葉を取り除いたりと,冷たい水に触れなければいけない作業も・・・(泣) 湿地内の様子を確認してみると,もう10時だというのにまだしっかりとした霜柱が・・・
水が冷たいはずですよ(苦笑)

 その八竜湿地は,まさに冬枯れ状態。 
 それでもツグミやヒヨドリなどの鳥たちが森にやってきて盛んに鳴いていました。上空を見上げると,カワウが群れを成して飛んでいきました。一見何もないように見える冬の自然も,湿地には水が流れ,森には鳥が飛び交い,決して沈黙の世界ではないことを教えてくれます。
 

2014年1月16日木曜日

里山に育つスギ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 寒い日が続きますね。植物にとって冬場は,寒さよりも乾燥対策が何よりも重要で,樹木は水分が逃げないよう葉を落としたり(落葉樹),葉をつけたまま(常緑樹)でも気孔を閉じたりして春を待つのです。

 日本の樹木の中で葉の広い広葉樹には,落葉樹と常緑樹がそれぞれたくさんあります。ところが,葉の細い針葉樹は常緑樹がほとんど。日本の在来種ではカラマツ(落葉松)が唯一の例外です。

 金城の自然林にはそもそも針葉樹は数えるほどの種しか生育していないのですが,その中の一つにスギがあります。しかしこれは,おそらく植林されたものだと思われます。自然林内の 2 - 3 ヶ所にそれぞれ数本まとまって生育しており,分布としてやや不自然だからです。

 また,八竜湿地周辺の緑地にもスギが生育していますが,こちらはかつて神社の参道だった歴史があったようで,こちらは社寺林として植林されたものと思われます。
 スギはヒノキとともに,古来より柱などの建築用の木材としての需要があります。それはひとえに,まっすぐ成長する性質によるのです。クリスマスツリーでおなじみのモミの木も一見まっすぐ成長しているように見えますが,実際の幹はらせん状になっているため,柱にするには向かないのです。

 今は花粉症の原因ということであまり好まれないスギですが,他の樹木とは樹形が大きく異なるため,大きく成長したスギは森の中でも存在感があります
 

2014年1月12日日曜日

島田湿地で流量調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先月末に行われた島田緑地の維持管理計画のワークショップで,島田緑地でも水量調査をすることになったと書きました。
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2013/12/3.html

 緑地内の樹木の伐採作業が2月に入っているため,急いで日程の調整や資材の準備を行い,この週末に設置作業をしてきました。ワークショップからお正月をはさんでいるのに3週間足らずで実行です。「善は急げ」ですね!

 水量測定の装置を取り付けたのは,湿地のちょうど真ん中あたり,ため池の水が出ていくところです。
矢印のところから水が出ていきます

 ため池の水は,幅約 40 cm の水路を通って,下流側の棚田状の湿地に流れ込みます。昨日の作業はその水路に切り欠きを入れるところから始まりました。
 
 切り欠きに板をはめて,泥と土のう袋を使って固定していきます。この板は八竜湿地の水量調査でもおなじみの「三角堰(さんかくせき)」です。

 三角堰をつけてしまえば,あとは水位計を取り付け,水位と現在の流量を確認しておしまい,なのですが,ここでいくつか問題が発生してしまいました。一つ目は,水位計をパソコンと接続しても認識せず,最初の調整ができなかったこと。二つ目は,三角堰の切り欠きの高さが,従来のため池の水位よりもおよそ 1 cm 高くなったため,水が流れ出なくなってしまったことです。
水が止まってしまいましたね
 
 たった 1 cm と思われるかもしれませんが,ため池の面積全体で水位が 1 cm 上がらないといけないので,相当な量の水がため池に流れ込む必要があるのですよ・・・。

 それできょう,私が再度島田湿地に行ってきました。三角堰を見てみると・・・
水が流れてる!!!
 
 流れ出る量は1分あたり約5リットル。たったそれだけでも,一晩経てば充分な水がたまったようです。水位計を測定できる状態にしてようやく完成!
島田湿地の水量変動の特徴や,これから始まる周辺林の伐採が,水量にどの程度影響するか,明らかになることを期待しています!
 

2014年1月10日金曜日

KSC全体会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうもよく冷えました。名古屋の最低気温は -1.5 度とのことで,学内にある文四郎池はうっすらと氷が張っていました
まだ全面結氷には至りませんでしたが・・・
 
  そんな中,今日はKSCの全体会が開かれました。集まったのは学生さん・教職員合わせて15名。2月に「全国大学間里山交流会」が行われることになっていますが,それに付随して「第1回あいち学生森コン in 金城学院大学」というイベントも開催されることが決定し,その事前打合せを今回の全体会で行いました
金城が会場となるイベントに向けて
みんな真剣に話を聞いてます
(この写真はまつやま先生に撮っていただきました)
 
 どちらも学外から学生さんや先生方を迎えるイベントの開催であり,KSCメンバーはスタッフとして,イベントが盛り上がるようがんばっていきます!
 

2014年1月6日月曜日

名古屋から見える山- 【2】 能郷白山

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは1月6日,私にとっても仕事始めの日です。お仕事がんばります!
 さて,1年以上前のことになりますが,このブログで「名古屋から見える山」として,瀬戸線から白山(加賀白山)が見えることを紹介しました。
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2012/12/blog-post_12.html

 「名古屋から見える山」の白山に続く第二弾として,今回は能郷白山を紹介します。
 能郷白山は大学からもよく見えますし,晩秋にはうすだ先生と一緒に山登りに行ってきたので,ブログをご覧いただいている方にはすでにお馴染みですが,この山は瀬戸線の列車からもよく見えるのですよ!

 大森・金城学院前方面に向かう瀬戸線の列車が,大曽根を出て矢田を過ぎるとすぐ,止まりそうなくらい(笑)ゆっくりと左へ向きを変えます。余談ですが,ここは名鉄で一番急カーブだそうです。そして堤防道路の踏切を過ぎると,矢田川に架かる鉄橋,「矢田川橋梁(やだがわきょうりょう)」を渡りますね。この時進行方向左側の奥の方に,今なら真っ白な山が見えるはずですこれが能郷白山です。

 下の写真は堤防道路の踏切から撮ったものですが,車窓の景色は大体こんな感じですね。手前は瀬戸街道の道路橋です。この時はすっきりと晴れて,能郷白山がくっきりと見えました
瀬戸線で金城に通っている人には
おなじみの景色ですね

 同じ場所からズームで撮るとこんな写真になります。手前がJR中央本線で,ちょうど特急しなのの車輌が通過しています。標高1617 m と,特に高くはない能郷白山が,とても大きな山塊のように見えます
信州の景色みたいです(笑)

 さて,上の2枚の写真を撮った日はとても天気がよかったので,このあと東山公園にある「東山スカイタワー」に行きました。そして展望室から能郷白山方面を見たら・・・あらびっくり! 偶然にも,能郷白山・写真を撮った矢田川橋梁・東山スカイタワーが一直線上に並んでいるではありませんか! なのでこんな写真が撮れました。
能郷白山がさらに拡大されてます(笑)
 
 そして夕暮れ時。こんなふうに景色が変わります。
「撮影地点」付近に
瀬戸線の電車が写っています
 
 普段都市に暮らしていると,山は遠くて縁のないもの,と思ってしまいがちかもしれませんが,こうやって見てみると親しみを感じないでしょうか?

 なお「名古屋から見える山」シリーズ(実質「瀬戸線から見える山」ですが・・・苦笑)では,今後御嶽山・中央アルプス・伊吹山を取り上げる予定です。お楽しみに!
 

2014年1月4日土曜日

新しい年を迎えて

 みなさまこんにちは,よしだです。
 新しい年を迎え,みなさまいかがお過ごしでしょうか?

 この冬は全体的にちょっと寒いものの,正月三が日の名古屋は大きな天候の崩れもなく,穏やかな三日間となりました。わたくしは年始の恒例として,高校時代の友人たちと名古屋港へ初日の出を見に行きました。名古屋の日の出の時間は7:01,しかし,その時間を過ぎても東の空はご覧の通りのベタ曇り。
上空は雲が切れて
いるんですけどね・・・

 雨や雪の日を除いて,これまでここで初日の出が見られなかったことはなかったのですが,今年はダメかな~なんて思いつつ,しばらく待っていると・・・
おおっ,もしや???

 そうなんです,東の地平線にあった雲の上から太陽が出てきたのです!
 余談ですが,後ろにいた人が「山から太陽が昇ってきたんだね~」と言っていましたが,そんな高い山はこの方向にはありません(笑)。

 数分もすると太陽の丸い形がはっきりしました。うすい雲がかかっているようで,肉眼でも眩しくない,真っ赤で大きな太陽を見ることができました。
これもまた美しい日の出では
ありませんか!

 この後すぐ,上の雲の中に太陽は隠れてしまい,丸い太陽が見られたのはほんのわずかな時間だけでした。でも,いい御来光が見えて,今年がいい幕開けとなった気がします!

 ところで,昨年 (2013年) 第一回のブログでは,一年の目標を書いていました。
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2013/01/blog-post_5.html


 その中で「私は日本の3000 m 以上の全山登頂を目指していて…と言ってもたったの21峰しかないのですが(笑),残り7峰のうち4峰は今年のうちに,と思っています。」とは書いたものの,天候に阻まれたりして,1つも達成できずに終わりました。

 2014年も残り7峰のままですが,数にはこだわらず,楽しく登ってこれればそれでいいかな,と思っています。もちろん里山に関するお仕事もこれまで以上に進めていきます。仕事であれ趣味であれ,充実感のある毎日を過ごしていくことを心がけていきたいと思います。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。