2014年11月29日土曜日

里山学習講座「里山でクリスマスリースをつくろう」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 ここ最近ブログ更新がペースダウンしていました。11月15日(土)の八竜湿地研究会22日(土)の大学間里山交流会,そして翌23日(日)の非公開ワークショップとプレゼンが続いていたところへ,投稿している論文の手直しも入り,余裕がなかったのです
 これらがようやく片付いてほっと一息,と言いたいところですが,これから年末まで,遅れてしまった実験を急いでしなくてはなりません(泣)。

 さて今日(29日,土曜日)は,今年度最後の里山学習会「里山でクリスマスリースをつくろう」を開催しました。親子の方を中心に23名の方に参加していただきました。もともとの予定では,午前中に里山に行ってクリスマスリースの材料を集めて,午後はリース作りをし,余裕があれば蜜ろうキャンドルや松ぼっくりツリー作りもしていただく,というつもりでした。

 ところが今日の午前中は雨が降ってしまい,午後には雨が上がる予報だったので,急きょ午前中に蜜ろうキャンドル・松ぼっくりツリー作りをしていただきました 
 蜜ろうキャンドルは,金城祭でもおなじみの企画で,蜜ろうシートをただくるくる巻くだけでできます。しかし今回の参加者のみなさんの想像力と熱意はすばらしく,今までにない蜜ろうキャンドルがいくつも作られました

 一方の松ぼっくりツリーは,台座を各自で木の幹を切って作ってもらうことにしたのですが,意外にこれが人気(?)で,特にお子さんたちは積極的に切っていました。

 お昼休みをはさんで午後は,幸い雨が上がったので,まずは里山へクリスマスリースの材料探しに出かけます。どんくりや松ぼっくり,木の葉や実など,たくさんの素材を集めました。昨年はソヨゴの赤い実がたくさんあったのですが,今年は不作で収穫できなかったのはちょっと残念です。
 
 教室に戻ってさっそくリース作りです。特に作り方を説明するわけでもなく,また,見本も用意しなかったのですが,集めてきた材料から創造力をかきたてて作っていました。
 作品の写真を撮るのを忘れてしまったので,その出来栄えを紹介できないのがとても残念ですが,

どれもすてきなリースばかりで,まさに力作ぞろい!

 参加してくださったみなさんには,里山の自然の楽しさを思い出しつつ,すてきなクリスマスを過ごしていただけたら,と思います。

 スタッフのみなさんもおつかれさまでした!

  

2014年11月24日月曜日

第10回大学間里山交流会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11月22日(土曜日),京都にある龍谷大学深草キャンパスで開催された「第10回大学間里山交流会」に参加してきました。

 私も一緒に行った学生さん2人も龍谷大学に行くのは初めてだったのですが,正面の入り口の大きさにびっくり! 全体が全然おさまりません。手前にいる学生さんがとても小さく見えます!
 
 学内のいたる所に今回の里山交流会のポスターが貼ってありました。
 
 会場は22号館1階の教室でした。丸テーブルが並ぶ教室に,またびっくり!
 定刻の13時に交流会は始まり,龍谷大学里山学研究センターのセンター長でおられる牛尾先生がごあいさつされました。
 
 つづいて各大学が取り組んでいる活動を紹介するポスター発表です。今回は金沢大・東大・滋賀県立大・兵庫県立大・近畿大・京都女子大・京都学園大・龍谷大,そして金城学院大から,計20題の発表がありました。

 私たちは,「金城学院大学における一般市民向けの里山学習講座の取り組み」「金城学院大学を含む都市近郊に生息域を拡大するほ乳動物」の2題を発表しました。前出の牛尾先生が学生さんの発表に耳を傾けています。
 
 
  ポスター発表の後,京都女子大学の高桑先生による講演につづき,1時間20分にわたって「ワークショップ」が行われました。実は事前に配布されたスケジュールを見て,この「ワークショップ」というのは,だれが何をするの?と思っていたのですが,出されたお題に全員が考えて答えを出す,というものでした。決められた時間の中でみんな一生懸命考えています。
 
 お題は5つ。「あなたにとって里山とは?」「大学・大学生にとって里山とは?」「持続可能な社会にむけて里山はどう答えるか?」などなど。普段あまり深く考えたことがなかったりしたお題もあって,けっこう頭を使いました(苦笑)。そして,グループ内で,いいな,と思う答えは,推薦してみんなの前で発表をしました。
 
 有意義な会でしたが,夜は懇親会も含めてあっという間に時間が過ぎ,最後に残った人で記念写真を撮りました。

 昨年度(今年2月)には金城で里山交流会を開催したところですが,

第9回大学間里山交流会 (1日目)
 http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/02/9-1.html
第9回大学間里山交流会 (2日目)
 http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/02/9-2.html

ますますこの交流会は充実してきていると感じました。もっと多くの大学が参加して「里山」をキーワードにつながりができるといいですね!
 
 

2014年11月21日金曜日

幻日と夕暮れ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは担当している実習の日なのですが,それが終わって実験室に戻ると,ちょうど太陽が沈みかけていました。そして太陽のまっすぐ左には,幻日が現れていました。こんなにくっきりとした幻日は久しぶりに見た気がします。
↑ 幻日         太陽 ↑
です (^^)
 
 ほどなくして幻日は消え,鈴鹿山地に太陽が沈んでいきました。雲の加減で燃えるような夕焼け空となりました
 
 ここから夕暮れの空は,刻々と変化していきました。上空の青は紺色へと深まり,西のオレンジ色も,より強まってから闇へと変わっていきます。私は,もの悲しくも神秘的なこの空の変化が好きです。

 きょうで一週間が終わって,明日から3連休,と言いたいところですが,私は明日の土曜日は「大学間里山交流会」で京都に出張,日曜日は瀬戸市の湿地保全ワークショップでプレゼン,月曜日は授業日で普通に出勤と,事実上休みなしです。しかも,土日の準備もまだ終わっていません。

 でも今日の幻日と夕暮れの空は,忙しい中でほっと一息つくことができました
 

2014年11月20日木曜日

湿地の調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11/18(火),私は月に一度定期的に行っている湿地の調査に出かけてきました。午前は天白区の島田湿地です。ここにはもともとため池だった池があって,その景色はいかにも秋めいてきました。

 この池から出る水は,水量の調査も行っています。八竜湿地と同じように堰を設けてその水位を測定しているのですが,この季節は落ち葉が多いのが悩みの種です。堰に落ち葉が引っ掛かると水位が高くなってしまい,正確に測定できなくなってしまうからです。なので,月1回の採水と同時に装置のお掃除も欠かせません。

 続いて午後は知多半島にある湿です。小さな池の周辺が湿地状になっています。晴れた日が多かったからか,池の水位が下がって,池が小さくなっていました。

 今回新たに,この池よりも少し下がった森の中の湧き水も採取しました。下の写真で左下に黄色の容器が見えますが,このあたりの地面が水を含んで黒くなっているのがわかるでしょうか? ほんのわずかな湧き水ですが,なんとか採水することができました。

 サンプルは大学に持ち帰って,特殊なフィルターでろ過をしました。後日機械で分析をします。どんな結果が出るでしょうか?
 


2014年11月18日火曜日

八竜湿地研究会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11月15日(土曜日),金城で八竜湿地研究会の研究集会が行われました。この研究会は,八竜湿地の現在だけでなく,過去にもさかのぼってその環境を解明しようとする試みで,地質の年代測定,花粉分析,理化学分析なども行う総合的なプロジェクトです。

 昨年4月から2年間のプロジェクトですから,4か月後に終わりとなります。なので今回はまず,各自の研究の進捗状況の報告をおこないました。下の写真は,研究統括者(プロジェクトリーダー)の小野先生が,全体の状況を説明しているところです。 私も現在行っている八竜湿地の水質調査,水量調査,土壌理化学分析についてプレゼンを行いました。
 
  今回は研究の進捗状況の報告だけでなく,招待講演として,瀬戸市にある東京大学の生態水文学研究所の田中先生に,「森林の遷移と管理に伴う周辺湿地の水文環境への影響」というタイトルで発表していただきました。湿地を潤す湧き水の量は,その周りの森のタイプ(たとえば人工林なのか天然林なのか)や生育している木の本数でどう変わるのかを,さまざまな研究成果を引用しながらお話していただきました。

 小さな研究会ですが,特有の生物相がみられる東海地方の湿地について,ここまで掘り下げた研究は他にはないと思います。プロジェクトの期間はあと少しですが,他の湿地でも参考にしていただけるような結果を出していきたいと思っています。
 

2014年11月17日月曜日

KSC全体会

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 11月14日(金曜日),KSCの全体会を行いました。おもな議題は
 
・ 金城祭の振り返り
・ 今週末に京都の龍谷大学で開催される「大学間里山交流会」について
・ 今月末に予定しているハイキングについて
・ 年末の忘年会について(笑)

でした。
 
 金城祭に関しては 
 
・ 昨年よりも場所が広くなってやりやすかった
・ 工作の材料が足りなくなったものがいくつかあった
・ 壁にポスターを貼ってみたがはがれてしまった
・ 竹とんぼづくりで接着剤が乾くまで時間がかかって,間が持たなかった
・ スタッフの数が足りなかった

などなど,いろいろな意見が出ました。これらの反省をもとに来年またより良いものにしていきたいと思います。

 さて,直近のKSCのイベントと言えば,上に書いた「大学間里山交流会」。
 今週末に学生さん2名と小野先生,田中さん,私の計5名が参加します。大学の里山の紹介と,一般の方向けに開催した里山学習講座について発表を行う予定です。
 

折れた枯れ木

 みなさまこんにちは,よしだです。

 けさ炭焼小屋に行ってみると,一本の木が折れて倒れていることに気がつきました。下の写真の真ん中の茶色の木です。高さおよそ2.5mのところで折れています。以前から枯れていたのですが,折れる前は5m以上の高さがありました。
 
 ここ最近,それほど強風があったわけでもないし,折れた部分がそれほど腐っているわけでもなく,なぜ折れたのかよくわかりません
 
 この枯れ木では今年の6月,シジュウカラが子育てをしていました
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/06/blog-post_6.html

 キツツキが枯れ木に開けた巣は,その後いろいろな鳥が利用する(このシジュウカラもその例)ことが知られていますが,この時期に子育てをする鳥はいないので,鳥から見ても被害が出ずに済みました

 巣の部分はさすがに強度が落ちていたようで,粉々になっていました。
 
 巣の内側に,鳥の羽根などの痕跡は見当たりませんでしたが,黒く変色しています。

 金城の自然林には,病気などで枯れた木がたくさんありますが,特に危険がなければそのまま残しておくことにしています。まだしっかり立っているうちは鳥の巣となるからです。

 でもだんだん弱くなってしまうと,いつかはこのように倒れてしまいます。これからはある種の虫たちの棲みかやえさとなって,やがて土に還ります。折れて倒れた木に,自然のサイクルを見ることができました
 

2014年11月12日水曜日

豊田市の湿地の調査に行ってきました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11月10日(月曜日),湿地の珪藻の分布を共同で調べている小野先生とそのゼミの学生さん,森先生とともに豊田市内のラムサール条約に指定された湿地群(矢並・恩真寺・上高湿地)に行ってきました

 まずは矢並湿地です。3つの湿地ではちょうど木道の補修や,イノシシの防護柵を設置する工事を行っていました。

 中に入ってみると,草が枯れていかにも秋らしい様子になっていました。周りの木々が紅葉するのももうすぐでしょうね。

 と思っていたら花が咲いてしました。ウメバチソウです。湿地に広く生育する植物で,東海地方固有種ではないのですが,他に咲いている花が少ないのでとてもよく目立ちます。

 水の中ではサワガニが歩いていました。金城のお隣の八竜湿地ではサワガニを見かけたことがないので,つい物珍しく感じてしまいます(笑)。

 こちらは恩真寺湿地です。真ん中を流れる水路は,上流から川のように流れてきて,ここで地形的な原因で水の流れが広まり,湿地を形成しているようです。

 恩真寺湿地でもウメバチソウをたくさん見ることができましたが,かろうじてこんな花が咲き残っていました。ミカワシオガマです。寒冷地に生育するシオガマギクが,温暖な東海地方(三河地区)に残って独自に進化したものと考えられています。

 最後に行ったのが上高湿地です。ここは3つの小湿地からなり,それぞれ採水と珪藻分析用のサンプリングを行いました。せまいぬかるみに突撃(?)して,学生さんがサンプリングをしているところです。

 森先生によれば,珪藻も冬になると活動を停止し,姿を消してしまうそうです。今回は今年最後のサンプリングとなるかもしれません。しかし,来年もいくつかの湿地で同じ研究を続ける予定にしていて,東海地方に特徴的な湧水湿地と珪藻との関係が明らかになることでしょう
 


2014年11月11日火曜日

里山学習講座「どんぐりクッキーをつくろう」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11月8日(土曜日),里山学習講座の第二弾「どんぐりクッキーをつくろう」を開催しました。暑くもなく,寒くもないちょうどよい陽気となり,午前の部の里山の森の見学と伐採体験にはちょうどよかったです(^_^) 

 10時に集合してごあいさつ,スケジュールの説明や注意事項をお伝えした後,さっそく外に出て森の見学をしました。

 下の写真では,真ん中の赤い服を着た小野先生が,森の端ではクサギやアカメガシワなどの明るいところを好む木が生えてくることを説明しています。

 クサギはその名の通り葉にくさいにおいを持っていて,みなさんにそのにおいをかいでもらったのですが,そのままでは気分がよくないですね(苦笑)。なので「お口直し」にブルーベリーの仲間であるシャシャンボの実を食べてもらいました。
おいしいかな~?

 ぐるっと里山を一回りしたのですが,ランドルフ記念講堂の南を歩いていたら・・・

あっ,タヌキだ!!!

本当に一瞬のことだったのですが,イヌでもネコでもなく,間違いなくタヌキでした。小野先生も私も,これまで自動カメラの映像としてタヌキは見てきましたが,学内で本物のタヌキを見るのは初めて!
(一瞬のことなので写真は撮れませんでした・・・残念)

 さて,ランドルフ記念講堂の東までやってきて,ここで伐採体験をしていただきました。主にスダジイやヒサカキなどの常緑樹を切ってもらいました。

 伐採の後はどんぐり拾い。ランドルフ記念講堂の入り口にツブラジイの大木が数本あって,今年は豊作の年のようです。たくさんの実が道路に落ちていました。どんぐりが車につぶされて,道路が真っ白になってしまうほど!

 昼食をはさんで午後からはいよいよどんぐりクッキーづくりです。講師は,昨年もこの企画で担当していただいた梶浦先生。午前中KSCメンバー4名とともに厨房で試作をしていました。

 楽しいお料理教室の始まりです。まずは生地を混ぜ合わせていきます。今回は小麦粉70 g に,スダジイ・ツブラジイのどんぐりを挽いて作ったどんぐり粉を10 g の割合で混ぜました。

 片隅では,余った生地で小野先生もチャレンジです(笑)
学生さんに見守られています (^_^)

 生地ができたらいったん冷蔵庫で休ませて,型抜きをします。ここに,さっき拾ったどんぐりをトッピングしていきます。

 オーブンで焼くことおよそ10分,どんぐりクッキーのでき上がりです!!! おいしくできてみなさんの笑顔がこぼれます。
はい,ちーず!
 
 今回も里山の恵みを感じていただく講座ということで企画したのですが,参加者のみなさんに楽しんでいただけたようで何よりです。また来年も,ですね(笑)。
 
 参加者のみなさん,スタッフのみなさん,おつかれさまでした。
 

2014年11月5日水曜日

似たものどうし

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日学内を歩いていたら,近くの電線とテレビアンテナに鳥が止まっていることに気がつきました。どちらもスズメより一回り大きいくらい,色も何となく似ています。
 
 
  上の写真でピントが合っている右の鳥を拡大してみました。背中が黒く,お腹がオレンジ色で,翅の一部に白い模様がありますね。この鳥はジョウビタキ(たぶんオス)です。秋になると北から渡ってきて,金城の森でも冬を過ごしているようです。

 もう一羽,アンテナの上に止まっていた鳥もお腹がオレンジ色でよく似てますが,背中の色はジョウビタキほど濃くはありません。こちらの鳥はモズです。捕えた虫を枝先になどに刺しておく「はやにえ」の習性があることで有名ですね。人里近くに生息するとされるモズですが,わたくし自身,金城周辺で目撃したのは初めて。珍しい鳥ではありませんが,ちょっとうれしかったです (^_^)

 そろそろ金城の森も紅葉が始まってきました。紅葉が終わって木々が葉を落とすことによって,鳥の観察がしやすくなります。今度はどんな鳥に出会えるでしょうか。
 


2014年11月4日火曜日

動物のねぐら?

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 昨日のことですが,KSCのきむらさんから,

「動物が掘ったような穴がある」

という話が飛び込んできました。送られてきた写真を見ると,確かに意図的に開けられた穴でした。それできょう,きむらさんと一緒にその穴を私も見に行きました。
 
 場所はランドルフ記念講堂の南斜面です。下の写真で後ろに明るく光る茶色の建物が講堂です。手前の黒い木の幹の右下に,穴が黒く開いているのがお分かりでしょうか?
 
 もう少し近づいてみます。木の根元に,枯れ枝や木の根に隠れるように穴がありますね。
 
 きむらさんが穴の中を確認していますが,意外に大きな穴でした。キツネくらいの大きさの動物なら何とか穴に収まりそうです。土をかき出した跡もあって,動物が掘った穴であることはほぼ間違いないでしょう。
 
  この付近では以前,小野先生が設置した自動カメラにタヌキやキツネが写りました。でもこのように動物がいた痕跡は,フン以外では初めてだと思います。

 金城の里山で,また新しい発見が
 ありました。
 
 (情報を提供してくださったきむらさん,ありがとうございました)