2015年4月28日火曜日

恩師の最終講義に参加して

 みなさまこんにちは,よしだです。

 25日(土曜日),私の恩師である信州大学農学部の廣田満先生の最終講義に出席するため,信州へ行ってきました。名古屋から車で中央道を走ること2時間ちょっと。標高の高い伊那谷は,今が桜の満開の時期で,芽吹いたばかりの新緑とともに,少し遅い春の訪れとなっていました。
満開の桜と鯉のぼり
名古屋ではできない組み合わせですね!

 咲いていたのはサクラだけではありません。信州の名産と言えばりんごですが,リンゴの花がちょうど咲き始めていました。学生時代,リンゴの花摘み(摘花)のアルバイトを私はしていたのですが,早朝のまだ空気がひんやりする中,キジやヒバリの鳴き声を聞き,真っ青な空と残雪のアルプスを仰ぎながらの農作業は,とても楽しいものだったのを思い出します (^o^)
スズメもリンゴのお花見?

 さて,信州大学農学部で行われた廣田先生の最終講義には,大学の先生方や学生さんはもちろんのこと,歴代の卒業生が遠路はるばる集まっていました。八竜湿地の水量調査で共同研究をしている福山先生もおられました。
先生のご専門は生理活性天然物化学といって,植物やきのこなどに含まれる成分の中から,薬など人の役に立つ物質を探す研究を長年されていました。 私も学生時代は,先生のもとで合成や分析などの化学の研究をしていました。

 そう,私はもともとは化学が専門だったのです (^_^;) 

 「化学なのに里山???」と意外に思われるかもしれませんが,学生時代に化学を学んだからこそ,その後酸性雨の研究に携わることができ,その時森林の勉強をし,今の里山につながるのです。また,八竜湿地をはじめとする湿地の水質分析の研究が今あるのも,やはり学生時代の化学のおかげ。

 そう考えると,自分の研究人生の一番の基礎を作ってくださったのは廣田先生であり,感謝の気持ちでいっぱいです。最終講義では当時の研究室の先輩や後輩に久々に会うこともでき,学生時代の思い出話は尽きることがありませんでした。

 下の写真は,廣田先生が最終講義を終えられた後,大学の近くから撮った伊那谷と南アルプス。雄大な山なみを毎日望む学生生活もまた,私の「里山に対する愛着」の下地を作っていたのかもしれませんね。
 


2015年4月24日金曜日

KSCでたけのこ掘り

 みなさまこんにちは,よしだです。 

 きょうはKSCでたけのこ掘りをしました。すでに先週金曜日の炭焼きで何人かは採り始めていますが,今年は特に豊作で,どんどん採らないと竹林の拡大になってしまうので,またみんなで竹林に入りました。

 写真から,KSC女子の気合の入り具合が伝わってくるのではないでしょうか。
みんな一心不乱です!

   私は大きめのたけのこ掘りにチャレンジ! そのようすをまつやま先生に撮っていただいたのですが,ちょうど「ぱらぱらマンガ」みたいになりました(笑)
残念ながら,なぜか画像が拡大しないので遊べませんが・・・(-_-;)
そして・・・ 
こんな大きなたけのこが採れてびっくり!!!

  各自掘ったたけのこは,新聞紙に包んでお持ち帰りしました。おいしいたけのこ料理ができそうですね~(^o^)
今年のたけのこの数は相当なもので,まだしばらく
たけのことの戦いは続きそうです(笑)。


*今回きむらさん,まつやま先生に撮っていただいた写真も使わせていただきました。ありがとうございました。
 
   
 
 
 

2015年4月22日水曜日

アカハラのさえずり

 みなさまこんにちは,よしだです。

 金城の森も若い緑に覆われて生き生きとした感じになってきました。それとともに最近,とても声が大きく,にぎやかな鳥のさえずりを耳にするようになりました

 声はすれども姿は見えずで,その鳥の正体が何なのかわからなかったのですが,たまたまその鳥がすぐ近くを横切った時がありました。

ヒヨドリぐらいの大きさの茶色の鳥

一瞬なのでわかったのはそれだけ。検索して最初に候補に挙がったのは初耳の「ガビチョウ」でした。「変な名前の鳥だなぁ」と思ったのですが,説明には衝撃の文字が・・・

外来生物法で特定外来生物に指定
日本の侵略的外来種ワースト100選定種

・・・ (ー_ー)!!

実際はそこまで深刻な影響は出ていないようですが,金城で特定外来生物は,すでに確認されているアライグマやオオキンケイギクだけでも充分なのに,「また~?」とがっかり。

 そして17日(金曜日)の炭焼きでのこと。
 炭焼き小屋のすぐ上あたりで,森に響く大きな声で,「あの」さえずりが始まりました。複雑なそのさえずりは,ヒバリのさえずりに少し似ている気もします。何とか姿をとらえ,写真を撮ることができました。

 その写真がこちら。
 元の写真が暗くて判然としなかったのですが,明暗を調整してこうなりました。
 確かに腹部は茶色なのですが,ガビチョウに特徴的な目元の白い模様がなく,お腹の中心部は白い(ガビチョウは全部茶色)ことから,ガビチョウ「ではない」と判断できました

 これで一安心して再度検索して出てきたのが,タイトルにある

「アカハラ」

です。大学で「アカハラ」というと,まったく違ったネガティブな意味になってしまいがちですが,それとは関係なくて(当たり前ですが),素直に「赤い腹」です(笑)。冬場によく見かけた,同じツグミの仲間の「シロハラ」が「白い腹」なのと対応しているわけですね。

 私が金城でアカハラを確認したのはこれが初めて。ここ最近,毎日のようにさえずりを聞くということは何羽かいるのかもしれません。普通アカハラの説明では,やや標高の高いところで繁殖しているように書いてありますが,この時期にさえずりをしている=この近辺で繁殖をしている,としたらびっくりですね。 
  

2015年4月20日月曜日

日本福祉大学「たけのこ祭り 2015」

 みなさまこんにちは,よしだです。

 おかげさまでこのブログ,
 
閲覧数が2万を超えました!
 
ありがとうございます! 2009年9月にこのブログを開設してからなので,世の中の人気ブログに比べるとのんびりなペースかもしれませんが,ここ一年くらいから見ていただく方も増えてうれしい限りです。これからもいろいろな話題を取り混ぜてお伝えしていきます!

 ということで今回は
楽しいお祭りの話題です (^o^)丿
 
 おととい(4月18日),日本福祉大学の美浜キャンパスで行われた「たけのこ祭り」に参加してきました。昨年も参加してきましたが,今年も大盛況です!
 
 学生さんや教職員のみなさんが一所懸命「振る舞い」の準備をされていました。私たちはありがたく頂戴しました (^o^)
たけのこごはんに豚汁・・・

たけのこ入りピザも!
おいしかったです~ (^o^)
 
 私は個人的に,日本福祉大の先生や事務の方々にとてもお世話になっているのですが,お祭りということであちこち物を運んだり,火の横で汗だくで豚汁を配ったりと,みなさん大変そうでした。そんな中私たちは食べるだけで少々申し訳ない気も。それどころか学内でたけのこ掘りまでさせていただきました
 
 金城のたけのこもシーズンに入りましたが,ここでもたけのこはあちこち出ていて,「掘りどき」になっていました。ついつい力が入って・・・
浮いてます!
 
 こうやって苦労して,いいたけのこを掘り出せるとうれしいですよね~。 
 
 結果・・・
どっさり!
と言いたいところですが,実はこれで全部ではないのです(苦笑)
たくさん掘らせていただきました~
 
 お祭りとたけのこ狩りを楽しんだ後は,近くのいちご園に移動して恒例の(?)いちご狩りへ
 
私も見かけによらず「大食い」で,この日も70個程のいちごを食べたのですが,
今年は軽くその上をいく「つわもの」が・・・
ただいま101個目!
最終的には自己最高記録の106個でした
(o)/!

 さすがKSC部員,気合いが違いますね!
 
 ずっと雨の日が続いていたにもかかわらず,この日は少し汗ばむほどのいい陽気となり,春の一日を楽しませていただきました。日本福祉大学のみなさんに感謝です!!!
 

2015年4月18日土曜日

第35回炭焼き

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 4月17日(金曜日),KSCで35回目となる炭焼きを行いました。前回が2月18日だったので,ほぼ2か月ぶりですね。
 
 午前9時,学生さん2名と河村先生,よしだの4名が集合し,前回焼いた炭を取り出すところから始めました。最短時間で終わったのではないかと思うくらい,前回は温度の上りが早かったのですが,生焼けの少ない上々の焼け具合でした (^_^)。
 
 続いて既に割っておいた竹を詰め,ふたをして砂を載せます。その間学生さんには焚き付け用にスギの落ち葉を拾ってきてもらいました。童話「桃太郎」では「おじいさんは山へ柴刈りに」ですが,金城なので

「おじょうさんは山へ柴刈りに」
ですね(笑)。
 
 冗談はともかく,9:30に点火となりました。強力なバーナーですぐに火が回っていきました。
 
 ここからが煙に巻かれて大変な時間なのですが,今回は45分ほどで終わり,竹酢液が出始めました。
 
 薪が安定して燃えるようになり,余裕が出てきたので,手が器用な河村先生は何かを作りはじめました。竹を温めてやわらかくし,特製の道具でグイッとまげて・・・
 
 できあがったのは茶杓。茶道でお抹茶をすくうのに使うものですね。きむらさんも一ついただきました。
 
 一方,学生さんはたけのこ掘りに。今年は前年不作だったからか,雨が多かったからか,探さなくてもすぐ見つかるくらい大量にたけのこが出ていました。
 
 お昼になって,炭焼き小屋でKSCの全体会です。これからの予定を確認したりしました。
 
 で,今回のお楽しみは・・・
焼きたけのこ!
 
 春に炭焼きをするのは初めてなので,まさに金城の炭焼きならではのごちそう! 美味しく焼けました! 
 
 そして恒例の焼いもに加えて,これまた初めての試みとなる「焼きそら豆」も。
  焼いもと同じく砂の中に埋めたり,窯口に置いたりして加熱すると・・・
うまいっ!
 
 もちろんそら豆は金城で採れたものではなく,私が柳橋市場で買ってきたものですが,まさに季節物。この時期ならではのメニューですね。

 今回KSC部員はもちろんのこと,薬学部の学生さんがたくさん見学に来てくれたほか,この春に学院長に就任されたばかりの戸苅先生もお越しになり,KSCの活動に大変興味を持ってくださいました
 
 16時過ぎには窯を閉じ,炭焼きの作業は無事に終了です。
 みなさまのおかげで,今回もまた楽しい一日となりました
 

2015年4月16日木曜日

この春の八竜湿地

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は久しぶりに朝から青空になりましたが,4月に入って雨が多いですね。今年は雨天日数・降水量ともに記録的な多さなのだそうですが,毎年この時期に行っている,薬学部の先生方・学生さん対象の湿地見学も今年は雨で流れてしまいました。花が咲いて新芽が芽吹く季節感のあふれる時期なのに,身動きが取れないのはちょっと残念です(泣)。

 私自身も八竜湿地へは,4月4日(土曜日)に流量測定装置のメンテナンスで行っただけ。リアルタイムの報告ではありませんが,その時の様子をご覧いただきましょう。

 この日は基本的に曇りだったのですが,時々青空にもなりました。雲が「秋の空」みたいでちょっと不思議な感じもします。

 湿地表面のミズゴケが生き生きとしてきて,その合間からハルリンドウがたくさん花を咲かせていました。晴れてしっかり花を開いてきれいです (^_^)。
左下のプラスチックは,地下水採水用に
埋めた管で,私の物です
(見苦しくてごめんなさい・・・)

 希少種のマメナシも花を咲かせていました。今年は木によって花の量のばらつきが大きく,中にはほとんど花をつけていない個体も。ちょっと心配ですね。

 湿地のまわりの森に目を転じれば,一面のコバノミツバツツジの花(わぉっ!)。日が射した時の鮮やかなピンクは本当に美しいです!!

 あれから2週間近く経ってしまったので,ハルリンドウはもう少しの間見られるかもしれませんが(晴れないと咲かないんですけどね・・・苦笑),マメナシ・コバノミツバツツジの花はそろそろ終わりにでしょうか。しかし,コバノミツバツツジ程の華やかさはないものの,いろいろな花が次々と咲く時期なので,晴れた日はぜひ八竜湿地にお越しください
 

2015年4月13日月曜日

ヤマガラとアカゲラ

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 このところこのブログは,養老山ハイキング,新湿地での作業,冬虫夏草発見と(このブログにしては)アクセス数の多い話題が続いたところですが,きょうは「小ネタ」です (^_^;)
 
 春になって鳥も活発に動くようになってきましたが,そろそろコナラやアベマキなどの落葉広葉樹が芽吹いてきたので,バードウォッチングもちょっとやりづらくなってしまいました。そんな中かろうじて撮った最近の写真をご覧いただきましょう。
 
 まずはヤマガラです。頭部の模様はシジュウカラと似ていますが,おなかのあたりの明るい茶色で見分けられます。枝の上で盛んにえさをさがしていました。
 
 うまくえさを見つけることができたようです。枝をつっついて・・・
 
 くわえているのは虫でしょうか。すぐに食べないところをみると,ヒナに与えるためのもののようです。もう子育ての時期なのですね
 
 こちらはアカゲラ。金城とその周辺の森で時々見られるキツツキですが,春に姿を見たのはこれが初めてです。私はこの鳥を冬場にしか見たことがないし,鳴き声を聞いたことがないので,春になったら渡りをするものだと思い込んでいましたが,分類上は,基本的に一年中同じところで暮らす「留鳥」ですね。アカゲラはまだ子育てというよりも,まだ木に穴をあけるのに忙しい時期かもしれません。
ピンボケ写真でごめんなさい・・・
 
 アカゲラがいるというのは,森にそれだけ大きな木がある,ということですが,アカゲラは枯れ木に穴をあけるので,大きな枯れ木がある成熟した森でないと繁殖できない,ということになります。大学の近くにアカゲラの巣穴があるとしたら,ちょっとうれしいですね (^_^)
 

2015年4月8日水曜日

セミの幼虫からキノコ!?

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日通称「新湿地」で落ち葉などの除去作業をしたのですが,作業に入る前,森を伐採した何もないところにいろいろな植物の芽生えがあって,皆で観察をしていました。一番の注目はカエデ(いわゆる「もみじ」)の芽生えだったのですが,そのすぐ近くに5cmほどの小さなキノコが生えていることに気がつきました。その時は見つけた私を含め誰も写真すら撮らず,「変なところに生えてるな」くらいで,特に気に留めることはありませんでした。

ところが・・・

 今朝,樹木のことを調べようとネットを見ていたら,たまたま冬虫夏草のことが書いてあり,その写真にピンときたのです。

きのうのキノコに似てる!

 作業後の様子の確認も兼ねて,雨が上がった午後,新湿地に行ってきました。すでに十分な量の湧き水が供給され,少し深く掘り返したところは池のような状態にまでなっていました。

 場所の記憶を頼りにキノコをさがしましたが,地味なものなのでしばらくウロウロ(苦笑)。思ったほど簡単には見つかりませんでした。
 左のアベマキのどんぐりと比べても大きさがわかると思いますが,地上に出ていたのはこれだけ。
 いざ掘り返してみると,植物の根だけでなく,昔この付近にあったという大学の学生寮の瓦などのがれきも出てきたり,想定外の深さで,これまた一苦労(汗)。でも何とか掘り出せたときは,心の中でガッツポーズ!

ご覧下さい。
セミの幼虫(左)からキノコが生えているのです!
 そう,予想通りこれは冬虫夏草でした。冬に虫だったのが,夏には草になるというのがその語源なのですが,もちろん虫が植物に変化するわけではなく,虫に寄生(感染)する菌がキノコを作っているのです

 普通キノコと言えば植物と共生して,あるいは植物を分解して出てくるものですが,虫に取りつくものはごくわずか。しかも調べてみると,どの虫に感染するかは菌の種類によって違うのだそう。つまり,菌は相手を見分けているのですよ! 自然のしくみは不思議ですね!

 この虫はアブラゼミの幼虫のようなので,オオセミタケだと思います。冬虫夏草は生薬としてもよく知られているので,KSCメンバーで生薬がご専門の永津先生に標本として提供しました。本物を見てみたい方は永津先生をお訪ねください。
 

2015年4月7日火曜日

新湿地で落ち葉の除去作業

 みなさまこんにちは,よしだです。

 このところパッとしない天気が続いていますが,きのう (6日) ときょう (7日) と続けて,湿地復元実験を行っている通称「新湿地」で作業を行いました

 まず6日は,名工大の学生さん1名と小野先生のゼミ生3名,小野先生,私の計6名で準備作業です。新湿地内で移動しやすいよう,ぬかるみでの足場にするための切った木の幹を湿地内に運び込んだり,動物の調査のための自動カメラのデータを回収したりしました。
ぬかるみにはまらないよう,
切った木の幹を置きました
 
自動カメラのデータを
回収しています
 
こんなに運びました!
 
 きのうの作業はこれだけでしたが,気温が高くちょっと動くだけで汗が出ました

 日付が変わってきょうも天候は相変わらずで,朝は養老山地に滝雲がかかっていました。雲が山なみを覆い尽くそうとしているのがわかると思います。
先日登った養老山も雲の中ですね
 
 きょうは名工大の増田先生と学生さん2名,小野先生とゼミ生1名,そして私の計5名で作業開始です。湿地に接する斜面では落ち葉を下に落として回収し,湿地中心部では泥さらいをすることにしました。
KSCの一輪車も出動です!
 
 長年手入れを全くしていなかった場所なので,落ち葉の量は相当なものでした。湿地内に降り積もった落ち葉は酸素が不足した状態で腐敗するため,いわゆるヘドロ状態となり,卵が腐ったような臭いもしてきました(泣)。それでも2時間ほどで,湿地の下流側半分にたまった落ち葉などの有機物をほぼ除去することができました。しっかり肉体労働でしたが(笑),雨も降らず,きのうほど気温が高くなくてよかったです。
 この作業で湿地の表面が完全に改変されてしまい,一部では水が枯れてしまったので,水が満たされ,表面が安定するのを待つことにします。程よい疲れが,いよいよ実験が本格的に動き出したことを実感させてくれました