2015年7月30日木曜日

新湿地の整地作業

 みなさまこんにちは,よしだです。

 ランドルフ記念講堂の下の森を切り開いて作った新湿地で,名古屋工業大学の増田先生のご指導のもと,整地作業が先日行われました。残念ながらその日私は他の業務が入っていたため立ち会うことができませんでしたが,後日様子を見に行ってみました。

 最初の写真は2か月前に撮影したもので,画面上部中央あたりに雑草が繁茂しているのがお分かりかと思います。
 
 下の写真は先日撮影したもので,同じく画面中央上部のあたりが重点的に整地され,ずいぶんすっきりとしました
 
 近づいてみると,画面右側にたまっている湧き水が整地部分にもしみだしていることがわかります。

 この付近はいままで,切り株からの萌芽や地中にあった樹木の種子の発芽はあったものの,湿地性植物と思われるものはまったくなく,今回このように思い切って整地することになったのです。果たして湿地性植物が生えてくるのでしょうか。調査はまだまだ続きます。
 

2015年7月27日月曜日

八竜湿地で虫の調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 梅雨が明けて,じりじりと暑い夏がやってきました
 少し前のことになりますが,この暑いさなかの一日,八竜湿地では虫の調査が行われました。一日かけて八竜湿地内をくまなく歩き回り,昆虫やクモなどを捕まえて種を同定する,というものです。

 この調査は,八竜緑地意見交換会や保全計画のワークショップでお世話になった名古屋市みどりの協会が主体となり,その委託を受けた専門の調査会社さんにより実施されました。
目で見て,あるいは網を使って(後方)
どんな虫がいるか調べます

 この日湿地をよく飛び回っていたのはオオシオカラトンボでした。もちろんこれも記録されました。

 この虫の調査とは関係ないのですが,ちょっと湿地の水の中を観察してみると,いろいろな生きものがいました。
スジエビの仲間です

ヨシノボリの仲間です

 私は木陰で調査の様子を見ていただけですが,暑い中歩きまわっての作業はとても大変そうでした。しかしこのような地道な努力があるからこそ,八竜湿地の状況が把握でき,そして今後の保全の基礎となる知見が得られるのです。本当にありがたいことです。
 

2015年7月17日金曜日

流量測定装置をリニューアル

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 台風11号が接近してきました。このブログを書いている7月17日(金)午前9時の時点で,中国山地を縦断しているようです。その影響から名古屋でも雨風が強い状態が続いています
 
 さて,八竜湿地に設置している流量測定装置は,雨と湿地の流量の関係を把握する上でも重要なのですが,すでに設置から2年半が経過し,老朽化が目立つようになってきました。特に木の板で作った三角堰(さんかくぜき)は,毎日水に触れているのでどうしても腐食が避けられません。
上流から流れてくる石や枝が
当たったりもします

 また,夏になると何度も対応に追われるザリガニ穴も,根本的な対策が必要になってきました。 
何せこんな大きな穴ですからね・・・(泣)
 
 それに今回の台風11号の接近もあって,早急に装置を作り直すことにしました。しかし,共同研究をしている信州大学の福山先生もお忙しく,名古屋まで来られるのが難しい状況とのこと。
 なので福山先生のアドバイスをいただきながら新しい装置の概要の決定,作業計画づくり,資材の調達・加工・搬入と準備を進めました。

 今回もまた木の板で三角堰をつくることにしましたが,ザリガニが下から侵入しないようサイズを大きくしています。水が流れる三角形の切り欠き部分も,これまでの流量のデータを考慮して面積を約1.6倍に拡大しました。実験室でのこぎりを使ってこの切欠きを作ったのですが,ちょっと騒音でしたね・・・(すみません)。
新しい三角堰です

 これらの資材の搬入は13日(月曜日)に行いました。大学から新池までの階段の遊歩道は手で,新池から湿地までは一輪車での搬入です。砂18~20kg入り5袋,板3枚,鉄筋そして一輪車を何往復もして新池まで下すだけで汗が噴き出してきました。この日も猛暑だったので大変です(大汗)。
 
 翌14日(火曜日),暑くならないうちにと朝9時から作業を開始しました。まずは作業がしやすいよう,上流からの水をせき止め,あらかじめ作っておいた迂回路から水を流すようにしました。 そして2年半がんばってくれた堰板を外しました(おつかれさまでした)。
堰板を外した状態です
右の半円形の迂回路から水を流しています
 
 堰板周辺にあったブロックや土のうなど,いったん全部撤去し,新しい堰板の位置決めをします。ザリガニが開けた大穴を避けるため,従来に比べて50cmほど上流側に設置をすることにしました。
 
 ハンマーで少しずつ左右均等に打ち込んで堰板を埋めていきます
 
 さらにザリガニの侵入をより広く阻止するために2枚の板を堰板の左右に打ち込み,これらを土のうでしっかり固定し,最後に水位計を設置して作業は完了しました
下流側から見た装置
 
上流側から見た装置
 
 ここまでかかった時間はちょうど2時間半。全部一人だけでやった割には順調だったと思います。装置は森の中にあり,水の流れもあって涼しかったのもよかったです。

 今回の台風11号に伴う増水は,新しい流量測定装置にとって初めての試練(???)となりますが,この風雨の中,きちんと測定ができていることを願っています。
 

2015年7月14日火曜日

オープンキャンパス

 みなさまこんにちは,よしだです。

 名古屋は急に夏の暑さがやってきましたね。そんな暑い一日だった12日(日曜日),金城ではオープンキャンパスが開催されましたKSCでは金城のキャンパスの豊かな自然を紹介するべくブースを設けました

 まつやま先生とわたくしは,朝8時半過ぎには会場に行き,竹炭を搬入しました。きむらさんと学生さんは,KSCの部室からポスターなどを持ってきてもらいました。みんなでブースの設営です。
壁にポスターを貼って・・・
 
傾きがないかチェック!
 
 まつやま先生とわたくしは薬学部のお仕事のため,準備だけして退散しましたが,学生さんときむらさんが里山紹介でがんばってくださいました
竹炭いかがですか~

 いつものように用意した竹炭は完売(無料配布ですけどね・・・笑)。一人でも多くの受験生のみなさんが,この自然に興味をもってくれたらと思っています。

 KSCの紹介と竹炭の配布は,8月8日(土曜日)のオープンキャンパスでも行います。ぜひまたお越しください!
 
*1枚目の写真はまつやま先生に,3枚目の写真はきむらさんに撮っていただきました。ありがとうございました。
 

2015年7月8日水曜日

こんどはキビタキ!

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 前回のブログで,金城の森でキツツキのアオゲラを初めて確認したことを書きました。しかし姿が全く見えなかったため写真が撮れず,カメラを動画撮影モードに切り替えて鳴き声を収録し,その証拠としました(画面はほぼ静止画状態ですが・・・)。
 
 さて,その鳴き声動画を再生しているうちに,澄んだ高い声で鳴く鳥がいることに気がつきました。もちろん動画に姿は映っていませんが,鳴き声を頼りにインターネットで検索し,声の主を探して出た答えが,タイトルにある

キビタキです。
いやはや,便利な世の中になったものです(笑)

日本三鳴鳥の一つ
に数えられることもあるほど,鳴き声が美しい鳥ということで知識として知ってはいましたが,自分で確認したのはこれが初めて。こんな鳥が身近にいるとは・・・と嬉しくなりました (^o^)

 このキビタキ,キビ・タキではなく,キ・ビタキですね。黄色のヒタキという意味です。これまで金城の森では,冬から春にかけてジョウビタキ,ルリビタキを見ることができましたが,また一つヒタキと名がつく鳥がリストに加わりました (^o^)
 
 とはいえ,この時は鳴き声だけだったのですが・・・

 先日,アメリカザリガニに泣かされている八竜湿地の流量測定装置(アメリカザリガニはその数日後にもまた穴をあけてくれました・・・大泣)のメンテナンスに行った時のこと。

 作業を終えて大学に戻る時,また美しい鳥の鳴き声が聞こえてきました。でも先日鳴き声で聞いたキビタキとはちょっと違っていました。カラスやヒヨドリが近くで騒音のようにうるさく鳴いていても,全く気にすることなくその鳥は鳴いています。

 はて何だろう,と声の主を探すと・・・

いたーーーっ!
ばっちりキビタキです!
ピントは甘いですが(苦笑)
 
 写真でもわかる通り,このキビタキは虫を口にくわえています。しかしまったく食べようとはせず,この状態でのどを鳴らしてさえずっていました。そしてもう一羽,近くで同じようにさえずっているキビタキがいました。もう一羽の鳴き声のあたりを探すと,大きさはほぼ同じながら地味な色の鳥がいました。
キビタキのメスです(たぶん)
オオルリのメスのようにも見えますが・・・難しいですね)

 この2羽はペアなのでしょうか? もしペアで,すでに巣にヒナがいるとしたら,オスもメスもちょっとのんびりし過ぎですよね(笑)。ということはオスからメスへの求愛なのかな,と思っています。

 その後もさえずりは続いたのですが,先ほどのオスはもう虫をくわえていません。メスにプレゼントしたの?自分で食べたの?・・・(笑)

 葉が茂ってなかなか鳥が見つけられない中,これは大当たり(!)だと自負しています(笑)。

 金城の森が,いつまでもキビタキたちのよい棲みかであってほしいですね。
 


2015年7月6日月曜日

アオゲラを初確認!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 金城の森にどんな鳥がいるのか,私は普段から姿を見たり,鳴き声を聞いたりして確認をしているのですが,また一つ,私の鳥リストに名前を加えることができました(^_^) それがタイトルの

アオゲラ

です。鳥の名前で「ケラ(ゲラ)」とつけばキツツキを指し,この場合の「アオ」は緑色を意味します。道路の信号機で「進め」は,色としては緑色なのに,「青信号」と呼ぶのと同じです。つまり,緑色を帯びたキツツキ,がその名の由来です。

 余談ながら鉄道では,信号に対し「緑色灯」や,Greenから「G信号」「GG信号」など,あくまで緑として表現するのが一般的で,鉄道と道路でなぜこのような表現の違いが生まれたのか,おもしろいですね。

 それはさておき,初めてアオゲラを確認したのは6月27日(土曜日),E4棟の東側出口を出た瞬間に,

「フィー,フィー,フィー」と口笛のような鳴き声

が聞こえてきたのです。まさに不意打ち。でもすぐにアオゲラとわかるはっきりとした鳴き声でした。しばらくすると「キョッ,キョッ」というアカゲラに似た鳴き声に続いて「フィー,フィー,フィー」とアオゲラ独特の鳴き声がしました。

 その後も・・・

6/29   9:10頃 八竜湿地付近にある新池の東と西の森で二羽が鳴き交わし
6/30   8:30頃 学内のW1棟(私のいる建物)のすぐ西側の森 ↓ で鳴き声

7/ 1  13:45頃 ランドルフ記念講堂東側(下の写真左側)で鳴きながら
          飛び去る姿を目撃
7/ 4   8:20頃 第三駐車場付近で,やや遠くから鳴き声が聞こえる
                      (大学西側の森のどこかにいた模様)

と,最近かなりの頻度で,何らかの形で生息を確認しています。ただ残念なことに,その姿の写真を撮ることはまだできていません。この時期は森の木々が茂って,森の中の鳥がなかなか見つけられないのです(泣)。

 なので写真は「アオゲラがいた森」になってしまいましたが(苦笑),でも鳴き声で判別できたのは,水質調査などでとてもお世話になっているトヨタの森のスタッフの皆さまのおかげ。調査に同行してくださった時などに鳴き声から鳥の名前を教えてくださったのです。その教えがこのように役に立ち,感謝しています!
 
 
  

2015年7月3日金曜日

竹炭袋詰め

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 昨日 (7/2),KSCで竹炭の袋詰め作業を行いました。炭焼でできた竹炭を約 50 g 量りとって,チャック付きのビニール袋に小分けにするのです。
 
 4限目が終わった時間にW1棟 (旧W10号館) 西側に集合し,炭焼小屋から竹炭を持ってきて作業開始です。今回は炭焼き2回分なので,ずいぶんたくさんの竹炭があります
どっさり
 
 これを,竹炭を「細かく割る人」「量りとる人」「袋に入れる人」に分かれて作業をしていきます。今回は8人のメンバーが集まりました。写真はありませんが,学長の奥村先生が通りかかり,作業を見学されました。 
 
 量が多いので,16:45に作業を始めて,終わったのが18:30頃。袋詰めにしては長丁場でした。そして手はこんな感じに・・・
 
 と,片づけに入ろうとしたとき,朴先生からすてきな差し入れが!!!
 
 なんとアイスクリームの差し入れです!
 さっさと片付けを済ませていただきました。これまでの作業の疲れもこれでひとっ飛び!
うまい~っ! (^○^)
朴先生,ありがとうございます!!!
 
  今回の作業で,7月12日,8月8日のオープンキャンパスで配布する竹炭の袋詰めが完了しました。たくさんの参加者のみなさんに手に取っていただき,
金城の里山をアピールしたいと思います
   
(今回のブログ写真のうち,4枚はまつやま先生に撮っていただきました。ありがとうございました。)
   
   

2015年7月1日水曜日

ネジバナ

 みなさまこんにちは,よしだです。
 今日から7月,2015年が早くも半分終わってしまいました。早いですね。

 さて,先日ハナハマセンブリについて書きましたが,同じような日当たりのよい斜面には,ちょっと変わった形の花も咲いていました。下の写真で左下あたりと,右上あたりに,縦に長いピンク色の数株の花があるのがおわかりでしょうか。
 
 これが表題にある「ネジバナ」なのですが,その名前の由来は,この写真を見れば誰もが納得することでしょう。
見事なねじれ具合です (笑)

 花がねじれて咲くのでネジバナ,なんですね。この株の場合は,下から上へきれいに「右巻き」 にねじれています。しかし,個体によって右巻きであったり左巻きであったり,あるいは途中で向きが変わることもあるのだそうです。

 そう思って他の株を見てみると・・・ 
ほとんどまっすぐ!
\(◎o◎)/!

 「ネジバナ」なのに花がねじれないとは! 個体差がいろいろとあって面白いですね!

 このネジバナ,何かと珍重され愛好家の多い(それゆえ盗掘されることも多い)ランの仲間=ラン科の植物です。しかしネジバナは,ラン科にしてはめずらしくごく普通にどこででも見られるため,「希少価値」とは無縁のようですが,個性的な花は目を楽しませてくれますね (^_^)