2016年2月29日月曜日

八竜緑地懇談会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 2月27日土曜日,金城で「八竜緑地懇談会」が開催されました。これは,八竜湿地とその周辺の森林を含めた八竜緑地を永続して保全していくため,保全ボランティアである水源の森と八竜湿地を守る会,施設管理者である名古屋市,地元大森北学区,そして金城学院大学の関係者が一堂に会して,それぞれの今年度の取り組みなどを紹介し,情報の共有をするというものです。年に一度開催することになっていて,2013年に始まって以来これが4回目になります。

 金城からは小野先生と私よしだが出席し,私が八竜湿地で行っている水質調査・水量調査の結果を報告しました。水質の最新の調査はつい先日行い,懇談会前日(!)に結果が出たばかりですが,これまでと傾向は変わっておらず,これまで貧栄養の水質の場所はそれが保たれていること,そして水量については2014年,2015年の結果について説明し,2015年は雨が多くそれに伴って水量も多かったことを報告しました。

 懇談会自体は10:30頃終了となりましたが,八竜湿地に移動して現地見学を行いました。湿地上部では専門業者さんによる大径木の伐採作業が行われているところで,その様子も見学しました。下の写真は,コナラの木が伐られて倒れるところです。

 続いて樹木の伐採体験をしました。森林に入り,ソヨゴ,サカキ,カクレミノなどの常緑広葉樹を手分けして切るのです。ボランティアのみなさんによって,前もって切ってよい木に目印をつけてありました。短い時間だったので,切ったのは一人2~3本くらいでしょうか。それでも体がホカホカ温まってきます。

 もちろん私も切りましたよ (^_^) 木を切り倒した後は枝を払ってまとめておきます。

 八竜湿地上部の森林の伐採作業はかなり進み,うっそうとした森だったのが見通しのよい森になってきました。これによって湿地がより明るくなるだけでなく,湿地に湧き出る水の量の増加が期待できます。そして八竜湿地がより良い状態に保たれるよう,私も水量・水質の調査を今後も継続して行い,湿地の保全にお役に立ちたいと思っています

* 1枚目,4枚目,5枚目の写真は,水源の森と八竜湿地を守る会の福岡様に撮っていただきました。ありがとうございました。
 
    

2016年2月27日土曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会総会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 26日(金曜日),名古屋大学で東部丘陵生態系ネットワーク協議会の総会が開催されました。これは,名古屋市の東側から春日井市・瀬戸市・豊田市などにかけての東部丘陵地域にある大学が連携して,生態系のネットワークづくりをしていこうというもの。金城では小野先生と私よしだが委員を務めています

 総会は年に一度,だいたいこの時期に開催され,今年度の活動状況や来年度の予定などの説明があります。金城に関することでは,年に何度か開催している「里山学習講座」について,この協議会からも広報などの支援をしていただけることになったほか,小野先生が主体となって調査されているキツネ・タヌキなどのほ乳動物の分布の解明についても,調査機器設置場所の管理者との調整などを支援していただけることになりました。

 この会議,私はちょっと失敗が。
 私は22日(月曜日)に採水した八竜湿地のサンプルを,名大農学部で機械を借りて24日(水曜日)から自動分析を行っていました。総会の日の午前中に機械の終了操作,データ回収をして,学食でお昼を食べて13:30からの総会に行くつもりだったのですが,データがうまく回収できなくて手間取り,終わったのが13:26! 汗だくになって会場に入る始末でした。もちろんお昼ごはんはなし!

 自信を持って提示できないデータを出したくない,そういう思いがあってのことだったのですが,社会人として時間ぎりぎりになってしまうのはよくないですね。反省です。それもあって会場のようすの写真も撮れずじまい。後になって写した配布資料の写真でご勘弁ください。
   

2016年2月22日月曜日

八竜湿地で水質調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 本日私は八竜湿地で水質調査のためのサンプリングを行いました。おととい一日雨が降り,特に夕方は一時的に強く降ったので,湿地の水はいつもより多めでした。場所によっては「ひたひた」になっているところも。こうなると湿地というよりは池ですね(苦笑)。
  
 どの場所もいつもより地下水位が高く,採水しやすいという意味では助かります。下の写真で,真ん中にあるチューブをさしてある管が地下水採水管で,すぐ左の大小の容器に合わせて700 ml くらい水を取ります。右のかごの中にある機械でpHや電気伝導度といった項目をその場で測定します。
 
 これを表面水・地下水あわせて21か所で採水するのですが,移動も含めるとそれなりに時間がかかり,午前10時過ぎに八竜湿地に来て,終わったのが14時30分過ぎ。お昼ご飯も食べることができませんでした (>_<)
 
 でも湿地を見ているといろいろと発見があります。まだ2月ですが,もうハルリンドウが花を咲かせていました。早いですね。この冬の前半がかなりの暖冬だったからでしょうか。

 他にも姿は見えませんでしたが,少し離れたところでアオゲラの鳴き声が聞こえてきました。アオゲラは夏によく鳴き声を聞きますが,この時期に鳴き声を聞くのは初めてです。
 
 さて,大きい容器に入れたサンプルは,共同研究をしている名古屋市環境科学調査センターへすぐ運びました。ここで,窒素やリンの分析をしていただくのです。
 
 小さい容器に入れたサンプルは自分のもので,センターから金城に戻ってすぐにろ過を始めました。サンプルが多く,しかも泥などが混じっていたりするので,ろ過もまたとても時間がかかります。その間にこうやってブログを書いているのですが・・・(苦笑)。
  
 

2016年2月20日土曜日

第40回炭焼き

 みなさまこんにちは,よしだです。

 KSCでは昨日 (2/19), 第40回目となる炭焼きを行いました。前回が昨年11月7日の里山学習講座「里山で炭焼きを体験しよう」でしたので,3か月以上ぶりの炭焼きになります。

 今回は日本福祉大学の「たけのこ祭り」でお世話になっている,美浜町竹林整備事業化協議会の方が見学に来られました。作業はいつも通り,前回焼いた竹炭を取り出し,あたらしい竹を窯に詰め,燃料の薪に火をつけます。 
 
 下の写真はできあがった竹炭,ではなくて,前回までの未炭化の竹,つまり生焼けです。生焼けもある程度大きいものは再び窯に入れて焼くのですが,細かくなったものは燃料として使います。未炭化とはいえ,火のもちがよいいい燃料になります。
 
 順調に窯の温度が上昇し,落ち着いてきたので,炭焼き小屋の外を観察です。栽培しているしいたけが,ほだ木からちょこんと顔を出していました (^_^) しいたけは冬の始めと終わりに発生するので,春が近くなったなぁと実感します。
 
 小屋の上から鳥の鳴き声が聞こえ,見るとキツツキのアカゲラが木の幹をつついていました。アカゲラは金城の森に毎年やってくる冬鳥ですが,写真がうまく撮れたのはこの冬これが初めて。
 
 今回は空いた時間を使って落ち葉掻きもしました。これだけの森に降り積もる落ち葉の量は相当なもの。なので大雨の時にできる水の通り道をふさいでいる落ち葉と,寝かせてあるしいたけのほだ木に降り積もった落ち葉を中心に取り除き,囲いに集めました。ここにっておくだけでいい腐葉土ができます
 
 今回はちょっと学生さんの参加が少ないですが,一応全体会も (^_^;) 春休みですがKSC関係の行事がこの先いくつもあり,それらの確認をしていきます。

 写真はないですが,16時頃には焼いももできあがり (笑),17時前には焚口を閉じて今日一日の作業を終えました。今回は昼間比較的暖かく,風も弱くていい炭焼き日和でした。
 

2016年2月18日木曜日

トヨタの森にて

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (2/17),何かとお世話になっている「トヨタの森」にお邪魔しました。目的は2つあって,一つは当日開催されたイベント,「春はそこまで、「春音」探し」に参加すること,もう一つは2014年度にトヨタの森で私が行った水質調査の結果を報告することです。

 まずはイベントについてですが,遊んでいるわけではありませんよ (苦笑)。イベントに実際に参加することで,KSC が実施している里山学習講座や,学生さんを金城の森に案内するときのヒントを得るという大事な役割もあるのです。もちろん楽しんで参加するのですが。

 今回の「春はそこまで、「春音」探し」は,森を「耳で」感じてみようというもの。最初に説明を受け,昔話にある「きき耳ずきん」をみんなバンダナで作ってかぶり (写真はありませんが,私もちゃんとかぶってますよ・・・笑),森に出ます。最初に,かつては棚田だったところで,水の流れに耳を傾けました。

 ほんのかすかですが,落ち葉の下を水が流れる音がしました。まだ水は冷たいですが,すでにカエルが卵を産んで春を待っていました

 手入れの行き届いた落葉樹の森は見通しが良く,さわやかな気分になります。風は冷たいものの,おひさまの光がたくさん降りそそぎ,その暖かさが心地いいです (^_^)

 森の径にすわって目をつむって音を聞き,それを絵ではなく図形で表現する,という体験も。じっと目を閉じていると,見えない分いろいろな音が頭の中で三次元的に広がって不思議な感覚がしました。環境教育にも大変熱心に取り組まれているトヨタの森だけあって,インタープリターさんの話ぶりはとてもおもしろく,参考になることがたくさんありました
シデコブシの花芽も
すぐそこの春を待っていました

 イベントから戻ってからは,もう一つの大事な用事,水質調査結果の報告です。資料を使ってスタッフのみなさんに説明をさせていただきました。説明の後,これからもまた調査をぜひやってほしいとのお言葉をいただきました。このようなご依頼を受けるのは信頼関係があってこそ。研究の仕事をしている者として,ありがたいことであり,光栄なことでもあるのです。
 
 今後どのような調査をしていくのか具体的に煮詰めていくことになりますが,調査を通して地域の生態系のために貢献していきたいと思います
 

 
 

2016年2月17日水曜日

環境活動の発表会・交流会

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 先週土曜日 (2/13),あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業 活動発表・交流会が丸の内の県図書館で行われ,小野先生と私が参加してきました。 
開始前の会場のようすです
 
 これは,あいち森と緑づくり税を基にした環境活動などへの助成金を受けている団体が一堂に会し,事例発表や団体どうしの交流を図るという会です。昨年は私たちKSCが事例発表団体に選ばれ,学生メンバーのみんなでプレゼンを行いました
 
★ 昨年の発表会についてはこちら!
 http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2015/02/blog-post_16.html
 
 昨年発表したばかりなので,今年はKSCの発表はありません (当然ですね・・・)。しかし,団体のパンフレットを置いたり,展示ができるスペースが今年は設けられ,「里山で炭焼きを体験しよう」「里山でクリスマスリースをつくろう」のイベントで作った竹炭やクリスマスリースを展示しました
ほんのちょっとした展示ですが,
多くの方に見ていただきました (^_^)
 
 今年の発表会の初めての取り組みとして,各団体から一枚提出された実施状況の写真が展示され,その写真を見て「いいね!」と思った団体に投票 (シールを貼る) する,というコーナーも。
みなさん投票中です
 
  残念ながらKSCは票が伸びず,記念品がもらえる3位以内に入賞することはできませんでした。実は写真がこんな使い方をされるとは知られないまま学習会の写真を一枚送ったのですが,そうと知っていたら他の写真を選んだのに・・・(苦笑)。

 他団体との交流では,金城で炭焼きをやっていることに多くの関心が寄せられました。今週久しぶりに炭焼きをするのですが,この交流会で初めてお知り合いになった方が見学に来ていただけるかもしれません。これも交流会に参加した意義があったと言えますね
 

2016年2月13日土曜日

名古屋から見える山 - 【7】笠ヶ岳 (かさがたけ)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 この金城里山ブログ,意外?にも名古屋から見える山シリーズや,山登り関係のページも多くの方にご覧いただいています。検索で上位に入りやすいのかもしれませんね。身近な里山であれ,遠くの高い山であれ,自然に関心のある方がこのブログを見ておられることを嬉しく思います (^_^)。

 それでひさびさに「名古屋から見える山」シリーズなのですが,今回取り上げるのは北アルプスの名峰,笠ヶ岳 (標高 2897 m) です。まずは写真をご覧いただきましょう。写真中央の低い山の上にちょこんと飛び出た「白いとんがり」がそれです。
ジェラートみたい・・・(笑)

 たったこれだけ?と思われるかもしれませんが,見えるのはこれだけです(笑)。なのでよほど天気が良くないと姿を現しませんし,観察力も必要ですね。

 御嶽山や白山など,今までの「名古屋から見える山」シリーズは,どれも「瀬戸線から見える山」でもあったのですが,この笠ヶ岳は瀬戸線から見ることはできません。上の写真は名古屋市内にある高層の建物の11階から撮ったもので,それなりに目線が高くないと見えないことがお分かりでしょう。なにせ「これだけ」ですからね。
 
 でもなぜ「これだけ」で笠ヶ岳とわかるの?と思われるかもしれません。
 もちろん見える位置,この場合は北アルプス乗鞍岳と,白山(加賀白山)の間の乗鞍岳寄り,というのも大きなヒントなのですが,実は山登りをそれなりに経験していると,この形でピン!とくるのです。

 下の写真をご覧ください。同じ北アルプスでも北の方,富山県の剱岳山頂で撮った写真です。ここに笠ヶ岳が写っているのですが,どれかお分かりでしょうか。
笠ヶ岳を探せ!ですね(笑)
写真を拡大してご覧ください

 正解は,写真ほぼ中央の奥。拡大したのがこちらで,下の写真の右端が笠ヶ岳です。なお,その左奥に青く見えているのは御嶽山です。
 そう,他の山と比べても,笠ヶ岳の「とんがり具合」はかなり特徴的で,もっと鋭く天を衝く,その名の通り槍ヶ岳 (標高 3180 m) とともに,よい目印の山なのです。

 北アルプスの山が名古屋から見える,というのは私にとって感動的です。でも残念なことに私はまだ登ったことがありません。山登りをする人にとって笠ヶ岳は,「あぁ,あれね・・・」と複雑な表情をしてしまう山。つらいことで有名なのです(苦笑)。でも一度はチャレンジしてみたいですね。そしてこんどは,頂上から名古屋の街を見てみたいものです。
 
 

2016年2月11日木曜日

学習会「まめなしってなぁに?」を開催します

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 前回の投稿でもちょっと触れましたが,金城では2月27日(土曜日) 13:30より,学習会「まめなしってなぁに?」を開催します

 マメナシは八竜湿地にも生育している,その名の通りくだものの梨(ニ十世紀とか,幸水とかの品種が有名ですね)に近縁の植物です。でもこの植物は伊勢湾周辺の湿地付近にしか生育しておらず,個体数が少なく絶滅が心配されています
梨らしい色と形のマメナシの実です
2015年10月 小牧市で撮影

 そんなマメナシですが,金城のある守山区は多くの個体が残っており,地域の宝として自然の保全団体が横断的に協力する仕組みを作ることになりました。その主導となっているのが名古屋市なのですが,守山区にある大学として,そして,里山や湿地などの保全に力を入れている大学として,金城にも協力の要請があったのです

 今回の学習会は,この地域事業の一環として行われるもので,学内の湿地再生実験でたいへんお世話になっている,名古屋工業大学の増田理子先生のご講演と,地元のマメナシについての事例報告が予定されています。地元にこんな面白い植物があるんだ! と思っていただける機会になると思いますので,ぜひみなさん参加してください! 会場はN2棟214講義室です。
 
 詳しくはこちらをご覧ください (名古屋市守山区のページが開きます)
http://www.city.nagoya.jp/moriyama/page/0000078880.html
 
 

2016年2月10日水曜日

守山自然ふれあいスクール検討部会に出席しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (2/10) 小野先生と私は,守山区役所の「守山自然ふれあいスクール」の検討部会に出席しました。このスクールは,名古屋市の中でも自然が多く残る守山区で,その自然に多くの方が親しんでもらおうと,地域の保全ボランティア団体や企業と守山区役所が連携して行っている事業です。
今年度のパンフレットです
詳細はこちら
(守山区のホームページが開きます)
 
 以前から学内の里山保全や,隣接する八竜湿地の保全に関わってきたこともあって,金城学院大学にも連携の要請がありました。それで,金城の自然環境保全担当(?)の小野先生と私が会合に加わることになったのです。
 
 今回は来年度の「守山自然ふれあいスクール」のパンフレットの確認,そしてこの事業と並行して行われる「まめなしのある風景 守山事業」についての検討などが行われました。後者については,今月末に金城で学習会が行われる予定です。
(詳細は後日お知らせします)
 
 ふだん何気なく目に入る金城の森ですが,この森がここにあること,そしてこの森を保全していくことが,この地域にとって重要な存在になっていることを,最近ひしひしと実感しています。自然科学に関わる者の一人として地域にどのように貢献できるか,これからも考えていきたいと思います。