2019年3月25日月曜日

なごや生物多様性センターの報告会に出席しました

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 前回大学のゴルフ練習場にオオタカが迷い込んできた,という話を書きましたが,その後オオタカは何とか自力で脱出したようで,「オオタカ救出大作戦」といったようなことはせずに一件落着となりました。この一件は学内でも関心が高かったようで,「あの鳥はその後どうなりました?」と質問を何回か受けましたが,「力尽きて・・・」といったことは避けられたようでホッとしています。
 
 さて,昨日の日曜日(3/24)になごや生物多様性センターによる報告会,「希少種シンポジウム2019 次代に引き継ぐなごやの貴重な生きものたち」に出席してきました。これは,名古屋市の絶滅危惧種を記載した「レッドデータブック」の改訂にあたり,最近どのような情報があって,それを基にどのように改訂したのか,専門家が報告するというものです。場所は御器所のステーションビルの一角で,多くの人が詰めかけていました。その多くは高齢の人だったのですが,親子で参加されている人や,学生さんでしょうか,若い人も見受けられました。
 
 この報告の中で,キツネ(アカギツネ)が市内に分布を広げていることがわかり,絶滅危惧IA類からIB類へ格下げ(絶滅の危険度が少し低下)になったことや,以前は当たり前のようにいたヒキガエル(アズマヒキガエル)が極端に数を減らしていることがわかり,絶滅危惧II類から絶滅危惧IA類へ2段階格上げ(絶滅の危険が迫っている)ことなどが報告されていました。
 
 私は大学内で動物の調査をしているのですが,キツネは自動撮影カメラに時々写ります。下の写真も先月撮影されたもので,撮影頻度などから,「増えている」という印象を受けます。 
お座りした姿がかわいいですね
 
 都市部でタヌキが増えている,というのは他の都市でも耳にしますが,都市部でキツネが増加している例は全国的にめずらしいそうで,今後どうなるのか,私も注目したいと思います。
  

2019年3月17日日曜日

猛禽類が迷い込んできました

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 昨日(土曜日)の夕方,研究室に学生さんがやってきて,学内のゴルフ練習場に鳥が閉じ込められている,と伝えてくれました。スマホで撮った写真を見ると猛禽類のようです。早速見に行きました。
 
 現場に着くと,確かに練習場の中に鳥が閉じ込められていました。私は猛禽類は詳しくないですが,たぶんオオタカでしょう。この練習場,人が出入りできるようにネットの一部が開いているのですが,鳥は基本的に上に向って逃げようとするので,脱出できなくなったようです。すでに日が暮れかけていたので部屋に戻り,施設担当の人に連絡を入れ,今日また様子を見に行きました。

 担当の人によると,ネットを上下させることはできるものの,手動で数人がかりで行わないといけないらしく,今回の救出は断念しました。でも中に入って状況を確認することはできました。
現場のゴルフ練習場です
 
止っているところを撮りました。
野生の猛禽類をここまで近くで見たのは初めてです。
 
でもまた飛び立って,
ネットの中を右往左往・・・
 
 そして片隅には,大量の鳥の羽根が落ちていました。
 
 この羽根はハトのようにも見えますが,何でしょうか。もしこれが獲物のものだとすると,このオオタカは別の場所で鳥を捕まえ,どこかで食事の場所を~と思ってフラフラっとこのネットの中に入り,羽をむしって食べて満腹! がしかし,出口がわからない!(パニック!)・・・というストーリーですかね?
 
 一応空腹のために鳥の胸肉の切り身を置いておきましたが,施設担当の人によると,人手が集まった時に救出作業をしてくださるとのこと。オオタカさん,もうちょっと我慢してね。
 

2019年3月16日土曜日

シデコブシの花が咲きました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 ここ最近,寒の戻りのような少し寒い日がありましたが,大学近くの街路樹として植えてあるシデコブシの花が咲きました。
開花第一号です
逆光になるので正面ではなく斜め後ろから撮っています
 
もうすぐ咲きそうなこちらは,
ピンクの花になるようです。

 あさって19日は学位授与式(卒業式)です。いよいよ春になりましたね~。
 

2019年3月14日木曜日

花粉がひどいですが・・・

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 この時期多くの人を悩ませるのが花粉です。私もスギの花粉症持ちで,マスクと目薬は手放すことができません。
 
 この花粉,人間の目では見ることができないくらい小さなものですが,空中にその数が増えると,思わぬ現象を引き起こすことがあります。
 
 まずは下の写真をご覧ください。
 
 これはある日の夕方,鈴鹿山脈に沈もうとしている夕日を大学から撮った写真です。太陽の周りに虹のようなものが出現していますね。これは光環または光冠(読み方はどちらも「こうかん」)という現象で,空気中の微粒子で光が曲げられて起こるものです。通常は主に,うすい雲=小さな水滴が空気中に漂っているときに発生するのですが・・・
 
 もうお分かりですね。この光環は花粉が発生させたもの。それほど大量の花粉が空気中にあるのかと思うとゾッとします。でも意外と面白いことをするものだ,とも言えますね。
 

2019年3月12日火曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週のことになりますが,私は東部丘陵生態系ネットワーク協議会の総会に出席してきました。この協議会は,名古屋市から見て東側の丘陵地(=東部丘陵)に点在する大学が中心となって結成されたもので,愛知県の主導で県下を網羅する形で設置された9つの生態系ネットワーク協議会の中で,最も早く設置されたものの一つです。私たち金城学院大学もその会員となっていて,以前は小野先生が,現在は私が担当しています。
 
 総会は毎年一回,会員の大学・企業で行われるのですが,今年はみよし市にある自動車部品メーカー,株式会社三五の八和田山工場で開催されました。
 総会ということで,会員の担当者が集まり,本年度事業の総括,来年度事業についての採決などが行われたのですが,この工場では協議会の事業としてビオトープの造成が行われたことから,その見学会が続きました。

 工場の外周部の緑地帯の中に,もともとあった調整池に接するようにビオトープが造成されていました。
ビオトープの見学です
 
 季節柄,生きものの気配は少なめですが,工場周辺の湿地などから希少種などを移植しているそうです。冬場は水が枯れてしまうこともあり,水生生物が行き場を失わないよう一部を深く掘って「逃げ場」を作るなどの工夫がされていました。工場に勤務する人たちや,そのお子さんたちの協力も得られているとのことで,とても良い学習の場になっているのではないかと思いました。

 最後にちょっと余談ですが,この日は天気が良く,みよし市あたりからは遠くに南アルプスの雪山が見えました。左の最も高い所が赤石岳 (3120 m), 右の鉄塔に接しているのが聖岳(ひじりだけ,3013 m)ではないかと思います。手前にある山の関係で,南アルプスは金城のあたりからは見ることができないので嬉しく思いました。
撮った場所が悪くて,高圧線が目障りですが,
雪山は本当にきれいですね。
 

2019年3月8日金曜日

生物多様性センターの方が来られました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (3/7),なごや生物多様性センターの方が金城の湿地保全の取り組みを見学に来られました。先日の八竜緑地意見交換会で初めてお会いし,これまで埋土種子の研究やさまざまな野外調査をされてきたとのことでしたので,金城での取り組みを知っていただくと同時に,ご意見などをいただけたらとの思いでお招きしたのです。小野先生と私で学内と八竜湿地をご案内しました。

 まずは私の研究室でざっくばらんにお話をし,ランドルフ記念講堂近くの湿地跡地を見て,湿地再生実験を行っている通称「新湿地」を見に行きました。
小野先生が実験の状況を
説明しています
 
 この新湿地も,暖かくなってきたからか,生きものが水中を動いている様子が見られました。センターの方はタニシのようなちいさな貝を見つけられたのですが,このような小さな生き物がどこからどうやってやってきたのか,考えると不思議ですよね。
もしかすると外来種かも?
とのことです

 お昼をはさんで午後は八竜湿地へ。この頃から少し雲行きが怪しくなり,雨こそ降らなかったものの,少し暗くなって風が強く吹いてきました。
 湿地では流出量の観測,水質の調査,湧水の状況などについて説明をさせていただきました。 曇ってしまったので残念ながらハルリンドウは花を閉じ,湿地ではこれと言った花を見ることはできませんでしたが,トウカイコモウセンゴケが花のように赤い葉を広げて群落をつくっていました。

 今回,大学と湿地を見ていただき,いろいろなお話をする中で,新しい研究のアイディアが浮かんだり,他の湿地の取組みの情報から刺激を受けたりもして,楽しく有意義な時間を過ごすことができました。この場を借りて感謝申し上げます。そしてこれからも協力関係が続くことを期待しています。
 

2019年3月5日火曜日

ハルリンドウが咲き始めました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 厳しい冬の寒さがほとんどないまま3月になってしまいましたね。そして高温傾向が続いているからか,街のあちこちで沈丁花の花の香りが早くもただよってきました。
 
 さて,八竜湿地で新しい観測を始めるため,きょう(3/5)その測定機器の代理店の方が大学に来られ,いろいろとお話をさせていただきました。大学院生の頃は水文学(すいもんがく)がご専門で,私の知っている先生のプロジェクトにも参加されていたとのことでした。それだけに私がこれから始めようとしている観測についても多くの助言をいただき,とても参考になりました。

 で,せっかくなので八竜湿地を見ていただくことになり,ご案内をしたのですが,まだ数輪とはいえ,ハルリンドウが咲き始めていました。
上品な青紫色ですね

 普段の咲き始めはいつ頃なのかわかりませんが,例年に比べてかなり早いのではないでしょうか。今年は(も?)サクラの開花も早めのようで,名古屋では3月18日の卒業式の翌日には開花するとの予想が出ていますね。この春は何もかもが早そうな気がします。