2022年12月24日土曜日

里山学習講座を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。 

 12/17(土曜日),一般の方を対象にした里山学習講座「里山でクリスマスリースと正月飾りを作ろう」を開催しました。

 このようなイベントはコロナ前にも行っていましたが,2020年,2021年は計画はしたものの中止し,今年は参加人数を減らしたうえで3年ぶりの開催となりました。

 当日は午前中,「縄ない」(縄を編むこと)から始めました。共通教育のプロジェクト科目「里山プロジェクト」でお世話になっている豊田市大野瀬町の方にご指導いただきました。

まずはわらを加工しやすいよう,
たたいて柔らかくします

 同時に,お昼のお楽しみである餅つきの準備を進めていきます。この頃からぽつぽつ雨が降り始めましたが,薪でもち米を蒸すので野外での作業となります。
良い感じにもち米が蒸されてきました

 参加者のみなさんは指導を受けながら,少しずつ縄を編んでいきました。

 ちょうどお昼頃にもち米が蒸し上がり,餅つきの始まりです! 年末らしい行事を皆さんに楽しんでいただきました。
みんなで交替しながら搗きました!

 搗きたてのお餅をいただいたら,午後は森に入って材料集めです。リースの枠は主にクズのつるを使いました。クズがいったんはびこってしまうとなかなか他の植物が入ってこないですし,近くの植物に絡みついて枯らしてしまうなど,ちょっと困った存在です。下の写真はそんな説明をしているところですが,急傾斜地なので実際の採取はスタッフが行いました。
*この写真はお借りしたものです。

 参加者のみなさんは,雨の中森に入って木の実やまつぼっくりなどの採取を行いました。今年は少し木の実が少なかったようですが,これも自然なので仕方がありません。
*この写真もお借りしたものです。ありがとうございます。

 部屋に戻ってクリスマスリースやわら縄に飾りをつけていきました。みなさん工夫をしながらすてきな作品を作っておられました。

 上にも書いたように今回3年ぶりの開催となりましたが,みなさん楽しんでいただけたようでした。来年もまた感染症の状況次第になるかと思いますが,引き続き開催していきたいと思っています!

 

2022年12月10日土曜日

蛭池の見学

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日, 当研究室のセミナーの学生さん(1~3年生)と一緒に,希少植物のマメナシの生育地である蛭池の見学に行ってきました。大学から歩いて20分くらいでしょうか。ちょっとしたお散歩ですね。途中の雨池(あまいけ)では美しい羽根を持つカワセミを見ることができました(写真を撮ることはできませんでした・・・)。

 蛭池は一部紅葉している樹木もありましたが,マメナシは既に冬枯れでした。

まだいくらか紅葉が残っていました

 マメナシの名前の通りの小さな実がたくさんついていました。確かに梨のように見えますね。まずい(えぐい)ので鳥も食べませんが,実をまずくするのは決して進化の失敗ではなく,植物のしたたかな戦略の一つなのです。

 ちょうどこの日は地元の保全団体のみなさんが草刈りなどの作業をしているところでした。地道な作業で本当に頭が下がります。しかも「狂い咲きの花があるよ」と教えていただきました。学生さんたちは今年の春の花のタイミングを逃していたので,この時期に花を見ることができるなんてラッキーです!

 蛭池をぐるっと一周すると,びっしりとつぼみをつけたヒサカキがありました。他の個体は今年の実をまだ付けているのに,こちらは既に来年春の準備完了!という状態。いろいろあって面白いですね。





2022年12月5日月曜日

里山プロジェクトで豊田市大野瀬町の見学

 みなさまこんにちは,よしだです。

 大学のプロジェクト科目の一つ,「里山プロジェクト」で昨日 (12/4),豊田市大野瀬町への第2回の見学に行ってきました。第1回見学の7月は天気が良くなかったのですが,今回は終日天候に恵まれました。

 午前中は現地で農業体験・・・と言っても,もう農作業をする季節ではないので,大野瀬町で栽培されたコキアからほうきを作る体験をしました。コキアは各地で栽培され,名所になるくらい有名になってきた植物で,コキアからほうきというのはイメージがなかったのですが,コキアの和名は「ホウキギ」。そのまんまなんですね・・・。ちなみに秋田あたりで名物になっている「とんぶり」はこれの種子というのも意外でした (とんぶりと言ったら私は,タレントのふかわりょうさんくらいしか出てこなかったので・・・笑)。

収穫されてまもないコキアです
まだコキアらしい色をしていますね

 それはともかく,ホウキギからほうき作りです。大野瀬町の農事組合法人の方から指導を受けて作っていきます。一言で言えば束ねるだけなのですが,きれいに,しっかりと作ろうとするといろいろコツが要ります。

 手持ちのほうきや,庭を掃くためのほうきなど,それぞれ好みのほうきを作りました。地域の産業までにはならないとのことでしたが,地域の資源を利用する上でのヒントになったのではないでしょうか。

 中小をはさんで午後は,この科目の最終成果である大野瀬町を活性化させるためのプレゼンづくりに向けた準備に入りました。まずはグループ分けをして,それぞれのグループでどのようなテーマ,方向性で活性化を提案するのか,大野瀬町の方に質問をしたりしながら考えてもらいました。
考え中です

 成果発表会は来年1月ですが,それぞれの考えや思い,各学部学科で勉強したことも含めてアイディア出ししてもらえたらと思います。


2022年11月28日月曜日

ラムサール条約登録10周年シンポジウム

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11/26 (土曜日),豊田市で開催された「ラムサール条約登録10周年記念シンポジウム」に行ってきました。これは豊田市内にある矢並湿地,恩真寺湿地,上高湿地が「東海丘陵湧水湿地群」としてラムサール条約に登録されたのが2012年で,それから10年が経過したのを記念して開催されたものです。

 豊田市さんと金城学院大学は東部丘陵生態系ネットワーク協議会でご縁がありますし,後述する愛知学院大学の富田先生と一緒に私も湿地で調査をさせていただいていることもあって,今回お誘いをいただいて参加してきました。

 最初に市長さんを始めとして関係する方々のご挨拶から始まり,続いて市役所の担当の方から市の取組についてご報告がありました。

上高湿地では湿地周辺の樹木の伐採も行われています

 このあと各湿地近くの小学校から,湿地とのかかわりについて報告がありました。湿地を学習の場として利用するだけでなく,保全団体のみなさんと一緒に作業をしたり,湿地の生きものの説明をしたりと,かなり積極的に関与していることがよくわかりました。小学生のうちから自然に興味をもち,保全に関わっているなんて,将来が明るいですね。最後に市長さんから関係団体や小学校への感謝状の贈呈を行って前半の部が終了しました。
 
 後半は記念講演会で,愛知学院大学教養部の富田先生から,「なぜ湿地を保全するのか?」というタイトルでご講演がありました。
ご講演中の富田先生です

 湿地を保全するのは,「貴重な生きものを守るため」ということになるのですが,湿地はそれだけではない,さまざまな恵みをもたらしてくれる存在であるというのが先生のお話でした。

 このシンポジウムにはたくさんの方が集まり,私が研究でお世話になっている名古屋工業大学の増田先生や,東部丘陵生態系ネットワーク協議会でお世話になっている県庁の方もお越しになっていて,関心の高さがうかがえました。

 先に書いたように私も湿地の調査で関わりがありますので,ラムサール条約に登録された湿地の保全にいくらかでもお役に立てられれば嬉しいです。

 

2022年11月15日火曜日

ダイヤモンドタワーズ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょう11月15日は,私のいるW1棟から見て,名駅のタワーズの後ろに太陽が沈む「ダイヤモンドタワーズ」の日でした。興味のある先生方や学生さんも集まり,カメラやスマホを構えてその時間を待ちました。

 普段は特に意識することはないのですが,太陽は思ったよりも早く動いています。日が沈みそうになる頃から私もみなさんも写真を撮り始めるのですが,露出の調整が非常に難しい(太陽に合わせると他が真っ暗になり,他に合わせると太陽が白飛びする・・・)ので,あれこれ試行錯誤をしているうちにどんどん沈んでいってしまいます。で,ギリ露出も何とかなって太陽とタワーズが重なった写真がこちら!

ちょっとタイミングを逸しているような・・・

 写真はなかなか難しいですね。でも1年に2度しかない現象を見ることができて幸せでした!

 

2022年10月31日月曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会 第4回カレッジ(海上の森)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 少し前のことになりますが,10/22(土曜日)に東部丘陵生態系ネットワーク協議会の第4回のカレッジとして,海上の森(かいしょのもり)の見学をしました。

 ご存知の方もおられると思いますが,2005年の万博の当初計画では,この森を切り開いて万博を開催し,跡地を住宅地に開発しようというものでした。しかし21世紀に入ろうとしているのに,まるで昭和30年代の高度経済成長期のような時代錯誤も甚だしい計画が受け入れられるわけがなく,オオタカの営巣が確認されたことなどから海上の森は保全され,万博も「自然の叡智」をテーマとするものになりました。

 今回のカレッジでは,まず名古屋工業大学の増田先生から,里山や湿地を守るとはどういうことなのかについてご講演をいただき(すみません,私も普通に講演を聴いていたので写真がありません・・・),その後は実際に森に入っての見学に向かいました。ダニが結構いるということで,まずはダニよけスプレーで防護します。

KSCの生みの親でもある元国際情報学部の小野先生も
森の見学の講師として駆けつけてくださいました

 海上の森の樹木は大きく成長して,やや暗い印象がありましたが,その下でこんなかわいらしい花が咲いていました。アケボノソウです。
花の黄緑色の部分が蜜腺になっているそうで
蜜を求めてアリが来ています

 一方でこんな光景も。アオキの葉がかじり取られて枝だけになっています。これはシカの食害だそう。各地でシカの個体数が増えて生態系に大きな影響を与えていますが,こんな身近なところにまでシカが生息しているとは・・・

 見学では森だけでなく,海上の森の中にある湿地にも行きました。ここは積極的な保全活動が実施され,表土をはぎ取ることで新しい湧水も出たのだそう。保全は,ただ囲いをすればいいというものではないということを学んでいただけたのではないかと思います。
 
トウカイコモウセンゴケやミミカキグサといった
湿地特有の植物が生育しています

 万博開催の何年も前のこと,海上の森が開発されてなくなってしまうらしい・・・と聞いて何度か訪れたことがありましたが,これだけまとまった森やその中に点在する湿地が現代に残って本当によかったと思います。


2022年10月11日火曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会 第3回カレッジ(長久手市)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 スポーツの日を含む3連休の中間日(10/9)に,東部丘陵生態系ネットワーク協議会が主催する第3回のカレッジ「秋の湿地へようこそ!~長久手市の貴重な湿地を知ろう~」が開催されました。

 当日はモリコロパーク内の「森の学舎(もりのまなびや」で13時に開講し,まずは長久手市内の湿地で精力的な保全活動をされている,長久手湿地保全の会の会長,水岡惠子さんからこれまでの保全の経緯についてご講演をいただきました。湿地にアクセスするための藪の刈り払いから始まったとのことで,それはそれは大変な作業だったことがよくわかりました。

 講演の後は森の学舎近くの森の観察です。何とここには希少種のフモトミズナラがごく当たり前のように自生していて,私もとても驚きました。しかし,ちょうどこのころからまとまった雨が降ってきてしまいました。

少し高いところから森を見渡しています。
写真では分かりませんが,間もなくオープンする
「ジブリパーク」の建物が眼下に見えました。

 このあと,モリコロパークから愛知県立大学に車で移動して湿地見学のスケジュールなのですが,近くの大型商業施設に向かう車で大渋滞・・・。空いていればたぶん10分もかからず移動できるはずなのに,1時間もかかってしまいました。個人的にはラジオの音楽番組で名鉄電車の車内チャイムやパノラマカーのミュージックホーンが流れたりしたので(クラッシック番組のはずですが・・・),イライラすることなくノロノロ運転していました(笑)。

 それはともかく,時間も遅くなり,雨も降っているのでやや暗くなってきた中で湿地見学に向かいました。今回見学した湿地は,ため池の上流側のへりに形成される,ある意味「典型的なパターン」の湿地でした。ちょうどシラタマホシクサが一面に咲き,モウセンゴケやトウカイコモウセンゴケなど,東海地方の湿地らしい植物をいくつも見ることができました。
みなさんトウカイコモウセンゴケや
コモウセンゴケを観察中です。

 雨が降ったり,渋滞に巻き込まれたりと予定通りにはならなかったものの,身近にある貴重な自然に参加者のみなさんも楽しんでいただけたようでよかったです。

 

2022年9月19日月曜日

台風が近づいてきました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 台風14号が近づいてきました。名古屋では今日(9/19)の夜から明日の未明あたりに最接近するようですが,まだそんなに強い風が吹いたようにも感じられなかった今日,薬学部棟から看護学部棟の間の森で大きな木が倒れていると,薬学部の永津先生から教えていただきました(ありがとうございます!)。早速現場を見に行きました。

道を完全にふさいでいます!

 倒れたのはアベマキの大木でした。樹高は20mくらいあるでしょうか。運悪くスダジイなどの周りの木が巻き添えをくらって一緒に倒れていました。

 根元を見てみるとキノコが生えていて,これのせいで強度が低下していたようです。樹高から言って,このアベマキの寿命だったということなのかもしれません。

かなりあっけなく倒れたようです。

 空を見上げると,森の木々の間から灰色の空が見えました。高木が倒れることで上空に空間ができ,光が射して明るい環境を好む植物が侵入する,生態学で言う「ギャップ更新」が起こるプロセスがよくわかります。


  台風が最接近する前にこんなことが起きて驚きましたが,大きな災害が発生しないことを祈るばかりです。

2022年9月16日金曜日

南アルプス 仙丈ヶ岳へ山登り

 みなさまこんにちは,よしだです。

 9月11日(日曜日)のことになりますが,私は南アルプスの仙丈ヶ岳に日帰りで山登りに行ってきました。仙丈ヶ岳は標高が3,033 mあり,日本では18番目に高い山ですが,登山口の北沢峠(標高2,036 m)までバスで行けるので,南アルプスの入門の山として知られています。

 今年は私自身仕事が忙しかったのですが,そもそも週末に晴れてくれなくて,夏山に登る機会を得ないまま9月になってしまいました。それがようやく晴れた週末がやってきて,今回登ろうと思ったのですが,誰もが同じことを考えていたようで,バス乗り場から早速大混雑です!

 下の写真は早朝5時ちょうどのバス乗り場です。私が並んでいる列はバスの切符を買うための列,右の列がバスに乗る列です。右の列はずっとずっと後ろまで続き,切符を買ったらそこまで並び直さなくてはいけません。完全に出遅れました!

すごい行列です!

 ダイヤ上の始発バスの時刻は5:30ですが,人が多過ぎるため5:00からバスを出してピストン輸送になりました。柔軟な対応が有難いです。それでもバスが全部出払ってしまい,私がバスに乗れたのは2巡目の2台目,6:30でした。
最前列の補助席になりました。
視界良好です!

 バスに乗って40分ほどで北沢峠に着きました。ここからは自分の足で仙丈ヶ岳の山頂を目指します。
まずは樹林帯の中を登っていきます。

 5合目を過ぎると森林限界を超えて,視界が開けました。進行方向左手(東側)には遠くに富士山が見えました。この写真の右のピークは標高2位の北岳。つまり日本のワンツー!
この写真にはないですが,北岳の右には標高3位の
間ノ岳(あいのだけ)もあります!

 山頂手前の小ピーク,小仙丈岳に着きました。仙丈ヶ岳の「個性」とか「らしさ」を表現しているのが,氷河地形である大きなカールではないでしょうか。ここから山頂方向を見るとそのカールがきれいに望めました。
優美な景観を作り出しています。

 山頂に着きました。雲がいくらかあって,遠くまですっきりと景色を望むことはできませんでしたが,それでも山の上は気持ちがいいものです。
登頂の記念写真です。
キツネの「ゾン太くん」,カエルの「ぶじかえるくん」に
モデルになってもらいました(笑)。

 朝のバス停から容易に想像できる通り,山頂も人が多い! 一時的にずらっと記念写真渋滞が発生するほどでした。
できれば頂上で静かに過ごしたかったのですが…

 仙丈ヶ岳のもう一つのピーク,大仙丈岳方面から霧が上がってきました。気温が高いのでどうしても霧が出やすいのでしょう。
霧もまた絵になることも。

 帰りも同じ道をたどって北沢峠まで下山しました。今回久しぶりの登山ということでペース配分を間違えてしまい(早過ぎました),登山中にふくらはぎのこむら返りだけでなく,太ももまで痙攣しそうになり,反省点も多いのですが,久々に山の上の景色を味わえてよかったです。
 

2022年9月9日金曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会 第2回カレッジ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 少し前のことになりますが,9月3日(土曜日)に,瀬戸市と東部丘陵生態系ネットワーク協議会の共催で,あいち自然再生カレッジの2回目が開催されました。場所は瀬戸市の蛇ヶ洞川(じゃがほらがわ)です。ここにはオオサンショウウオが生育していて,オオサンショウウオの観察会と,この川の生きものを観察するのが今回の趣旨です。


 で私は,東部丘陵生態系ネットワーク協議会の会長を務めていて,開会のあいさつをすることになっていたのですが,この日は会議があって,およそ1時間遅刻して現地に到着しました(すみません・・・)。当然すでに生きもの観察が始まっていました。

瀬戸市さんも推してます!

今回もたくさんの方が参加してくださいました。
みなさん川に入って生きもの探しをしています。

夜暗くなってからオオサンショウウオを
観察することになっていたのですが,
すでにご登場です(笑)。大きいですね!

公民館に戻ると,オオサンショウウオを
デザインした焼き物が置いてありました。
さすが焼き物の街,瀬戸市らしいですね!

みなさんが見つけた生き物の解説をしているのは,
カメ博士の矢部先生です。

夜の観察の前に,岐阜県立大垣北高校の髙木先生から,
オオサンショウウオに関するご講演をいただきました。
ここにも外来種問題があってちょっと悲しいです。

すでに昼間の明るい時間に見てしまったのですが(笑),
夜のオオサンショウウオの観察です。

 当日は昼過ぎから夜までのかなり長い環境学習会だったのですが,みなさん熱心に参加しておられました。オオサンショウウオは特別天然記念物なので,今回特別に観察ができたわけで,参加したみなさんもいい経験になったのではないでしょうか。

 参加してくださったみなさま,スタッフのみなさま,ありがとうございました。


2022年8月26日金曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会 第1回カレッジ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 8/24 (水),金城学院大学も加盟している東部丘陵生態系ネットワーク協議会が主催する環境学習会,「あいち自然再生カレッジ」の第1回が開催されました。

 カレッジはこれまで基本的に,湿地や川,森などで実施してきたのですが,今回初めて施設での開催となりました。場所は北区にある愛知県環境調査センター。環境分析などを行う県の研究・調査施設です。自然環境を保全する上で,水はとても大切な存在なので,それを分析する施設を見るのも面白いのでは?ということで企画しました。

センターの外観です。
建て直して間もないそうで,中も外もピカピカです。

 今回は汚れた水をきれいにする実験からスタートです。水に味噌汁,お茶,油を少量ずつ入れて疑似生活排水を作り,これを活性炭でろ過をしてどれくらい水がきれいになるのか,みんなで実験をしていきます。

左が疑似生活排水,右が活性炭ろ過水です。

 見た目でも色が抜けてきれいになっているのが分かりますが,パックテストという簡易テストでCOD(化学的酸素要求量)を測ってみます。
疑似生活排水がおよそ50 mg/L(下)
ろ過水がおよそ10 mg/L(上)で
活性炭だけでも汚れがかなり除去されました。

 写真を撮り忘れていたので,ここから写真がありませんが,この次からは愛知県の生物多様性保全の取り組み紹介,施設内の環境学習プラザでの学習,そして施設見学となりました。有機塩素系化合物などを分析する装置,重金属を測定する装置など,ずらりと並んでいて壮観でした。普段見られない所を見学するのはわくわくしますね。

 この日も暑かったにもかかわらず,多くの方に参加していただき感謝しています。
 スタッフのみなさまもおつかれさまでした。

 次のカレッジは9/3 (土)に瀬戸市で開催されますが,こちらは定員いっぱいとなってしまいました。10/9(日) 長久手市の講座,10/22(土) 瀬戸市海上の森の講座はまだ空きがあるようです。ご興味のある方は協議会のホームページをご覧ください。

https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shizen/toubukyuryou.html


2022年8月20日土曜日

八竜湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 猛暑やゲリラ豪雨が続いたこの夏ですが,8/19(金)はめずらしくからっとした晴天となり,不順な天候でできなかった八竜湿地での調査をまとめてやってきました。とは言ってもまだ8月,やっぱり暑かったです。

この日はよく晴れました。
少しだけ秋の空が混じっている気がします。

 この日のメインは水質調査です。湿地内に設定した19か所でpHなどは現地調査をし,分析用に少量サンプリングしてきました。下の写真は森の中の小さな流れなので涼しいですが,日なたの地点では汗がどんどん出てきます。
夕立のような雨が続いていたので
水量が多めです。

 他にも湿地内で行っている動物調査用のカメラから撮影データを回収したり,下の写真の流出量測定装置から水位データを回収したりもしました。
ここもやっぱり水量多めで,
10秒間で約40リットルの水が流れていました。

 今回は3時間ほど湿地の中をあちこち歩き回りました。足元にはこんなきのこも。
写真ではあまり伝わりませんが
実に鮮やかなオレンジ色です。

 湿地の中ではワレモコウが咲き始めました。毎日暑い暑いと言っても,少しずつ季節が進んできました。