2022年10月31日月曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会 第4回カレッジ(海上の森)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 少し前のことになりますが,10/22(土曜日)に東部丘陵生態系ネットワーク協議会の第4回のカレッジとして,海上の森(かいしょのもり)の見学をしました。

 ご存知の方もおられると思いますが,2005年の万博の当初計画では,この森を切り開いて万博を開催し,跡地を住宅地に開発しようというものでした。しかし21世紀に入ろうとしているのに,まるで昭和30年代の高度経済成長期のような時代錯誤も甚だしい計画が受け入れられるわけがなく,オオタカの営巣が確認されたことなどから海上の森は保全され,万博も「自然の叡智」をテーマとするものになりました。

 今回のカレッジでは,まず名古屋工業大学の増田先生から,里山や湿地を守るとはどういうことなのかについてご講演をいただき(すみません,私も普通に講演を聴いていたので写真がありません・・・),その後は実際に森に入っての見学に向かいました。ダニが結構いるということで,まずはダニよけスプレーで防護します。

KSCの生みの親でもある元国際情報学部の小野先生も
森の見学の講師として駆けつけてくださいました

 海上の森の樹木は大きく成長して,やや暗い印象がありましたが,その下でこんなかわいらしい花が咲いていました。アケボノソウです。
花の黄緑色の部分が蜜腺になっているそうで
蜜を求めてアリが来ています

 一方でこんな光景も。アオキの葉がかじり取られて枝だけになっています。これはシカの食害だそう。各地でシカの個体数が増えて生態系に大きな影響を与えていますが,こんな身近なところにまでシカが生息しているとは・・・

 見学では森だけでなく,海上の森の中にある湿地にも行きました。ここは積極的な保全活動が実施され,表土をはぎ取ることで新しい湧水も出たのだそう。保全は,ただ囲いをすればいいというものではないということを学んでいただけたのではないかと思います。
 
トウカイコモウセンゴケやミミカキグサといった
湿地特有の植物が生育しています

 万博開催の何年も前のこと,海上の森が開発されてなくなってしまうらしい・・・と聞いて何度か訪れたことがありましたが,これだけまとまった森やその中に点在する湿地が現代に残って本当によかったと思います。


2022年10月11日火曜日

東部丘陵生態系ネットワーク協議会 第3回カレッジ(長久手市)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 スポーツの日を含む3連休の中間日(10/9)に,東部丘陵生態系ネットワーク協議会が主催する第3回のカレッジ「秋の湿地へようこそ!~長久手市の貴重な湿地を知ろう~」が開催されました。

 当日はモリコロパーク内の「森の学舎(もりのまなびや」で13時に開講し,まずは長久手市内の湿地で精力的な保全活動をされている,長久手湿地保全の会の会長,水岡惠子さんからこれまでの保全の経緯についてご講演をいただきました。湿地にアクセスするための藪の刈り払いから始まったとのことで,それはそれは大変な作業だったことがよくわかりました。

 講演の後は森の学舎近くの森の観察です。何とここには希少種のフモトミズナラがごく当たり前のように自生していて,私もとても驚きました。しかし,ちょうどこのころからまとまった雨が降ってきてしまいました。

少し高いところから森を見渡しています。
写真では分かりませんが,間もなくオープンする
「ジブリパーク」の建物が眼下に見えました。

 このあと,モリコロパークから愛知県立大学に車で移動して湿地見学のスケジュールなのですが,近くの大型商業施設に向かう車で大渋滞・・・。空いていればたぶん10分もかからず移動できるはずなのに,1時間もかかってしまいました。個人的にはラジオの音楽番組で名鉄電車の車内チャイムやパノラマカーのミュージックホーンが流れたりしたので(クラッシック番組のはずですが・・・),イライラすることなくノロノロ運転していました(笑)。

 それはともかく,時間も遅くなり,雨も降っているのでやや暗くなってきた中で湿地見学に向かいました。今回見学した湿地は,ため池の上流側のへりに形成される,ある意味「典型的なパターン」の湿地でした。ちょうどシラタマホシクサが一面に咲き,モウセンゴケやトウカイコモウセンゴケなど,東海地方の湿地らしい植物をいくつも見ることができました。
みなさんトウカイコモウセンゴケや
コモウセンゴケを観察中です。

 雨が降ったり,渋滞に巻き込まれたりと予定通りにはならなかったものの,身近にある貴重な自然に参加者のみなさんも楽しんでいただけたようでよかったです。