2023年2月17日金曜日

豊田市の湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 このところ湿地での作業が続いていますが,今回は先日の矢並湿地と同じく,豊田市内のラムサール条約登録湿地である上高湿地での作業と調査のようすについてお伝えします。

 この湿地では愛知学院大学の富田先生が流出量の調査を,私の研究室が水質調査を,お互いに協力しながら実施しています。今回は毎月の水質調査とともに,流出量調査のために設置していた流出量測定装置に水もれがあったため,その再設置作業を合わせて行うもので,富田先生はもちろん,豊田市役所の方も来られました。私の研究室からも私のほか,3人の学生さんが参加しました。

 先に流出量測定装置の再設置作業から始めます。この写真ではわかりづらいですが,三角堰の右側で土のう袋の隙間から派手に水漏れを起こしています。まずはこれらの土のうと,三角堰をいったん撤去します。


 学生さんは土のう作りをしました。先週八竜湿地でやっているので,戸惑うことなく土のうを作っています。 

 流路からの水漏れ,土壌への浸透をできるだけ抑制するため,今回は上流側に遮水シートを導入しました。全体を土のうで固めて完成です・・・と言いたいところですが,そう簡単にはいきませんでした。調べてみると,見た目の川幅以上に水底が水平方向にえぐれていて,水が抜けやすい状態になっていたため,水を止めるのが本当に大変でした。土のうも想定以上に使い,何度も試行錯誤して,ようやく水が止まりました。

 水質調査は,上記の作業のお昼休み時間中に行いました。3人のうち2人の学生さんが,卒業研究としてこの湿地の水質分析に取り組みます。

 当日はとても気温が低かったうえに風もあって体感的にはとても寒かったです。それでも流出量測定装置もうまく再設置できましたし,水質調査も予定通りこなすことができました。湿地で行う観測や調査から,良いデータが得られることを願っています。

 

2023年2月9日木曜日

八竜湿地で流出量測定装置の調整作業

 みなさまこんにちは,よしだです。

 八竜湿地では湿地の出口に流出量測定装置を設置し,降雨量と流出量の関係を明らかにする研究をしています。しかし,装置は水漏れがあると正確な観測ができないので時々調整が必要で,先日その作業を行ってきました。

 まずは研究室から道具や土のう袋に入れる砂などを持って行きます。砂は18 kg入りでかなり重いですが,学生さんも運んでくれました。


 湿地に着きました。作業前の装置の様子はこちら。特に目立つような不具合は見られませんが,これからいったん撤去して調整作業を始めます。

 装置を撤去して,川底に土のうを敷き詰めました。川底がもともとやわらかく,水漏れの原因になりかねないので,土のうを敷き詰めることで水漏れを防ごうとするものです。

 再び装置を渓流にセットします。こう書くとものすごく簡単な作業に見えてしまいますが,実際は装置の水平を取るため,土のうを踏み固める→装置を置く→水平になっていない→装置を外す→土のうを踏み固める・・・を何度も繰り返しました。

 ようやく装置を置けるようになり,装置の周りを土のうや砂で固めました。あとは落ち葉を防ぐ網をかぶせたり,水位計をセットして流出量を測ったりして作業終了となりました。

 2時間くらいで終わるつもりでしたが,実際は3時間弱の長丁場になってしまいました。それでも学生さんは,慣れない作業(全員初めての経験)にもかかわらず,がんばってくれました。