2016年3月31日木曜日

4/3 マメナシのお花見・観察会を開催します

 みなさまこんにちは,よしだです。

 桜がちょうど見頃になって華やかな時期になりましたが,マメナシのお花見はいかがでしょうか。マメナシは東海地方の丘陵地の湿地に隔離分布する希少種で,絶滅が心配されていますが,そのマメナシが金城のある守山区で多く自生しているのです。

 それで守山区役所などが中心となって,これを保全しながら地元を盛り上げていこう,という動きが始まりました。2月末に金城で開催した学習会「まめなしってなぁに?」もその一環です。

http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2016/03/blog-post.html
たくさんの方のご来場,ありがとうございました!

 さて,暖かくなってマメナシも花の時期を迎え,今度はお花見・観察会が企画されました

守山区役所
 「とても身近な自然遺産 まめなしのお花見&観察会」を開催します
http://www.city.nagoya.jp/moriyama/page/0000081144.html

 私もこのイベントにスタッフとして参加していて,昨日その下見が行われました。地元ボランティアのみなさん,守山区役所や守山土木事務所の方,名工大の学生さんなどが集まり,運営方法・手順の確認,実際に歩いてみて所要時間の確認,そしてマメナシの開花状況の確認などなど。
 
 一番気になるのはマメナシの開花状況ですが,個体によってはすでに満開に近くなっているものもありましたが,まだ1~2分咲きといったところでしょうか。今後の気温の推移を考えると,開催日の3日はちょうどいい見ごろになりそうです (^_^)
*清楚で美しいですね*

 私は当日,マメナシ生育地の環境を知る意味で,簡単な水質測定を体験していただく予定です。ぜひみなさま,この地域の希少種であるマメナシを観賞しにお越しください! 
 

2016年3月28日月曜日

草もちづくり

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 私にとってこの時期どうしても食べたくなるのが草もち(よもぎもち)です。小さい頃近所にあった和菓子屋さんの草もちがとてもおいしくて,大好物だったのですが,10年以上も前にご主人がお亡くなりになり,お店をたたんでしまいました。
 
 それからいくつものお店の草もちを食べてみたのですが,その和菓子屋さんに並ぶおいしさには出会えません。それで今年,初めて草もちを自分で作ってみることにし,先日のシデコブシのお花見のあと,その近くでヨモギを採らせていただきました。
 
 今は便利なことに,ネットでいくらでもレシピを見ることができます。でも分量や作り方はまちまちなので,手順を決めて作ってみることにしました。
 
1. 白玉粉+上新粉+砂糖をお湯でこねる
2. これを蒸す
3. 蒸したものに,湯がいてすりつぶしたヨモギを加えてこねる
4. できたお餅にあんを包む 
1 が終わったところです
右上のパソコンを見ながら,ですが(笑)
 
あんも自作です
小豆を煮て作りました
 
 1回目は分量比を,白玉粉:上新粉:湯がいたヨモギ=5:5:10 としました。ヨモギの量はちょうどよく,あの和菓子屋さんの草もちに近い緑色にはなったのですが,あれっ,やわらかい! 置くとそのまま自分重さで広がってしまうほどやわらか過ぎでした。これではあんを包むことができません (>_<)
でろ~ん (>_<)
注:縦写真が横写真になっています
 
 なので2回目。こんどは分量比を,白玉粉:上新粉:湯がいたヨモギ=4:6:10 としました。粉とヨモギの比率は変えず,粉の配合比だけを変えたのです。するとこんどは形が保ててあんが包めました。でも手にペタペタお餅がくっついてしまうので,もう少し比率を変えてもよさそうです。 
見た目が不細工ですが,
温かい目でご覧ください(苦笑)

 味はまずまずといったところでしょうか。少なくともスーパーなどで売っている,いかにも色を付けたようなものよりかはおいしかったです。ヨモギをケチらず使っているので当然といえばそれまでですが(笑),でもあの和菓子屋さんの味にはまだ遠いかな,と思いました。
 
 春先に芽吹く草を練り込んでお菓子にしてしまうなんで,季節を口で楽もうとする日本人の知恵ですね。ささやかながらも幸せを感じます。
   

2016年3月25日金曜日

日本生態学会に行ってきました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 卒業式が終わったこの時期は,学会発表の時期でもあります。私は金城の里山担当ということで,金城に着任してから日本生態学会の会員となりましたが,今回初めて生態学会での発表を行いました

 今年の生態学会の開催地は仙台。東海道新幹線・東北新幹線を乗り継いで4時間以上。最近出かけることが少なかったので,久しぶりに遠くまで足を延ばした気分です。
会場の仙台国際センターです
(昼過ぎに撮ったので閑散としてますが,中は人でぎっしりです!)

 自分の発表をするのも大事な仕事ですが,学会は自分のための勉強の場でもあるのです。今回特に興味を持ったのは「都市住民にとっての生物多様性保全」というセッション。金城の里山は,言うまでもなく都市の森ですね。都市ならではの課題もあれば,都市だからこその可能性もあるはずです。そのヒントを学ぶべくこのセッションを聴きに行きました。
 詳しいことは省略しますが,金城の里山は,この地域の自然としての重要な役割もあるし,また,大学として,女子大学としてできること,やらなければならないことがあることを強く確信しました

 私は口頭発表ではなくポスターによる発表で,広いホールにはたくさんのポスターが張られていました。こちらもたくさんの人が話を聞きに来ています。

 今回私の発表は,日本福祉大学との共同研究による湿地の水質調査結果をまとめたもの。私は生態学会の「新参者」ゆえ,どんな反応がくるのか少し心配していましたが,何人もの方が聞きに来てくださいました。
ポスターの説明をしています
この写真は共同研究者である日本福祉大学の
水野先生に撮っていただきました。
ありがとうございました。

 発表を聞きに来てくださった方のに中には,湿地の管理を実際に担当されている方もおられ,情報交換や意見交換ができました。これらは金城の里山管理や活用,また里山をベースにした研究の参考になることでしょう。有意義な学会参加となりました。
 

2016年3月14日月曜日

エジプト・ヨルダンからお客様が来られました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 3月11日(金曜日),金城の里山を見学するため,エジプト・ヨルダンからお客様が来られました。これは,日本の独立行政法人「国際交流基金」が,中東地域の若手リーダーを日本に招待するプログラムのうち,「共生」をテーマにした見学の一環として,金城が選ばれたのです。

 共生の社会は,自然の資源を枯渇させない意味でも,人々の間の差別や対立をなくす意味でも重要なテーマですね。今回の見学は東京周辺が中心でありながら,わざわざ名古屋の金城が選ばれたのは,女性教育の長い歴史があることと,里山活動をしていることが理由なのだそうです。まさに「金城らしさ」が選択理由となったわけで,私たちKSCにとって大変名誉なことといえるでしょう。

 今回はエジプト・ヨルダンからそれぞれ6名が来られたのですが,それぞれの国の政府機関・大学・報道機関など,要職にある人ばかり。通訳・引率の日本人スタッフの方3名とともに13時過ぎに金城に到着しました。対する金城はKSC学生メンバー7名と教職員メンバー4名で応対することにしました。

 まずは金城の里山について小野先生から説明があったのち,大学西側の森の見学に出かけました。実りは過ぎ,花や新芽を待つこの時期,あまり目を引くものがない森ですが,まったく違う植生・樹木を見るだけでもとてもおもしろい,と思っていただけたようです。
 
 もちろん炭焼き小屋の見学も。自然の資源を有効に活用する方法・考え方を知っていただけたと思います。
 
 炭焼き小屋の隣では原木しいたけ栽培を行っているのですが,かろうじて1,2個しいたけが残っていました。食用のキノコです,と説明したのですが,そのまま生で試食を・・・\(◎o◎)/! 普通は焼いたり煮たりして食べるものなのですが,というのが補足説明になってしまいました。
 
 森を一周回ったのち,W2棟に入って大学の変遷を示したパネルを使い,むかしこの土地が植物がほとんど生えていないはげ山であったことを説明しました。
 
 15時前に会議室に戻ったのですが,休憩時間中にKSC学生メンバーはシュロバッタの作り方をもう一度確認しています。というのも・・・
 
 そう,見学の後は交流会という設定だったのですが,せっかく里山を見学してくださったのですから,里山の材料を使った遊びをしてもらおう,ということなったのです。KSCのメンバーがここでは「先生」になって,見学に来られた皆さんと一緒にシュロバッタ作りに挑戦しました
 
 その間,ヨルダンのお菓子が振る舞われました。私はこれまで,中東地域のスイーツについて何一つ知らなかったのですが,ナッツの入った甘い揚げ菓子といえばいいのでしょうか。KSCメンバーはみんな気に入ったようです。通訳の方によれば,今回いただいたものは,日本でいえば虎屋のようかんのような位置づけだそう。伝統のある,とても高級な (!) お菓子なのですね。皆でありがたくいただきました \(^_^)/
 
 シュロバッタ作りが盛り上がって(笑)時間はあっという間に過ぎ,お帰りの時間になってしまいました。記念写真の後,皆でバスをお見送りしました。
 
 ちなみに上の高級なお菓子だけでなく,見学していただいた方たちからはたくさんのお土産をいただいてしまいました。下の写真はその一部なのですが,今回応対したKSCメンバーでひとりずつ好きなのを選んで持ち帰りました。下のポーチはやはり人気でしたね(笑)。ありがとうございます!

 中東,というと私も正直ちょっと怖いイメージがあって,今回の見学も少々身構えていました。しかし,今回来られた方はみんな明るく,人懐っこく,好奇心旺盛で,怖いと思っていた自分を反省しなくてはいけませんね。今回見学されたみなさんが,金城,名古屋,あるいは日本がいい思い出として心に残り,これらに対して親しみを持ってもらえたら,と願っています。 KSCメンバーも,前代未聞の(?)インターナショナルな行事でドキドキでしたが,楽しくいい経験になりました。

 最後に,里山をアラビア語で。上の四文字が「まやとさ」,つまり右から左に読んで「さとやま」です。勉強になりましたね! でも,これを見ずに書けるようになるには時間がかかりそうです(苦笑)。
 
 

2016年3月10日木曜日

お客様をお迎えするために

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日 (3/9) 小野先生,たなかさん,よしだの3名で炭焼小屋のお掃除をしました。あすお客様がはるばる金城に来られ,里山を見学されるからです。

 そのお客様とは,独立行政法人国際交流基金が海外の若手リーダー招へいプログラムで来られる,エジプト・ヨルダンの方々。「共生」をキーワードに日本各地を視察し,その一つが金城の里山なのです。

 World Wide に情報発信をしているわけでもないのに,どのような経緯で金城の里山が視察先に選ばれたのかはよくわかりませんが (苦笑),ご案内を担当するKSCとしてはかつてない?大きな行事です。

 というわけで,気持ちよく見学していただくために地味にお掃除 (笑) です。風で散らかっていた段ボールなどを片付け・・・
 
 2月20日の炭焼きで作った竹炭を見ていただくために,窯の上の砂をどかしてふたを開けました。今回もいい焼け具合です (^_^)v
 
 小屋の外では,真冬は休んでいたしいたけがまた出るようになり,ちょうど良い大きさに育っていました。「共生」がテーマですので,これも自然の資源を上手に使う人間の知恵として,視察に来られた方々に見ていただくことにしています。

 現地の若手リーダーの方々ということで,ちょっと緊張してしまいますが,KSCメンバー約10名で応対をします。日本の里山というシステム,共生の考え方といったものももちろんですが,金城の里山を楽しんでいただければと期待しています
 

 

2016年3月2日水曜日

学習会「まめなしってなぁに?」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週末のことになりますが,2月27日(土曜日),金城で「まめなし学習会~まめなしってなぁに?」を開催しました。

 このイベントのアナウンスでも書きましたが,絶滅が心配されているマメナシが守山区には多く自生しています。これを地域の宝としてみなさんに知っていただき,保全の意識を高めていこうということになり,その最初のイベントとして,この学習会が企画されました。

 会場はN2棟214講義室で,受付開始の13時から続々と参加者が来られました。私もスタッフの一人として関わっていたのですが,定員を80名に設定したものの,事前問い合わせの数などから,スタッフを含めても参加者は60人前後ではないか,と予想していました。それを踏まえて,少し余裕をもって着席でき,かつ空席が目立たない程度ということで,定員120名のこのN2-214講義室を手配したのです。

 ところが・・・

 どんどん参加者が来られ,最終的にはスタッフを除いた一般の方だけで129名! 余裕を見て100部用意した資料は足りなくなるし,座る場所も足りなくなるしで,他の教室から椅子を借りてきたり,スタッフは立ち見にしたりで何とか対応しました。嬉しい悲鳴です (^_^;
ぎっしり・・・
狭くて申し訳ありませんでした
 
 今回は前半に名工大の増田先生のご講演,後半は長年マメナシの生育調査をされてきた地元「守山自然の会」の鹿住さんの事例報告が行われました。増田先生は,マメナシとはどんな植物なのか,そしてこれまで先生の研究室で行われた小牧市での調査からわかってきたことを紹介されました。鹿住さんからは,守山区のマメナシも,開発や自然枯死などによって以前よりもその数を大きく減らしていることが紹介されました。
増田先生のご講演
 
鹿住さんのご報告

  その後質疑応答が行われ,この学習会は終わりましたが,アンケートでは多くの方が満足と回答されていました。盛況のうちに学習会を行うことができ,私もスタッフの一人として嬉しく思います
最後にこの事業を立ち上げた
守山土木事務所の坂井さんから
閉会のごあいさつ

 先に書いた通り,この学習会は守山区のマメナシを全区的に保全していくための第一歩です。「まめなしのある風景 守山事業」として,ボランティア団体,名古屋市,大学が連携し,息の長い活動として今後この事業は行われていきます。私は地元の大学に勤める者として,研究の面だけでなく実地調査要員としても積極的にこの事業に参加し,微力ながらも貢献していきたいと思っています