2024年9月3日火曜日

台風が過ぎて

 みなさまこんにちは,よしだです。

 迷走して日本列島に長く居座った台風10号が過ぎ去ってしばらく経ちましたが,台風一過の晴天とはならず,毎日怪しい空模様が続いていますね。昨日(9/2)も夕方一時的に激しい雨が降りました。そのため,滅多なことでは止まらないことで有名な?名鉄瀬戸線が,雨量規制で運転見合わせとなり,私も駅で30分以上足止めとなってしまいました。 

 それはさておき,今日晴れた時間帯を見計らって八竜湿地の様子を見に行きました。昨日の大雨の影響が残って,三角堰からは大量の水が流れ出ていました。

 見た目からするとあまり「大量」という感じがしないかもしれませんが,普段と比べたらかなり多いです。晴天が続いていた先月12日が1分間に13~14L流出していたのに対し,今日はなんと約650L(!)。普段のおよそ50倍にもなっていました。

 八竜湿地の上段も水がたまってひたひたに。場所によっては,湿地というよりかは池ですね。

 八竜湿地の下流にあるため池,新池です。八竜湿地を含めて周囲からの水がここにたまるのですが,水と一緒に土砂も流れ込んでいるのでしょう,茶色く濁っていました。

 天気予報によれば,また猛暑日になることもあるとのこと。いつまでも暑い夏になりそうですが,マメナシは梨らしい実をつけ,秋の到来を感じさせてくれました。


2024年8月28日水曜日

ハクビシン

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週水曜日(8/21)の夜のこと,私が仕事が終わって研究室を出たのは22時少し過ぎたころでした。薬学部棟を出て本部棟の階段を降りて・・・とその時,目の前をハクビシンが横切っていきました。残念ながら写真を撮る間もなく去っていきました。

 下の写真はその翌日の明るい時間に撮ったものですが,黄色の点線矢印のようにハクビシンが歩いていくのを目撃したのです。私とハクビシンとの距離は,5m以上10m以内といったところでしょうか。まぁまぁ近い距離感ですが,それでもハクビシンは逃げ去る感じでもなく,とことこと普通くらいの速さでした。このあとハクビシンは道路を横断し,W1棟方面への坂道を上がっていき,姿を消しました。


 私は学内にセンサーカメラを設置して動物の調査を行っていて,下の写真のようにハクビシンはよく写るので,学内にそれなりの頻度で侵入していることはわかっていましたが,私自身が学内で実際にハクビシンを目撃したのはこれが初めてです。

学内の動物調査では,こんな感じにハクビシンが写ります。
*別の日(8/9)に撮影されたものです。


 この一か月ほど前の7/12(金)20:30頃には,大学入口の守衛室近くでキツネが学内に入っていくのを目撃しました。夜行性の動物は人目を避けて生息しているはずですが,にもかかわらず最近目撃の機会が増えてきたように感じます。


2024年8月14日水曜日

豊田市上高湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 終わりの見えない猛暑が続いていますが,そんな中私は上高湿地へ調査に行ってきました。月1回の定期調査なので,猛暑だからと言って休むわけにいきません。水や飴などを持参して現地に向かいました。

 晴れた日が続いたからでしょう,水質を分析する11か所の採水ポイントのうち,3ヶ所で水が枯れていました。下の写真はそのうちの1ヶ所ですが,普段なら右から左へ,多くはないとはいえ水が流れているのですが,完全に干上がってしまっています。


 こちらは水の量を量る流出量測定装置ですが,上流(右上)からの水の供給がないため,装置に水がたまっているだけで流出がない状態になっていました。


 体温を超えるような気温が続いて,植物もいくらか元気がないように感じましたが,それでもシラタマホシクサのつぼみがだんだん大きくなってきました。いつも通りの変化が起きていることにちょっとホッとしました。


 この暑さ,いつまで続くのでしょう? 異常な暑さの夏は今年だけにしてほしいのですが,もはやそうにはならないのかもしれませんね。


2024年8月7日水曜日

里山プロジェクト大野瀬見学

 みなさまこんにちは,よしだです。

 大学がほぼ夏休みに入り,プロジェクト科目の「里山プロジェクト」で,2泊3日の野外実習に出かけました。目的地は恒例の豊田市大野瀬町。長野県・岐阜県と境を接する中山間地です。

 今回は1日目が大野瀬町の名所巡り,2日目が農業体験,3日目が大野瀬町を活性化させるための提案(プレゼン)の中間発表という内容でした。

 まずは1日目,大学を出て約2時間バスに乗り,大野瀬町に着きました。最初に見学したのは子もち桂というカツラの木の大木(萌芽更新)です。萌芽更新はこれまでも八竜湿地で見ているのですが,こんなに大きな木を見るのは学生さんにとって初めて。ビックリですよね。


 続いて訪れたのは梨野不動滝。急斜面を降りていくとそこに大きな滝があります。猛暑続きなので,滝から飛び散るしぶきが気持ちいいですね。

 2日目は農業体験で,午前は耕作放棄地にコスモスの種をまきます。ここはちょうど国道153号線から見えるところにあるので,秋にうまく花が咲けばいいスポットになりそうですが,どうでしょうか。

 2日目の午後はホップの収穫です。ビールの原料としておなじみですね。大野瀬町で昨年から栽培が始まったそうです。上部から麻ひもをつるして,そこにホップのつるを巻き取らせます。上へ上へと伸びたホップが花を咲かせる頃,麻ひもを切って個体丸ごと収穫し,作業場に移動してそこで収穫します。


 ホップって,実を収穫するものだと思い込んでいたのですが,花を収穫するんですね・・・。花からはとてもさわやかな香りが漂っていました。

 3日目は写真がありませんが,午前中にプレゼンの準備をし,午後中間発表でした。今後これをさらにブラッシュアップして,年明けの最終発表となります。

 今回ご案内してくださった大野瀬町のみなさま,ありがとうございました!
 

2024年7月31日水曜日

八ヶ岳登山

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今回は私個人の話になってしまうのですが,先日八ヶ岳に登ってきたときのことを書きたいと思います。

 八ヶ岳は長野県中部から山梨県に至る山脈で,北アルプスや南アルプスに比べると規模は小さいものの,アルプス以外で標高が2,700 mを超える山が5つもある山塊は日本でここだけです。

 今回訪れたのは,この高い山が集中する南部地域です。名古屋から列車とバスで登山口まで行き,1日目はそこから山小屋まで歩き,2日目は山小屋を出発して4つの高い山を反時計回りに周回して山小屋まで戻り,登山口に下山するというルートを取りました。

 まずは1日目,この日は登山口から山小屋まで3時間の移動なので,そんなに大変ではありません。その途中で2回,計4頭のシカを目撃しました。やや警戒はしているようですが,人間がいても逃げていきません。他の登山者は喜んで写真を撮っていましたが,各地でシカが増えて生態系が劣化していく事例を耳にしているので,素直には喜べませんでした。


 山小屋に到着しました。今回はテント泊なので,空いている場所を探してテントを建てました。登山者の多い週末だったので,すでにかなりのテント数になっています。

 2日目,まずは阿弥陀岳(標高2,805 m)を目指します。途中からは「壁を登るような」急登の連続。以前にも登ったことがあるのですが,「こんなにしんどかったっけ!?」と,つい弱音が出てしまいます・・・。

 ですが,山頂に着くとこんなすばらしい景色が! 八ヶ岳には標高2,700 m超の山が5つあると最初に書きましたが,その中で今回唯一登らなかった権現岳(標高2,715 m)が雲をまとって神々しい姿を見せていました。

 阿弥陀岳の次は,八ヶ岳で最も高い赤岳(標高2,899 m)を目指します。マイナーな阿弥陀岳に対して,赤岳は一番人気! 登る人も急に多くなってきました。岩場が連続する箇所もあるので,順番待ちをしながら少しずつゆっくり登っていきます。

 赤岳頂上付近からの展望です。これから向かう横岳(写真上部中央,標高2,829 m),硫黄岳(写真上部左奥,標高2,760 m)に続く気持ちのいい稜線が一望できました。なお,赤岳の山頂は,記念写真を撮るための行列ができるくらい人が多くて大変でした!

 縦走路の途中には高山植物のコマクサの群落地がありました。花の盛りは少し過ぎたころのようですが,それでもかわいい花を愛でることができました。

 赤岳ではあんなに晴れていたのに,横岳に着いた頃からすこし霧が出始め,硫黄岳に着くころにはもう周囲は真っ白に! しかも風も強く吹くようになってきました。それくらい山の天気は短時間に変わってしまうということです。

 山小屋まで戻ってきました。稜線が見えているので,稜線の霧は晴れたようですが,上空には雲が残っています。硫黄岳山頂が霧で真っ白だったのは,運が悪かったとしか言いようがありませんね。

 このように今回必ずしも天候に恵まれたわけではありませんが,しばし猛暑から逃れ,自然の中に身を置いたことで,心も体もリフレッシュできました。これもまた,私たちが生態系から受ける恩恵の一つ,ということですね。

 

2024年7月28日日曜日

金城の森の視察

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日のこと,名古屋市役所の方が,とある審査の案件で金城の森の視察に来られました。詳しいことはまた別の機会に書きたいと思いますが,今回はランドルフ記念講堂の塔の上から森を俯瞰し,あとは学内の森を地上から見て回りました。

 まずはランドルフ記念講堂からの景色です。下の写真は塔から概ね北西方向を向いて撮りました。私自身は何度もこの塔に登って森の写真を撮っているのですが,空気が澄んで眺望が良くなることを期待して,いつも秋冬ばかりでした。なので真夏に登るのはこれが初めて。緑が生い茂った中にキャンパスがあるのが分かりますね。


 次の写真は,概ね北東方向を向いて撮ったものです。大学の中心部を見ている形になります。どうしても建物が目立ちますが,大学の森が周囲の丘陵地の森と連続していることが見て取れます。学内でタヌキやキツネの生息が確認されていますが,緑地のネットワークができていれば不思議なことではないと思います。

 大学の森は何ヶ所もご案内したのですが,その中でちょっとおもしろいものがありました。木の切り株なのですが,まっ黄色になっています。誰かがペンキを掛けたのではありません。菌が繁殖して黄色に染まっているのです。詳しいことはわかりませんが,粘菌でしょうか。山登りが好きな私は,火山でよく見かける硫黄の結晶みたい,と思ってしまいました(笑)。

 大学の森は,ただの森のように見えるかもしれませんが,多くの学生さんが思っているよりもずっと価値のあるものです。そんなことが今回の視察のご案内でお伝えできたのではないかな,と思っています。

 

2024年6月7日金曜日

めずらしいヘビ「シロマダラ」

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日,研究室の学生さんからメールが届きました。朝の通学で学内を歩いていたら,ヘビがいたとのことでした。そのメールに添付されていた写真がこちらです(トリミングしています)。

 写真の真ん中あたりに,コンクリート舗装の道を横切っているヘビがいるのがわかるでしょうか。偶然にもうまくコンクリートに擬態しているようにも見えますが,この学生さんも最初このヘビに気がつかず危うく踏みそうになったとのこと・・・。

 学生さんは怖くて近づけず,これ一枚しか写真を撮らなかったそうですが,僕もヘビに詳しいわけではないのでとりあえずネットで調べてみました。一番近そうなのが「シロマダラ」ですが,めずらしいヘビのようで「幻のヘビ」なんて書かれています。

 そんなめずらしいヘビが学内に本当にいるのかしら?と思い,念のため仕事でよくお世話になっている「なごや生物多様性センター」の職員さんにメールで聞いてみました。結果は「シロマダラでほぼ間違いない」との回答が! シロマダラの成蛇は茶色と黒の縞模様だそうですが,この写真の個体はコンクリートと同じ灰色で,まだ若い個体(幼蛇)と教えていただきました。

 シロマダラが「幻のヘビ」と言われるゆえんは,夜行性で目撃例が少なく,分布もよくわかっていないことによるようです。今回たまたま朝7時台の明るい時間に現われ,たまたま私の研究室の学生さんが目撃したことで情報が伝わり,生息が確認できました。偶然の積み重ねでいい発見がありました!

 最後に,シロマダラの写真を送ってくれた学生さん,シロマダラについて詳しく教えて下さったなごや生物多様性センターの職員さんに感謝申し上げます。