2023年12月2日土曜日

里山学習講座「竹炭で墨汁を作って書道を体験しよう」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 本日12/2(土曜日),里山学習講座の第1回目,「竹炭で墨汁を作って書道を体験しよう」を開催しました。里山学習講座は何年も続けていますが,これは初めての企画。書道部の学生さんの提案で実現しました。

書道部の部室です。
すてきなウエルカムボードを作ってくださいました!

 今回の企画は,竹林拡大の問題を学びつつ,竹を有効活用して書道の作品を作ろう,というもの。まずは大学に竹林や炭焼き小屋を見ていただきました。

 工作室に戻ってまずは竹炭で墨汁を作ります。ふつう墨汁は「すす」と「にかわ」で作るのですが,ここでは竹炭を粉砕したものに「ゼラチン」を混ぜます。ここでKSCメンバーの朴先生から,金城の竹炭を特殊な機械で微粉末にしたものを提供していただきました。これは先生が研究用に調製したものですが,これを使った墨汁も作ってみることにしました。

 続いて学内に生育する細い竹を伐採して竹筆を作ります。筆くらいの長さに切った竹の片方をハンマーでたたいて繊維状にします。

 墨汁と筆が揃ったところで,実際に書いてみます。

 竹炭墨汁は市販の墨汁に比べて滑らかさがありませんし,竹筆も書きやすいわけでもありません。でも,だからこそ少し荒々しさが出るような,独特の風格を持つ作品ができ上りました。これはもう,新しいジャンルと言っていいかも?!

 竹林の拡大は大学構内でも顕著で,いままで竹が生えていなかったエリアに何本もの竹が生育しています。なのでこのような企画を通して,竹林の問題に関心を持っていただけたらと思います。

 

2023年11月23日木曜日

豊田市上高湿地で調査

 みなさんこんにちは,よしだです。

 11/22(水曜日),豊田市の上高湿地で月1回行っている水質調査を実施しました。11月初めはまだ夏日で,その後いったん寒くなったものの,この日はまた暖かくなって小春日和でした。上着を着ていると暑いので,夏山登山に近い服装で調査に入りました。

 しばらく晴れの日が続いていたので水が枯れている箇所もあるのでは?と思っていましたが,水質調査用のサンプリング地点はどこも分析に足りる水が得られました。

ここはよく水が枯れる地点ですが,晴天が続いて
いたにもかかわらず水がありました

採水だけでなく,流出量測定装置の水位計からの
データ回収や,流出量測定装置にたまった土砂の
除去なども行います

足元ではリンドウの花が少しだけ咲いていました

ガマズミの仲間ですね。ちょっと酸っぱいからか,
まだ鳥は食べに来ていないようです

 今回の調査はちょっとしたトラブルもありましたが,全体としてはまずまず順調に終えることができました。暑くなく,秋の花や実もあって,この時期の野外調査は気持ちがいいです。


2023年11月10日金曜日

八竜湿地で水質調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 11月に入ってしばらく,最高気温が25度を超す夏日が続きました。これもまた異常な天候だったのですが,そんな中,八竜湿地で定例の水質調査を行いました。八竜湿地では年に4回(2月・5月・8月・11月)定期的な調査をしており,季節で言えば今回が「秋」になるわけですが,実際はTシャツ1枚で汗をかきながらの,夏のような天候での調査になりました。

 湿地全体を見てみると,草は冬枯れして樹木の葉も少しだけ色づき始めているので,一応見た目は「秋」らしい感じなってきました。


 地下水は,中央左の塩ビ管から採水します。右下の折尺で水位を測定し,チューブで吸い上げて採水するのです。この地点はいつも通りの水位だったのですが・・・

 こちらは表面水の採水地点の一つです。いつもなら水がたまっているのですが,からからに乾いてしまっています。11月に限らず今年は高温だっただけでなく,雨があまり降りませんでした。この調査日までの1週間ほども晴れの天気が続いていたことで,全体的に水が少ない状態になっていました。

 およそ2時間半をかけてすべての採水地点をまわり,調査終了です。どこからか甘い匂いがして,周りを見渡すとナワシログミが花を咲かせていました。この季節でもまだ活発に動く虫がいて,その虫に花粉の媒介をさせている,ということですね。


2023年10月27日金曜日

ガマズミシロップづくり

 みなさまこんにちは,よしだです。

 朝晩は秋らしい気温になり,名古屋でもいろいろな木の実を見るようになりました。そこで,私の1~3年生合同のセミナーの時間でガマズミの実を採取し,ガマズミシロップを作ることにしました。

 ガマズミ(ミヤマガマズミ,コバノガマズミ)の実は食用になるものの,そのままでは酸っぱいので「おいしい」ものではありません。よくある利用法が「ガマズミ酒」で,梅酒と同じ要領で漬け込んで果実酒にするというものですね。とはいえ3年生は年齢的にOKでも1年生はまだお酒が飲めません。そこで調べて出てきたのが「ガマズミシロップ」。梅シロップがあるくらいですから,これにもガマズミバージョンがありました。

 まずはガマズミを取りに行くところからスタートです。高枝切りばさみが1本しかないので,交代でガマズミを採ります。高枝切りばさみの使い方はちょっとしたコツが必要ですが,学生さんたちはすぐに慣れてうまく実を採っていました。


 ある程度採取できたので,研究室に持ち帰って加工します。実を洗って軽くつぶして瓶に詰める,とあったのでその通りにします。色素が多く含まれているので,手が赤くなってしまいました。

 つぶした実に濃厚な砂糖水を加え,最後に容器を湯煎して殺菌します。

 私もこれを作るのは初めて。熟成したらどんな味になるのか,今から楽しみです!

 

2023年10月21日土曜日

金城祭で「森の工作教室」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 本日(10/21)の金城祭で,KSCは「森の工作教室」を開催しました。KSCが金城祭に出店するのは実に4年ぶり! コロナで金城祭自体ができなかったこともありましたが,昨年はKSCの体制が整わずに参加を見送ったため,こんなに久しぶりの開催になりました。ただ,参加した学生さんは4名。ギリギリの人数です。

 まずは19日(木)の午後に会場の設営をしました。今回の工作教室の内容は,松ぼっくりツリーづくり,蜜ろうキャンドルづくり,ぶんぶんゴマづくりの3つです。まずは教室にブルーシートを敷き,机を並べて新聞紙を張り,各テーブルに道具や材料をセットして・・・と順調に進みました。新聞紙を見るとラグビーワールドカップの記事が出ていましたが,これが4年前の2019年のもの。つまり前回の金城祭の前にもらってきた新聞紙なので,ちょうど一周してしまったわけです。


 黒板もこんな感じでかわいらしくなりました!!

 で金城祭当日の様子です。久しぶりの制限のない大学祭ということで,たくさんの方がお越しになりました。KSCの部屋(N1棟604講義室)から外を見ても,にぎわっている様子が見て取れます。

 「森の工作教室」もこの通り。親子連れを中心にたくさんの方にお越しいただきました!!
 しかし,スタッフの人数が足りていないのでローテーションが組めず,お昼ごはんや休憩もできないため,急遽13:30まで昼休みを設定して時間を確保しました。でも模擬店がどこも行列で,買ってきたコロッケやたい焼きを食べたのは13:20! 食べてすぐ再開です。その後もたくさんの方にお越しいただき,松ぼっくりツリーの台座がなくなった14:40に終了としました。

 久しぶりの開催で私も勘を取り戻すのが大変でしたが,今回参加した学生さんは皆4年生で,入学時に新型コロナウィルス感染症による緊急事態宣言真っ只中でした。KSCの展示を一度も見たことがない世代ですが,それでもすぐに状況を把握して柔軟に対応していました。少人数でしたがとても心強かったです。みなさん,おつかれさまでした!!

 

2023年10月11日水曜日

豊田市上高湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先月末ですから少し前のことになりますが,豊田市の上高湿地で定期的に行っている水質調査・流出量調査に行ってきました。この頃はまだ真夏日が続いていて,熱中症対策をしながらの調査でした。

 流出量測定装置を見てみると,例えばこの場所は整流板(丸い穴がたくさん開いた板)が本来の位置から外れて斜めになっています。これは一度に大量の水が流れたことを示しています。しかしこの日は,数日間雨が降っていなかったことから全く水が流れていませんでした。


 一方こちらの地点は,装置の右側の土砂が崩れていて,土のうが水路の真ん中に落ちています。これはイノシシが土を荒らしたことを示しています。そういえば,何か動物園のようなにおいも・・・ もちろん復旧しましたが,野外調査はこのように野生動物の影響も受けるのです。

 ところで今回,上記とは別の地点で水質調査をしていたとき,木の上から枯葉のようなものが落ちてきて,しばらくしたらそれがごそごそ動き始めてビックリしました。数m離れていましたが,観察しているとそれはどうやらコウモリのようでした。
わかりづらいですが,中央に黒い羽が見えます

 弱っているのか,ケガをしているのか,うまく飛ぶことができないようです。かわいそうですが,私たちにはどうすることもできません。ちょうどシラタマホシクサがたくさん咲いていましたが,「花がきれい」だけが湿地ではないことを教えられた気がしました。

 

2023年9月30日土曜日

植田川であいち自然再生カレッジ

 みなさんこんにちは,よしだです。

 金城も加入している「東部丘陵生態系ネットワーク協議会」で実施している環境学習会「あいち自然再生カレッジ」の今年度4回目が,天白区の植田川で9/23(土曜日)に行われました。今年度のあいち自然カレッジの最終回になります。

 今回はなごや生物多様性センターのスタッフのみなさんにご協力をお願いし,センターの施設も使わせていただきました。カレッジではまず,椙山女学園大学の野崎先生によるご講演があり,事前に植田川で下見をしたデータをもとにお話をしていただきました。それが終わると隣接する植田川に移動し,参加者のみなさんで生き物探しです。 

野崎先生によるご講演です
都市河川の特徴も含めてお話をいただきました

施設を出て植田川に移動です
9月の下旬なのに,この日も真夏の暑さでした

植田川に入って生き物探しです
水温はやはり「生ぬるい」感じでした

生物多様性センターのスタッフの方が
網を使って魚の捕獲を試みています

 生きもの探しが終わって堤防の上に上がり,参加したみなさんのバケツを見ると,魚,エビ,カニ,カメ,ヤゴなどいろいろな生きものが入っていました。下の写真は私のバケツなのですが,たくさん魚が入っています。これ全部,外来種のカダヤシです。どこを網ですくっても,入ってくるのは外来種ばかり・・・
外来種が大漁です・・・

 生物多様性センターのスタッフの方が網でとらえた大きめの魚はオオクチバスです。これもまた有名な外来種ですね。全体としては在来種も捕獲できたのですが,数の上では外来種が目立っている印象がありました。

 生物多様性センターの施設に戻って,スタッフの方や野崎先生による生きもの解説をしていただきました。

 典型的な都市河川である植田川でも,年単位で見ると環境の変化が起きていて,それに合わせて生息する生物相も変化しているのだそうです。参加者のみなさんも興味深く話を聞いていました。もしまた何年か後に同じように調査をしたらどんな結果が得られるか,興味のあるところです。