2025年12月15日月曜日

里山学習講座「里山でクリスマスリースと正月飾りを作ろう」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 12/13(土曜日),大学で里山学習講座「里山でクリスマスリースと正月飾りを作ろう」を開催しました。これは以前からこの時期に開催している講座ですが,昨年はスタッフの人手不足で開催を見送り,2年ぶりの開催となりました。

 内容は,午前はわらを編んで縄を作り,午後は大学の里山に入って植物採取をして,クズのつるを利用してリースの枠を作り,採取した植物で正月飾り・クリスマスリースの飾りつけをするというものです。お昼は この時期らしく餅つきもあったりして,盛りだくさんな内容になっています(笑)。

 というわけで以下,写真を使って当日の様子を説明していきましょう。

 まずはわら縄を編むところからスタートです。里山プロジェクトでいつも大変お世話になっている,豊田市大野瀬町の方々がこれのためにはるばる来ていただき,縄の編み方を指導してくださいました。このわらも大野瀬町産です。プロはいとも簡単に縄を編んでしまうのですが・・・


やってみるとそうそう簡単なものではないことがわかります(汗)。女子のみなさんからは「三つ編みならわかるんだけど・・・」といった声も聞こえてきました。

みなさんが縄を編むのに苦労している間,外ではもち米を蒸す作業を進めていきました。ご家族で参加した2歳の女の子にとって,初めて見る光景なのでしょうね。下で火を焚き,上から湯気が立ち上る様子に興味津々でした。

もち米が蒸しあがったら,縄を編む手を止めてすぐに餅つきを始めていきます。最近は臼と杵で餅をつくなんて,大人でもなかなか体験できない経験かもしれません。これもまた大野瀬町の方々のご指導を受けながら交代で餅をついていきます。

つきあがったお餅はさっそく小さくちぎっていただきます。つきたては柔らかくて美味しいですね。当日はつぶあん・こしあん・きなこ・ごま・のり・砂糖醤油を用意しましたが,どれも好評でした。KSCの学生さんの中には「シンプルに塩だけがいい」とか「まずは何もつけずに食べるのがいい」とか,なんだか「そば通」みたいなことを言っている学生さんもいました(笑)。

お餅でお腹がふくれた午後は,外に出て植物採取です。手の届かないところにある木の実などは,KSCの学生さんが高枝切りばさみで採取します。

さらには森に入って植物を採取します。自然の素材を使ったクリスマスリースづくりのイベントはこの時期各地で行われていると思いますが,その多くは事前に採取された素材を使って作るタイプではないでしょうか。普通は公園などでは採取禁止になっているので仕方がないと思いますが,自分で探して見つけて採取して・・・というプロセスが加えられるのは大学の森ならではないでしょうか。みなさん楽しそうです。

参加者のみなさんは工作室に戻って飾りつけに取り掛かりました。その間少しだけKSCの学生さんは外に出てもらい,卒業アルバム用の写真撮影を行いました。右の2人が来春卒業する薬学部6年生で,左の後輩が森で採取してきた木の実や紅葉したモミジを手に持ち,みんなで森を背景に写真を撮ることにしました。プロの写真屋さんにお願いしての撮影で,その写真はお見せできませんが,KSCらしさ・KSCのオリジナリティあふれる(あまり女子大らしくない?)写真になったのではないかと思います(笑)。 

工作室の中では参加者のみなさんが飾りつけに奮闘されていました。特に決まった作り方といったものはないので,それぞれの好みとセンスで,世界に一つだけのリースや正月飾りができました。

この講座は愛知県の「あいち森と緑づくり環境活動・学習推進事業」の助成金で実施たもので,その報告書の作成に必要なアンケートを最後に参加者のみなさんに書いていただきましたが,楽しかった・また参加したいというお声をいただき,とてもうれしく思っています。

 みなさま,ありがとうございました!


2025年12月10日水曜日

はちみつ食べ比べ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 後期の毎週火曜日にある「薬学セミナー」では,アドバイジーとして所属する学生さんたちと一緒に生物多様性を学ぶことにしていて,先週はシャシャンボのジャムを作りましたが,今週は「はちみつ食べ比べ」をしました。

 ミツバチは花の蜜を集める過程で花粉の授受の役割を担っていて,生態系の維持においても,農業においてもとても重要な存在です。その恵みであるはちみつをいただきながら思いをはせる時間になればと思い企画しました。

 がしかし,単純にはちみつを食べるだけではつまらない(?)ので,7種類のはちみつを用意してラベルをはがしたり隠したりした状態で試食し,香りや味を表現してもらいました。


 スーパーで販売されているはちみつからレンゲのはちみつまで,値段の差は約5倍! 「高いはちみつは高いからおいしいと感じるかもしれないけど,食べ慣れていないからおいしくないと感じるかもしれない。どっちだろう?」などと学生さんも楽しそうでした。10人の学生さんの「おいしいと感じたはちみつ」は人それぞれでしたが,レンゲやアカシアはおいしいと感じた学生さんが多かったです。さらっとしたくせのない食感が好まれたようですね。

 普段何気なくスーパーでも目にするはちみつですが,色々食べ比べてみると,植物の多様性がハチミツの多様性にもつながっていることが分かったのではないでしょうか。


2025年12月2日火曜日

シャシャンボでジャム作り

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょう(12/2)は学生さんたちと一緒にシャシャンボのジャムを作りました。シャシャンボはブルーベリーと同じスノキ属の植物で,大学の中でも自生している里山の植物の一つです。実は小さくてブルーベリーほど甘くないし,ジューシーでもないですが,ジャムにすればブルーベリージャムと大差ない味になります。

 まずは収穫をするところから。今回は薬学部棟に一番近い木から採取しました。植栽したものか自然に生えてきたものかわかりませんが,通路脇なので刈り込まれているようです。今年は豊作でたくさんの実が獲れました。


 実験室に戻って実の選別です。未熟な実,割れている実や,混じり込んだ葉などを取り除きます。実が小さいので少し手間がかかりますが,辛抱して続けます。


 実を洗って鍋に移し,砂糖を加えて加熱します。今回選別後のシャシャンボは450gあり,砂糖は果実の50%の重量の225gとしました。加熱してしばらくは変化がなくて大丈夫かな?と思ってしまうのですが,やがて水分が抜けてきて煮詰めている感じが出てきました。
実験室なのでホットスターラーで加熱しています(笑)

 完成です! シャシャンボの実は皮がやや厚くてつぶすのが難しいので,つぶつぶ感がはっきりしたジャムになりました。さっそく学生さんが試食しましたが,おいしいと言ってくれました!
ブルーベリーらしい色になりました!

 ブルーベリー自体は海外からやってきたフルーツですが,ブルーベリーの仲間の植物は日本の在来種として何種類もあって,里山でも高い山でも見ることができます。日本の在来種で(ほぼ)ブルーベリージャム,というのも意外性があって面白いと思いますよ。


2025年11月28日金曜日

八竜湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日,大学の隣の八竜湿地で定期的な水質調査を行いました。朝晩は冬の寒さと言っていいくらいに 冷えるようになりましたが,調査の日の天気は晴れ。お昼間は風もあまりなく,日なたで動いていると汗ばむくらいでした。

 ただ,この調査の日まで大学周辺では2週間雨が降りませんでした。そのためいくつかの採水地点で水が枯れていました。

普段水たまりができているこの地点も干上がっています

谷の上流部にも水がありません

ここは水の流れがありますが,いつもよりも少ないです

 冬は晴れやすいの気候になるので致し方ないとは思いますが,湿地なのに水がないのはちょっと心配です。

 湿地の植物に目を移すと,この時期らしくいろいろな実がなっていました。

ガマズミは赤色が鮮やかですね!

少し前まで緑色だったクチナシの実も色づいてきました

 今年の実りで注目はマメナシです。ここ数年では見なかったような豊作です!
たくさん実っています!

 マメナシの実はえぐみがあって,動物も鳥もすぐには食べないようです。なので当分の間たくさんの実がついたマメナシを見て楽しめそうです。


2025年11月3日月曜日

御在所岳ハイキング

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日11/2(日曜日),KSCのイベントではないものの,私の研究室のイベントとして御在所岳ハイキングに行ってきましたので,今回はその様子を書きたいと思います。

 御在所岳は名古屋の西にある鈴鹿山地にある山で,標高こそ一番ではないものの,知名度ではダントツの一番と言っていい山ではないかと思います。そしてこの時期は紅葉の名所としても知られています。

 私たちは当日,電車とバスを乗り継ぎ,御在所ロープウエイの湯の山温泉駅に到着しました。道路は駐車場待ちの車で渋滞し,ロープウエイに乗ろうとする人が長い列を作っています。


 今回私たちは「裏道」と呼ばれる登山道で山頂を目指しました。最初は川沿いの登山道を進んでいきます。川の水は澄んでいて,とてもきれいです。このあたりはまだ紅葉が始まったばかりでした。

 橋を渡ることも何度かありました。この橋はまだ新しくしっかりしています。

 ここでは新しい橋に架けかえるために関係者の方々が作業をされていました。このような地道な取り組みのおかげで私たちは安全に登山をすることができるわけで,感謝しかありません。

 出発して1時間20分ほどで藤内小屋(とうないごや)に到着しました。さすがにここもにぎわっていますね!

 藤内小屋で少し休憩して再び歩き始めます。沢沿いの道を峠に向かって登っていきます。一帯は土石流がたびたび発生しているのか,樹高の低い若い木しか生えておらず,見晴らしがよくなりました。

 奇岩が多いことで知られる御在所だけですが,これは「兎の耳」という名前がついていました。みなさんはウサギの耳に見えますか?

 このルートも変化に富んでいて,沢を飛び石で渡ったり・・・

 鎖を伝って登ったり・・・

 登山道の途中には藤内壁(とうないへき)への案内看板がありました。「ロッククライマー以外は危険ですので立ち入らないでください」と書いてあったのですが,見上げるとこんな感じです。私にはとても登れそうにない大岩壁ですが,よく見ると登っている人がいます! すごいですね~。

 標高を上げると紅葉が見頃になってきました。この日は曇り空だったのでコントラストがやや低めですが,晴れて光が射したら目を見張るような光景になりそうです。

 沢を登り詰めて国見峠というところまで来ました。ここから見た山の景色は不思議な感じです。山腹が岩だらけなのに,岩の間から生えた木が紅葉しています!

 ロープウエイの山上駅に到着し,スキー場だったなだらかな斜面をいったん下ってから再び登って御在所岳の山頂に向かいます。中には斜面を駆け下る学生さんも! ここまで3時間以上歩いてきたのに,体力はまだまだ余裕なのでしょう。元気ですね!

 山頂に到着しました! 望湖台というところまで行ってみましたが,残念ながら雲が多くて琵琶湖を望むことができませんでした。山頂付近は風が強く寒く感じたので,風が少しでも避けられそうな場所でこの後みんなで昼食をとりました。

 下りは歩かずにロープウエイに乗って下山します。写真は山上駅の乗り場近くから斜面を見たものですが,ちょうどこのあたりが紅葉の見頃になっていますね。

 ロープウエイのゴンドラの中からガラス越しに撮った斜面です。ガラスの反射が写り込んでしまっていますが,木々が色とりどり紅葉しているのがお分かりかと思います。

 今回参加したのは,山に登るのが初めてという学生さんと,昨年の御在所岳ハイキングに参加して今年も参加した学生さんでした。中には途中でしんどくなってしまった学生さんもいましたが,何とか持ちこたえて全員揃っての登頂となりました。山登りを通じて自然の美しさや興味深さ,面白さを知る機会だけでなく,「やればできる!」という自信が学生さんについたらいいな,と思っています。 

2025年10月28日火曜日

金城祭で「里山工作教室」を開催しました

 みなさまこんにちは,よしだです。

 10/25(土曜日)の大学祭「金城祭」で,KSCは「里山工作教室」を開催しました。教室を借りて松ぼっくりツリーやぶんぶんゴマづくりなどをするというものです。今回はその準備の様子から簡単に振り返ってみます。

 今回の会場はE1棟の2階でした。大きな教室なので,部屋の1/4くらいで十分な広さを確保できました。準備に集まったのは学生さん3名と私の計4名。まずは机といすを移動させます。


 続いて教室の床を汚さないよう,ブルーシートを敷きます。部屋の1/4でもこれだけの広さになりました!

 机といすを並べて,机の上に新聞紙を敷き,道具を準備します。手前から松ぼっくりツリー,ぶんぶんゴマ,蜜ろうキャンドルの順番としました。

 松ぼっくりツリー用に,松ぼっくりに色を付けます。スプレーで色付けするので,風通しの良い外に出て,新聞紙を敷いて色を付けました。今回は緑・金・銀の3色を用意しました。

 25日(土曜日)の本番です。この日の朝集まったのは,なんと学生さん1名と私の2名だけ! 親子を中心に次々と来場されましたが,正直手が回りません! これではお昼をとることもできそうにないので,お昼に一旦閉めて午後は13:30再開としました。
 午後はKSCを引退した学生さん2名が様子を見に来て,終了までお手伝いをしてくれました。これでようやく手が回るようになり,私も写真を撮る余裕もできました。

 今回幼稚園から小学生くらいのお子さんを中心にたくさんの子供さんが来て下さり,みんな楽しそうに工作をしていました。スタッフ不足でちょっと大変でしたが,開催してよかったと思っています。


2025年10月23日木曜日

大学にシカが現れる!

 みなさまこんにちは,よしだです。

 表題の通り,大学にニホンジカが現れました! 最初に薬学部の先生が目撃して私に電話をくださり(ありがとうございました!),学生さんとともに現場に行き,その先生に目撃した時の状況をお聞きしました。角があり,お尻が白いとのことで,オスのシカのようです。ただその時は見失っていました。

  シカが向かった方向に沿うように進んでしばらく待つと,森の中をゆっくりと歩く姿が見えました。木の向こうにいるのでピントがうまく合わずくっきりと撮ることはできませんでしたが,シカであることはお分かりいただけるかと思います。

(この写真は明るさを調整しています)

 大きくはないものの確かに角が生えています。普通に見るシカに比べて色が黒いように見えますが,冬毛だからでしょうか。こちらを警戒しているようですが,かといって逃げるわけでもなく,ゆっくり歩く+止まるを繰り返していました。その後学生さんが撮った写真がこちらです。お尻の白い毛が目立ちますね。

 この後残念ながら見失ってしまいましたが,少し遠いあたりから鳴き声が聞こえたので,大学の外に出たのでしょうか。

 大学でシカが目撃されたのは,私がこの大学に来た2010年以降では初めてではないかと思います。それにしてもこんな明るい時間帯に,人通りも車通りも多い中でどうやって大学まで来たのでしょうか。とても不思議です。