2018年6月3日日曜日

八竜湿地の流量測定装置を更新

 みなさまこんにちは,よしだです。

 私は信州大学農学部の福山先生と共同で,八竜湿地で流量観測をしています。これまでお手製の木製三角堰を設置して測定をしてきましたが,2代目の三角堰も設置して3年近くなり,老朽化が目立ってきました。そこで3代目に更新を検討していたのですが,この観測はこれからもずっと続けることから,耐久性に優れるステンレス製の三角堰を導入することにしました。
 
 福山先生と概要設計を行い,このような実験装置の製作で実績のある岐阜市の鉄工所に製作を依頼し,納入されたのが3月。しかし私が忙しかったり,人手が足りなかったりで,八竜湿地に運んだのは4月中旬のこと。研究室の4年生の学生さんとともに,階段部分は手で,水平部分は一輪車に乗せて運びました。縦1 m,横1 m,高さ50 cmもの大きさもあるステンレスの装置ですから,運ぶのも一苦労でした。
 
 八竜湿地に装置を運んでさらに1ヶ月半もの時間が過ぎてようやく装置の設置作業です。今回も研究室の4年生が活躍してくれました。まずは作業に必要な道具や資材を現場に運び込みます。下の2人の学生さんが森の中を運んでいるのは… 
ちらっと見えますが
重さ 18 kg の砂袋です!すごい! 

 現地に着きました。いよいよ作業開始です! 
3年近くおつかれさまでした!
左上に新しい装置が見えます。
 
 まずは撤去作業ですが,三角堰など地中に埋めた板を掘りだしていきます。実はこれ,初代は小さな板で,ザリガニによく横穴を開けられてしまったので,この2代目は大きめにして深く埋め込んだのです。さらにはその脇にも何枚も板を埋めたので,これらを掘り出すのがとても大変でした。
道具をうまく使って1枚掘り出せました!

 苦労して板を撤去し,次に新しい装置を設置するための整地を行います。水底は粘土質で柔らかく,上流から常に水が流れている状態で,これまた思ったよりも大変でした(汗)。 

 おおよそ整地ができたところで装置を置いてみます。水漏れがないように,そして水平になるように調整していきます。 
 
 装置の脇では,持ち込んだ砂で土のうを作っています。この土のうで装置を固定していきました。

 最後に新しい装置で手動で流量測定しました。5月30日,31日の雨の影響が残って,10秒間に 20 L 近くも流出していました。 
 
 最後に落ち葉よけのネットをかけて完了。これで安定した測定ができますね!
 
 この日の作業はおよそ3時間。長靴を履いてどろどろになりながらの作業でした。

 それにしても,これらの写真をご覧になっていかがでしょうか。 学生さんたちの働きぶりがなかなか素敵だと思いませんか。彼女たちの研究テーマは動物の調査だったり,希少植物の生育実験だったりで,この流量観測は関係ないにもかかわらず,です。装置の完成もうれしいですが,それ以上にみんなが協力してくれたことがうれしかったです!
 

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