2020年11月2日月曜日

上高地散策

 みなさまこんにちは,よしだです。

 名古屋も少しずつ紅葉が始まってきましたが,きれいな紅葉を求めて,私は10/30(金)にお休みをいただき,山岳観光地として有名な信州の上高地に行ってきました。

 始発のバスで上高地に足を踏み入れたのは午前6:30頃。見上げると,山々にちょうど朝日が当たり始めていました。上高地に多く生育するカラマツが紅葉の見ごろを迎えていました。この日は氷点下2度まで冷えたそうで,霜が降りて木々が白く縁どられています。冬の訪れを感じさせる美しい景色が広がっていました。

寒さを忘れる美しい景色です

 今年は各地でクマが出没し,スーパーに立てこもったり,けが人が出るなど,被害のニュースを頻繁に耳にします。この上高地でも今年,人的被害が発生したほか,多数の目撃情報があり,注意が呼びかけられていました。
 
 クマに注意しながら歩き進めていきます。カラマツは日本ではとても珍しい落葉針葉樹で,漢字で書くと落葉松。春の芽吹きの緑も,紅葉のオレンジもあざやかな植物ですね。そして落ちた葉から発せられる香りが何ともさわやかで,私はこの香りが大好きです。

 上高地を流れる梓川にはカワガラスがいました。川に棲む虫や昆虫の幼虫を,川底の石をひっくり返したりして探して食べる鳥です。潜水も,得意で空中から飛び込む様子もよく見られます。
こんなに冷たい川にもぐるなんて!と
人間の感覚ではつい思ってしまいます
 
 こちらはマユミの実をついばむコゲラです。コゲラは金城の森にも生息するキツツキですが,もともとは山に棲む鳥です。キツツキらしく細い枝でも実に器用に動き回り,マユミの実を上手に食べていました。

 植物の枯れた茎から白いものが出ているのを見つけました。その形は松本名物の飴菓子のように見えたのですが,これが何物なのか,さっぱりわかりませんでした。
 帰ってから調べてみたところ,「シモバシラ」という植物だそうです。地上部は枯れていても根は生きているので,枯れた茎にも水が送られ,それが外気で冷やされて氷の結晶となったものとのこと。面白いものを見ることができました。
 
 今回上高地バスターミナルから横尾という地点まで散策しました。このあたりまで行くとそびえる山の表情が変わって偉容がすばらしく,ほれぼれするほどです。
なんてかっこいいんでしょう!

 横尾までというと,往復で約21 kmの散策となります。お散歩というにはちょっと長め(笑)ですが,景色がよく,寒さでちょうどいい感じに体が冷やされるので,気持ちよくどこまでも歩けました。
気持ちのよい散策です
 
 ところが!
 
 徳沢から明神に戻る途中のことです。時間は11:15頃。左の山の斜面から何かが遊歩道に近づいてきました。なんとツキノワグマです! これにはびっくりしました。すぐに後ずさりして十分に距離を取り,クマの動きを注視しました。まだ子グマでしょうか。私や他の観光客の姿はまったく目に入っていない様子で,まっすぐのんびり川原に向って歩き去っていきました。
リアルクマさんの出現です!
\(◎o◎)/ ひょえ~!

 実は私,野生のクマと遭遇したのはこれが2回目。1回目は私が大学院生の時で,南アルプスの「塩見新道」というかなりマイナーなルートを登っていたとき,子グマが木の上で遊んでいるのを目撃しました。今回も子グマで,近くに母グマがいる可能性があるため,クマが去った後も周りを警戒しながら現場を立ち去りました。
 
 明神まで戻ると,平日にもかかわらず観光客でにぎわっていました。ここからは梓川の右岸を歩き,岳沢湿原を見つつ河童橋まで戻りました。
清らかな水です

 今回ツキノワグマには驚きましたが,もともと野生の世界に私たち人間が立ち入っていることを改めて実感しました。とはいえ,この日は終日晴れて,最後まで自然を満喫する気持ちのよい散策ができました。
 

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