9月24日(日曜日)~25日(月曜日)にかけて行われた「2017年度 大学間里山交流会」に参加してきました。場所は兵庫県三田市の関西学院千刈キャンプ。現地に行くまでは遠いイメージだったのですが,名古屋からだと新幹線で新大阪まで行き,そこから在来線に乗り換えて一本で三田市まで行くことができるので,思ったほど遠くない距離です。今回金城からは,小野先生と私の2人が参加しました。
三田駅からはバスで20分ほど。バス停を降りるとすぐに施設の入口があり,森の中の小道を進んでいきます。
中央にあるのが,会場となるセンター棟です。この日は子供向けのイベントが行われていたようで,とても賑やかでした。
講演会場です。中央奥におられるのが,今回の世話人である関西学院大学の佐山先生。まだ始まる前なので人があまりいませんが,ここで各大学の取組みの発表が行われました。
日がかげる頃まで講演が続き,食堂で夕食をいただき,さらに「里山人材育成における大学の役割」というテーマで討論会となりました。一旦お風呂に入ったあとは,再び食堂で「交流会」が行われました。これらは写真を撮っていなかったのですが,ひとくちに里山と言ってもさまざまな切り口があるだけに,研究もさまざまでおもしろいですね。逆に言うと,自分が見ているものが「里山のすべて」ではない,ということにもなります。
ちなみにここは野外活動施設ですが,里山交流会の参加者にはキャビンという名の離れを宿泊用に割り当てていただき,快適に過ごすことができました。
和室の一軒家です。
これがなんと10棟もあるのです!
25日も天気に恵まれ,森に射す朝日がきれいでした。
この日は千刈キャンプの観察会で,森林の植生や管理などについて教えていただきました。下の写真は「ナラ枯れ」を起こしたコナラの様子を観察しているところです。名古屋ではナラ枯れがひどかったのは2011年頃で,すでに収束していますが,このあたりではまさに病気が大流行している最中なのだそうです。
ナラ枯れを起こして枯れた木は伐倒して,キャンプで使う薪にしているのだそうですが, 枯れる木が多すぎてとても追いつかないとのこと。それくらいどんどん枯死がすすんでいるのです。
さて,森の中ではガマズミがきれいな赤い実をつけていたりと秋らしい感じがあちこちに見られましたが,ちょうど手の届くところにあったのがこのアケビ。食べごろなのに誰も(人間も鳥も)手を付けていません。ならばちょっと味見を,ということでみんなで少しずついただきました。
この千刈キャンプは60年以上前に開設された施設だそうで,その当時に建てられた施設もまだ現役です。中は木床の大広間になっていて,味のある建物ですね。
千刈キャンプを出て少し歩いたところ移動しました。ここはかつて,関西学院の農村教育実習場という場所だったとのことですが,今はその役割を終えて,活用を模索しているところだそうです。
その片隅で,佐山先生が「里山実習」という講義で取り組んでおられるのが,クヌギ林の再生実験。筒のようなものの中にクヌギの苗が育っています。筒が付けられていたり,周りに柵がしてあったりするのは,シカの食害を防ぐためだそうで,このあたりもシカの進出が見られるそうです。
実験地の周囲で小さな可憐な花が咲いていました。薬学部の生薬の勉強でド定番?のゲンノショウコです。高山植物でド定番の「ハクサンフウロ」と同じフウロソウ科なので,花のつくりはとてもよく似ていますが,ゲンノショウコの花はハクサンフウロよりもずっと小ぶりです。
こんな虫がいましたよ~と見せていただいたのはカメムシ! カメムシといえば悪臭で有名ですが,このカメムシは「青リンゴ」のにおいを出すのです。みんなでにおいをかいで「本当だ~!」と感激! おもしろいですね。
いろいろな専門分野の先生や学生さんが一緒なので,観察もそれぞれの視点から「気づき」を与えてくださり,とても楽しいひと時でした。再びセンター棟に戻って記念写真を撮り,解散となりました。
次回の里山交流会は山梨になるのでは?というお話でした。私は今回,多忙により発表準備ができず講演を聞くだけでしたが,次回は発表できるようがんばります!
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