2019年9月19日木曜日

北アルプス 雪倉岳と朝日岳

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 大学ではきのう(18日)から後期が始まり,しばらく静かだった学内もにぎやかになりました。
 そしてようやく猛暑が終わったようですね。昼間はまだ30度に達する夏の陽気ですが,朝晩は名古屋も過ごしやすくなりました。ネットニュースを見ると,北海道の山岳では早くも積雪があったとのこと。日本国内では夏と秋と冬が同時進行で進んでいるようです。
 
 さて1ヶ月ほど前のこと,私は他の大学の先生などと一緒に北アルプスの雪倉岳(ゆきくらだけ)・朝日岳に登ってきました。北アルプスは有名な山がたくさんあり,どこも多くの登山者でにぎわうのですが,雪倉岳・朝日岳は北アルプスの北端と言ってもいいくらいの場所に位置し,マイナーで静かな山登りが楽しめます。そして何より高山植物のお花畑がすばらしいとのこと。私にとっても一度は登ってみたい山の一つでした。

 で,結論から言うと,うわさ以上にお花畑がすばらしい! 数の多さ,構成する花の豊かさも,これまで私が登った山の中で飛びぬけていると言っていいでしょう。

斜面一面お花畑になっています
 
こちらはハクサンコザクラの大群落!
 
 あまりにすばらしすぎて,写真をいっぱい撮って,予定がどんどん遅れてしまうほどでした(笑)。
 下の写真は「高山植物の女王」コマクサで,お花畑ではなく,石くずだらけの斜面にたくさん生育していました。私が初めて日本アルプスに登ったのは,この花を見に行くためだったので,今でも一番好きな花の一つです。
かわいい形の花です
 
 下の花,なんだかネギみたい・・・と思った人は鋭い! そう,ネギの仲間なのですが,高山環境に適応したシロウマアサツキです。シロウマは,北アルプス白馬岳(しろうまだけ)から。
紫色のネギ坊主です
 
 お花畑だけでなく,湿地もいくつもありました。そして必ずと言っていいほど,モウセンゴケが生育していました。東海地方に生育するトウカイコモウセンゴケと近縁ですが,モウセンゴケは低地から高山までさまざまな環境に適応しているようです。
虫を捕らえる葉が立ち上がっています
 
 最後にご覧いただくのは植物ではなくライチョウ! 手前と奥に2羽いますが,もう1羽いました。若い個体のようで,もしかしたら今年生まれたばかりのきょうだいなのかもしれません。 
ライチョウを見ると幸せになれる気がします!

 わずか1か月前ですが,登山道の周りに雪が残っているところもあって,雪が融けたところから春が始まっていました。そう,この時は春と夏が同時進行だったのですね。気候の多様性,環境の多様性が生物の多様性を生み出していることを実感できた,とても楽しい山登りでした。
 

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