2013年1月22日火曜日

キリの実

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日大高緑地内の湿地に行ってきたことを前回のブログで紹介しましたが,今日はその時拾ってきたキリ(桐)の実の話をしましょう。これです↓
 長さ5 cm くらいのかたい殻に覆われていますが,2つに割れかけています。右の実も90度回転させるとやっぱり割れ目があります。しかしこの割れ目,真っ二つに割れることはありません。木の上でも地上に落ちても,「少し開いた」状態のままです。

 では中はどうなっているのかというと…
割ってみました。殻の断面は少し細長いクルミの実,といった感じでしょうか。でも何かほこりのような(?)ものがたくさん入っていますね。取り出してみると…
この小さなもの,実はこれが種子なのです。キリは風で種子を散布させます。なので一つ一つの種子はとても小さくて軽くできています。その種子を殻の中に置いておくのですが,殻が「少し開いた」というのがミソ。つまり「少し開いた」状態だからこそ少しずつ風に乗せて種をまくことができますし,また,風が強いときは中に風が入って散布されやすくなる,という仕掛けなのです。

 キリは遠い昔中国から持ち込まれた樹木と考えられています。日本ではかつて,女の子が生まれると庭にキリを植え,嫁ぐ頃には充分に大きくなったキリで,たんすを作って持たせる風習がありました。つまり20年くらいすればたんすができるほど大きくなるのがキリの特徴です。そんな成長の早い樹木も,種はこんなに小さいのですね。ちょっと不思議な感じがします。
 

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