9月3日のブログで,無人ヘリコプターを紹介してくださった窪田先生が,渡りをする蝶 "アサギマダラ" の研究をされていることを書きました。
無人ヘリコプター
http://kinjosatoyama.blogspot.jp/2014/09/blog-post.html
そのアサギマダラは,ちょうどこの時期に,沖縄や台湾方面に向かって渡りを始めているのだそうです。私もたまたま渡りをしているところを目撃しましたので,今回はそれについて書きましょう。ピントが甘く不鮮明な写真ですが,ふわふわとチョウが飛んでいるのがわかると思います。
写真には1匹しか写っていませんが,この時3~4匹同時に飛んでいました。
ここは北アルプス北部,白馬岳 (しろうまだけ, 標高2932 m) と,その南にある杓子岳 (しゃくしだけ, 2812 m) を結ぶ稜線。霧が出てはっきりしませんが,こんな感じの場所です。
高い山の上の世界です
(後ろの山が杓子岳です)
白馬岳・杓子岳の間の一番低い場所とはいえ,それでも標高はおよそ2600 m。一帯は高い木が生えることのできない高山帯と呼ばれるところ。例年9月中旬には氷が張り,9月の終わりには雪が舞う厳しい環境です。
アサギマダラは,ふもとからわざわざここまで上がってきたのでしょう。他にも,ここよりもう少し北東の栂池高原 (つがいけこうげん, 1560 m) や,もう少し南にある岩稜帯の難所 「不帰ノ嶮 (かえらずのけん)」 の一峰 (2517 m) 付近でもアサギマダラを目撃しました。
小野先生によれば,アサギマダラはいったん太平洋岸に移動し,海岸沿いを南下して集結し,それから海を渡って南へ向かうのだそう。チョウが海を越える,ということだけでもすごいのに,実はその前にアルプスをも越えているのです。小さなチョウに大きな力を見た思いがしました。
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