みなさまこんにちは,よしだです。
実りの秋を迎えていますが,学内では昨年不作だったソヨゴがたくさんの実をつけ,逆に昨年豊作だったシャシャンボはほとんど実をつけていません。
多くの樹木で,実や種の豊作と不作を繰り返す現象が見られます。専門用語では「隔年結果」といいます。農業では,ある年は豊作で価格が暴落し,その翌年は不作で収入なしとなってしまうため,毎年花を摘む作業(摘花)を行ってこの現象を防いでいます。豊作の年にある程度花を摘んでしまうと,植物は子孫(種子)を一定量作ろうとして,本来不作のはずの年も花をつけるのです。
隔年結果は,動物にすべての種子を食べられていまわないようにするための作戦だと考えられています。毎年一定の実をつければ,それに見合う数の動物が生息できますが,豊作と不作が繰り返すと,動物の生息数は不作に合わせざるを得ません。動物の数を抑制しておいて豊作となれば,食べきれず種が生き残りやすいですし,知能の高い動物なら後で食べようと持っていくことになります。これが種を広く散布することにもなり,植物にとって大きなメリットです。
下の写真は私の朝ごはんの風景(笑)。スプーンに載っているのは昨年金城で豊作だったシャシャンボから作ったジャムです。大きめのビン一本分ありましたが,今週ちょうど食べきりました。加熱したのでシャシャンボの思い通りにはならなかったかもしれませんが,家に持って帰って料理をするのも,実は植物の「思惑」にまんまとはまっている,といえるかもしれませんね。
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