みなさまこんにちは,よしだです。
学生プロジェクト科目「里山学」の大野瀬合宿についてお伝えしていますが,今回は2日目のようすです。内容がもりだくさんなので,ちょっと長くなってしまいますがご容赦をお願いします。
この日は朝6時頃強い雨が降ってきました。幸い短い時間だったので予定通り行程を進めていくことにしました。
朝食を終えてまず向かったのが,大野瀬の名所「子持ち桂」です。スギやヒノキが茂る森の中,沢を横目で見ながら山道を登っていきます。
道沿いで見つけたのが,葉の上に実をつける風変わりな植物。あとで調べて分かったのですが,「ハナイカダ」ですね。いまは未熟な実の状態なので地味ですが,花が咲いているときや,実が熟しているときはかなり目立ちそうです。
15分くらい歩いたでしょうか。右の大きな木が「子持ち桂」です。昨日の「月瀬の大杉」とは違って,もともとあったカツラの木の脇から新芽がたくさん出て,それが普通は数本くらいに減ってしまうのが,多く生き残ってこのような姿になったようです。
地元では,子だくさんの象徴としてまつられ,子供を授かりたい人がここを訪れるそうですが,地元の人がボランティアで歩道の整備をされたので,多くの人に来てほしいとのことでした。
子持ち桂からの帰り道に見たのはベルのようなかわいらしい花。私が山登りで見たことがあるハクサンシャジン(タカネツリガネニンジン)によく似ているので,たぶんツリガネニンジンだと思います。
続いて大野瀬神社のすぐ近くの畑に移動しました。もともと水田だった場所だそうですが,今年は休耕中で,そこをお借りしてソバの種まき体験です。と言ってもただ種を蒔くだけでなく,地元の方の気の利いた計らいで,白い花が咲く普通のソバと,赤い花が咲く「高嶺ルビー」という品種の種を用意してくださり,この2色で畑に絵を描こう!という楽しい企画になりました。
学生さんは相談のうえ,ハートの絵を描くことになりました。上の道路から,下の畑にいる人に指図をして,ハートの形を調整しているところです。
形が決まったら種を蒔いていきます。ハートの輪郭は二重線にして,白と赤の種をそれぞれの線に多めに蒔いていきます。ハートの内側は赤の種を少しまばらに,ハートの外側は白の種を少しまばらに蒔き,白い中に輪郭がくっきりとした赤いハートが浮き上がるようにしました。果たしてうまくいくでしょうか???
お昼のお弁当をいただいてからは,別の畑に移動しました。地元の名産にしようと始めたサトイモ畑です。今回はここで草取りを体験します。ここでは除草剤などの農薬に頼らず生産をしているそうで,そのお手伝いをします。
学生さんだけでなく,地元の方も,私たち教員ももちろん参加! 朝降った雨が葉の上にたまっているので,時々それを浴びながら(苦笑)30分ほどかけて草取りをしました。たった30分ですが,人海戦術はなかなか効果的で,こんなに草が取れました!
草刈りのあとは斜面の上の方まで行き,集落を見渡しました。田んぼを中心に茶やシソなどが植えられ,奥には山に木が茂り,「里山」の本来あるべき景観がよくわかりますね。
農業体験はここまでで,ここからまた車で移動して滝を見に行きました。大野瀬地区の中の梨野集落にある「梨野不動滝」です。以前は知る人ぞ知る存在だったようですが,ここもまた地元の方がボランティアで道を整備し,このような看板も設置されました。ここでも地元の人たちの熱意が感じられます。
長い階段をどんどん降りていくとそこに滝がありました。大きな岩盤をすべるように水が流れています。暑い夏の日にはとても気持ちがいい場所ですね。
で,またまた移動して,ここからはお楽しみ?の川遊び。川の対岸まで渡り,岩の上から川に飛び込みです。案内してくださった地元の方が,右上の岩から飛び込んで模範演技?です。
でもさすがに飛び込むには高すぎるので,学生さんたちはこの岩の中段から飛び込みました。私も実際飛び込んでみたのですが,この高さでも下を見ると意外と高度感があり,ドキドキしました(笑)。
この二人の学生さん,打ち上げられた人ではありません(笑)。ピースサインをしているからわかるように元気です。昼間の日差しで程よく温められた石に寝そべって体を温めているのです。
手前の岸に戻って今度はスイカ割り。目隠しをして3回転してからスイカに近づいていきます。周りの指示で位置を調整しても,位置がずれたり,うまく割れなかったり。私もやりましたが,失敗もまた楽しいですね(私は失敗でした)。
で,割ったスイカをいただきます。地元のスイカですが,これが甘いこと! ごちそうさまでした!
さて,夜になって夕食です。ここでもちょっと里山のことを考えてほしくて,メインメニューはシシ鍋! 獣害も中山間地の大きな課題ですが,ただ駆除して処分というのも,命を粗末に扱うようでどうかと思います。このようにおいしくいただくことが,課題の解決の糸口になるように感じました。
私はこの翌日別の出張が入っていたため,残念ながらここで先に帰らせていただきましたが,私自身も,地に足の着いた「里山」を知る機会になりました。学生さんにとっても多くの学びの機会になったのではないかと思います。
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