2013年2月3日日曜日

八竜湿地で水量調査がはじまります

 みなさまこんにちは,よしだです。

 暖かな一日となった今日,八竜湿地で水量調査が始まりました。これまで湿地の水質を私が継続的に調査をしてきたのですが,水の質はもちろん,そもそも水があってこその湿地です。でも,湿地にいつも水がどれくらい流れ込んでいるのか,実はだれも調べていませんでした。水量を定期的に測ることは,単に水の量が分かるだけではありません。水量と季節との関係は? 降雨量との関係は? あるいは周辺林の伐採作業との関係は?といったことも明らかにできることでしょう。

 水量を測るためにはそれなりの装置とノウハウが必要です。今回,それを持っている信州大学農学部の福山先生に協力をお願いしました。実は福山先生と私は,博士課程時代に同じ研究室で研究に明け暮れたほぼ同期生です。気心知れた研究仲間でもあり,快く調査を引き受けてくださいました。

 福山先生が今回用意してくださった流量調査の装置がこれです。このコンテナを流路に設置して画面右から水を流入させ,左に開けた三角形の穴から流出させるというもの。市販品を加工して組み立てた物ですが,さまざまな工夫が施された手作りの一品(逸品?)です。

 装置を設置するため,流路を掘り下げるなど,私と2人で泥まみれ(!)の作業をしました。
 しかし,いざ設置してみると,これでは八竜湿地の流量に対応するには少し容量が小さいこと,また,流路がほぼ平坦で流入と流出の高低差が付けづらいことが判明し,作業が一時中断してしまいました。
 しばらく考えた結果この装置をあきらめ,小さなダムのような堰(せき)を作って測定することにし,急きょ車でホームセンターに行って必要な機材を調達しました。現場で加工や調整をして,完成したのがこちら!
 実にシンプルですが,木の板で流れをせき止めて高低差を作り,せき止めた水位から流量を求める仕掛けになっています。中央右手に立っているステンレスの棒が水位計で,自動で水位を測定して記録してくれる優れものです。

 水位計の調整や水位と水量との関係を実際に測ってみたりして設置作業が終わり,測定がはじまりました。この頃にはもう日が暮れようとしていました。
 これから長期にわたって測定を行う予定ですが,どんな結果が得られるか今からとても楽しみです!
 

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