2014年1月16日木曜日

里山に育つスギ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 寒い日が続きますね。植物にとって冬場は,寒さよりも乾燥対策が何よりも重要で,樹木は水分が逃げないよう葉を落としたり(落葉樹),葉をつけたまま(常緑樹)でも気孔を閉じたりして春を待つのです。

 日本の樹木の中で葉の広い広葉樹には,落葉樹と常緑樹がそれぞれたくさんあります。ところが,葉の細い針葉樹は常緑樹がほとんど。日本の在来種ではカラマツ(落葉松)が唯一の例外です。

 金城の自然林にはそもそも針葉樹は数えるほどの種しか生育していないのですが,その中の一つにスギがあります。しかしこれは,おそらく植林されたものだと思われます。自然林内の 2 - 3 ヶ所にそれぞれ数本まとまって生育しており,分布としてやや不自然だからです。

 また,八竜湿地周辺の緑地にもスギが生育していますが,こちらはかつて神社の参道だった歴史があったようで,こちらは社寺林として植林されたものと思われます。
 スギはヒノキとともに,古来より柱などの建築用の木材としての需要があります。それはひとえに,まっすぐ成長する性質によるのです。クリスマスツリーでおなじみのモミの木も一見まっすぐ成長しているように見えますが,実際の幹はらせん状になっているため,柱にするには向かないのです。

 今は花粉症の原因ということであまり好まれないスギですが,他の樹木とは樹形が大きく異なるため,大きく成長したスギは森の中でも存在感があります
 

0 件のコメント:

コメントを投稿