台風11号が接近してきました。このブログを書いている7月17日(金)午前9時の時点で,中国山地を縦断しているようです。その影響から名古屋でも雨風が強い状態が続いています。
さて,八竜湿地に設置している流量測定装置は,雨と湿地の流量の関係を把握する上でも重要なのですが,すでに設置から2年半が経過し,老朽化が目立つようになってきました。特に木の板で作った三角堰(さんかくぜき)は,毎日水に触れているのでどうしても腐食が避けられません。
上流から流れてくる石や枝が
当たったりもします
また,夏になると何度も対応に追われるザリガニ穴も,根本的な対策が必要になってきました。
何せこんな大きな穴ですからね・・・(泣)
それに今回の台風11号の接近もあって,早急に装置を作り直すことにしました。しかし,共同研究をしている信州大学の福山先生もお忙しく,名古屋まで来られるのが難しい状況とのこと。
なので福山先生のアドバイスをいただきながら新しい装置の概要の決定,作業計画づくり,資材の調達・加工・搬入と準備を進めました。
今回もまた木の板で三角堰をつくることにしましたが,ザリガニが下から侵入しないようサイズを大きくしています。水が流れる三角形の切り欠き部分も,これまでの流量のデータを考慮して面積を約1.6倍に拡大しました。実験室でのこぎりを使ってこの切欠きを作ったのですが,ちょっと騒音でしたね・・・(すみません)。
新しい三角堰です
これらの資材の搬入は13日(月曜日)に行いました。大学から新池までの階段の遊歩道は手で,新池から湿地までは一輪車での搬入です。砂18~20kg入り5袋,板3枚,鉄筋そして一輪車を何往復もして新池まで下すだけで汗が噴き出してきました。この日も猛暑だったので大変です(大汗)。
翌14日(火曜日),暑くならないうちにと朝9時から作業を開始しました。まずは作業がしやすいよう,上流からの水をせき止め,あらかじめ作っておいた迂回路から水を流すようにしました。 そして2年半がんばってくれた堰板を外しました(おつかれさまでした)。
堰板を外した状態です
右の半円形の迂回路から水を流しています
堰板周辺にあったブロックや土のうなど,いったん全部撤去し,新しい堰板の位置決めをします。ザリガニが開けた大穴を避けるため,従来に比べて50cmほど上流側に設置をすることにしました。
ハンマーで少しずつ左右均等に打ち込んで堰板を埋めていきます。
さらにザリガニの侵入をより広く阻止するために2枚の板を堰板の左右に打ち込み,これらを土のうでしっかり固定し,最後に水位計を設置して作業は完了しました。
下流側から見た装置
上流側から見た装置
ここまでかかった時間はちょうど2時間半。全部一人だけでやった割には順調だったと思います。装置は森の中にあり,水の流れもあって涼しかったのもよかったです。
今回の台風11号に伴う増水は,新しい流量測定装置にとって初めての試練(???)となりますが,この風雨の中,きちんと測定ができていることを願っています。
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