「新湿地」は,小野先生,名工大の増田先生,私の共同で研究を行っている学内の湿地再生実験の場所ですが,先日私は定期的な水質調査のため,サンプリングを行いました。
充分な水と光があって
湿地らしい雰囲気です
もちろん水を採取しておしまい,ではなく,そこにいる生きものの観察をしたり,何か異変がないか見て回るのですが,この時,水面から何やら視線を感じました。
!!!
水面から顔を出していたのは,体長 10 cm もない小さなカメ。
かわいらしいカメがいて「!」なら平和でいいのですが,ここでの「!」は,困惑の感情を伴ったものでした。
「おいおい,アカミミかよ!」
アカミミ = ミシシッピアカミミガメ。よくお祭りの屋台でミドリガメの名で売っているカメです。しかしこれは,特定外来生物への指定が検討されている,かなり困った外来種。
ミシシッピアカミミガメが移入されることによって,在来のカメとの競争が起きて在来カメを駆逐したり,個体数が増えて水生生物を食べ尽くしたりといったことが起きています。今回のタイトルにある「侵略者」という表現も伊達ではありません。ちなみに英語で外来種は
Alien species
といいます。エイリアンですよ!(◎o◎)
エイリアンというと,いかにも悪者!って感じですが,本当の悪者は身勝手な人間です。
森林だったこの場所に,水生生物のミシシッピアカミミガメがもともといたとは考えられないため,湿地になって以降,おそらく誰かが放したのでしょう。そう,なぜ困るかって,
人間がむやみに放つから
なんですよ。
このミシシッピアカミミガメを放っておくわけにいかないので捕獲し,小野先生と相談して処分しましたが,このカメ自体が悪いわけではないので,やや複雑な心境です。
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