2013年6月10日月曜日

八竜湿地でボーリング調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 7日のホタル観賞会は多くの方から反響をいただきました。私自身も自然の神秘を感じた鑑賞会でしたが,その日のお昼は小野先生をはじめとする「八竜湿地研究会」で,八竜湿地に堆積した土砂を採取するためのボーリングが行われました。得られた土砂から,八竜湿地が過去どのような環境にあったのかを,様々な指標を使って明らかにしようとしているのです。

 まずはボーリングの位置決めです。土砂がなるべく厚く堆積していそうなところがよいのですが,希少生物が生育/生息していない場所でなければいけません。それで,「水源の森と八竜湿地を守る会」代表の柴田さんに立ち会っていただき,その確認をまずします。

 おおよそ場所が決まったら,ここからは地質調査のプロにお任せして,その場所の土砂の堆積の厚さを調べます。最も堆積の厚い地点を探し出すのです。

 場所が決まりました。いよいよボーリング作業です。鉄パイプでできたやぐらを立て,滑車を取り付けます。幸いしばらく晴れの日が続いていたとはいえ,湿地でやぐらや脚立を安定させるのはちょっと難しいようです。 

 土砂のサンプルは中央下の塩ビ管で採取します。これを打ち込んでいくのですが,初めは人力だけでずぶずぶともぐっていきましたが,堅くなったら機械力の導入です! 道路工事などでよく見かける削岩機?のような機械で振動を与え,塩ビ管を打ち込んでいきます。

 最初の一本は失敗でしたが,その後少しずつ場所を変えて3本のボーリングサンプルが得られました。が,ちょうどサンプリングが終わったと同時に遠くで雷鳴が! 大慌てで撤収です! でも雷雲の到来の方が早く,みなずぶ濡れになって片づけをしました(泣)。

 3本のサンプルは雨の当たらない場所に持っていき,1本だけ塩ビ管を半分に切断しました。

 開いてみたのがこちら! 手前が湿地の表面,奥が湿地の底です。言い換えると手前が現在,奥が過去となります。画面中央辺りに少し色の濃い層がありますが,ここは礫層(れきそう)と言って,小石や荒い砂の層になっています。湿地に供給される地下水はこのような隙間の多い層を通ってくる,とよく説明されるのですが,まさにそれを目の当たりにできました。
 今後,分野のことなるさまざまな先生方がこのサンプルを持ち帰って,それぞれが専門とする分析を行います。どんな結果が出るのかとても楽しみです!
 

0 件のコメント:

コメントを投稿