2015年3月23日月曜日

名古屋から見える山 - 【6】乗鞍岳(その2)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 前回に続いて乗鞍岳について。今日は私の思い出話をさせていただこうと思います。

 この山はバスで頂上近くまで行けることで有名ですが,アクセスが比較的容易な高標高点ということで,宇宙関連の施設が古くからあることでも有名です。その一つ,東京大学の宇宙線研究所の施設を私は利用させていただいたことがあります。1998年の夏,ここで何度か寝泊まりして,雨や霧,空気を採取して,いわゆる「酸性雨」の調査をしていたのです。

 この調査,観測機器や採取装置を設置して行うため,一回行ったら少なくとも一週間は現地に泊まり込み,食事は自炊というものでした。雨が降りはじめたら昼間だろうと夜中だろうと(!)採取を始めなければなりません。逆に言うと晴れたら「ヒマ」(笑)。近くを通る大勢の登山客を尻目にベランダでのんびり本を読んだり,山頂近くからバスの終点,畳平へ「下って」お土産を見に行ったり,ご来光を拝みに山頂まで「お散歩」(笑)したり。

 そういえば,私の山登り歴の中で唯一,日の出や日の入りの時に太陽の光が一瞬だけ緑色に光る「グリーンフラッシュ」という現象に出会えたのも,この乗鞍観測の時でした。ご来光の瞬間,くっきりと緑色に光るのを見て私はびっくりしたのですが,頂上にいた他の人たちも「あれっ,いま緑色に光ったよね???」「確かに緑色だったよね???」とざわついていたのを覚えています。

 しかしそれ以降乗鞍岳には登っておらず,別の山から「眺める山」となりましたが,青空の下でのんびりしたことを今もなつかしく思い出します。

 今日の写真は,名古屋とちょうど反対側にあたる,北アルプス蝶ヶ岳から見た乗鞍岳と御嶽山。前回の写真と逆に,左に少し小さく写っているのが御嶽山。噴火して2週間後の写真で,小さいながらも白い噴煙がはっきり見えます。右奥にいくつものピークを備える山体が,今回の主役,乗鞍岳。名古屋から見える乗鞍岳はピーク一つ分だけですが,重量感のある大きな山であることがお分かりかと思います
 

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