2012年5月13日日曜日

東部丘陵研究者の会 (1)

 みなさまんこんにちは、よしだです。

 11日(金曜日)から12日(土曜日)まで、瀬戸市にある東京大学生態水文学研究所において開催された研究集会に行ってきました。これは、研究所の利用者や、愛知県の東部丘陵地域の自然環境の研究者が集まって発表を行い、情報交換をするというものです。

 ところで、なぜ瀬戸市に東京大学の施設があるのでしょうか? それは、明治時代にこの地域は焼き物の生産などで一帯がはげ山となってしまい、土砂崩れが頻繁に発生していたことから、東大に対策を依頼したのが始まりなのだそうです。
 ちなみに金城学院大学のある場所も、大学が設置された約60年前ははげ山でした。いま私たちは、山に木が生えているのが当たり前と思っていますが、歴史の中で見ればそれはごく最近のことなのです。

 今回は研究所の見学についてお伝えします。
 まず最初の写真は、所内にある焼き物を焼くための窯の跡で、室町時代に作られたものです。それくらい瀬戸の焼き物の歴史は古く、それは同時に森林への圧力の歴史でもあったのです。 

 現在でも、一部にははげ山だった時代の名残が見られました。真ん中の白い部分は花崗岩で、植物が定着しにくい地質です。

 しかし、治山工事が進められたこともあって、多くは緑に覆われています。からっとしたすがすがしい天気で、濃淡入り混じった木々の緑がきれいでした。

 ところで、この研究所の中には川をせき止めてプールのような施設もあるのですが、これは上流から流れてくる水の量を測定するもので、測定開始は何と1929年! 80年以上もデータの蓄積があるのは日本でもここだけです。

 最後にご覧いただく写真は、場内にある鳥の巣箱の中の様子を見せてもらったもの。シジュウカラのヒナが身を寄せ合って親鳥が餌を運んでくるのを待っていました。かわいらしいですね。

 次回は研究発表会についてお伝えします。

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