みなさまこんにちは,よしだです。
先日のこと,アジサイの花の青さに関与しているアルミニウムを運搬するタンパク質が発見された,というニュースが出ていました。
植物とアルミニウムの関係をみなさんはご存知ですか? アルミニウムは土壌中に大量に存在する元素ですが,とても安定な状態で存在しているので,植物にとってあまり縁のない存在です。しかし土壌が酸性になると,土の中にアルミニウムが溶け出してしまいます。溶け出したアルミニウムは植物にとって毒で,植物の成長を妨げてしまうのです。
最近あまり「酸性雨」という言葉を聞かなくなりましたが,なぜ酸性雨は植物に悪影響を与えるのでしょうか? 実は酸性化した雨が植物に直接傷害を引き起こすというよりも,酸性化した雨が土壌を酸性化させてアルミニウムの溶出を促進し,植物に毒性を発現させてしまう作用の方が大きいのです。
しかし,植物によっては酸性土壌を好むものもあり,アルミニウムへの耐性を持っていると考えられています。アジサイもその一つで,今回の発見は他の植物のアルミニウム耐性メカニズムの解明にも役に立つことでしょう。
酸性条件と言えば,八竜湿地の湧き水も酸性です。例えば下の写真のトウカイコモウセンゴケも湧き水のある場所に生育していますが,これもアルミニウムの毒性を回避する仕組みを持っているかもしれず,解明が期待されます。
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