きのう (6日) のことになりますが,八竜湿地の地質や珪藻組成で一緒に研究している小野先生,森先生とともに,豊橋市の葦毛湿原 (いもうしつげん) に行ってきました。
葦毛湿原は東海地方の湿地の中ではおそらく最も有名で,テレビなどでもよく取り上げられるところなのですが,3人とも行くのは初めて。愛知県の天然記念物に指定されていることから,愛知県の許可をいただき,湿地を管理する豊橋市文化財センターの方に案内していただいて,調査をしました。
この日は台風が接近し,名古屋では午前10時過ぎまで暴風警報が発令されていたことから,金城では午前・午後ともにすべて休講となってしまいました。調査に行くか行かないかたいへん迷ったのですが,その10時頃には晴れ間も見え始め,豊橋も特に支障ない状況ということで,向かうことになりました。現地はこんな感じで,さわやかな青空が広がっていました。
しかし,台風の大雨の直後であったことから,山から湿地に流れてくる水の量はとんでもなく多く,あちこちが川のようになっていました。文化財センターの方も「こんなことはめったにない」とおっしゃっていました。
まるで沢登り・・・
葦毛湿原は東海三県の湿地の中で最も広く,希少な湿地性植物を保全するためにさまざまな手入れが行われていました。たとえば,山の方から迫ってきた森を伐採して森林を後退させたり・・・
草地と森の間の白く見えるところが
かつて森だったところです
あるいは湿地表面に堆積した土壌を除去して植生の回復を試みたり・・・
このような大規模な保全ができるのは,湿地自体が広いことと,関係者のみなさんが非常に熱心だ,ということの表れだと思われます。
一通り湿地を案内していただき,湿地内の何か所かで,森先生が珪藻分析用に泥のサンプリング,私が水質分析用にその付近の水のサンプリングをしました。
ふと湿地に目を落とすと,まだまだかわいらしい花が咲いていました。
イワショウブです
スイランです
今回はサンプリングで初めて葦毛湿原に行ったのですが,その保全の取り組みの多様さに一番驚かされました。これだけの取り組みを他でも同じように行うことは無理ですが,参考になることはたくさんありそうだと感じました。
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