今年から8月11日が祝日「山の日」になりました。里山も間違いなく「山」ではあるのですが,今回は里山からちょっと離れて高い山について書こうと思います。
今回紹介するのは南アルプス (赤石山脈) です。長野県・静岡県・山梨県が接し,3000m級の山々が連なる大きな山脈で,ここから発する水は天竜川・大井川・富士川といった日本でも屈指の大きな川となります。私は先日登ってきたのですが,天気がいいとこんなにスケールの大きな景色を楽しめます。
! \(◎o◎)/!
すてきっ!
山で出会う自然は,森や高山植物だけではありません。山の地形,沢の流れといった地理学的なものもあれば,雲や星などの気象学・天文学的なものもあります。どれも山ならではの光景を見せてくれるのですが,全部は紹介しきれないので,今回は山で出会った鳥をご覧いただきましょう。
まずはこの黒い鳥,ホシガラスです。カラスの仲間ですが,もちろん人が出したゴミに依存した生活をしているわけではなく,大好物は高山帯に生育するハイマツの実 (松ぼっくり)。ハイマツの種子の散布に大きな役割を演じていると言われています。
岩の向こうにちょこんと顔を出しているのはイワヒバリ。あまり人を恐れないようで,高山帯では近くでよく見る鳥です。群れでいることも多く,なんだか楽しそうに遊んでいるようにも見えます。
かわいいですね~
高山帯といえばこれですね。ライチョウです。近年個体数が減少し,絶滅が心配されている鳥です。特にこの南アルプスではその傾向が顕著で,保全活動も始まっています。写真は今年生まれたばかりの子ライチョウで,お花畑を歩き回ってえさを食べています。この写真にはありませんが,近くで親ライチョウが見守っています。
私の他に10人くらいが写真を撮っていました (笑)
空を見上げると,猛禽類 (ワシ・タカの仲間) がよく飛んでいました。空中で静止して地上の様子をうかがい,獲物を探しています。
ライチョウにとって猛禽類は恐ろしい天敵で,天気が良いときは猛禽類に見つからないよう,ハイマツの中に隠れ,霧や雨の時にハイマツから出てきてえさを取る,という行動が多いようです。
でも上のライチョウの写真,明らかに天気が良いのにお花畑に出てきていますよね。ここは登山道のすぐ脇で,人が頻繁に通る場所。日本ではライチョウは「神の使い」とみなされ,神聖な存在とされてきたので,人は天敵ではありません。そして猛禽類は人がいるところにはやってきません。なので,登山道の近くではライチョウは落ち着いてえさを取ることができるのです。
山の上の自然の営みは何もかもがすばらしいので,もちろん安全・環境に配慮しながら,ぜひともみなさんも山登りにチャレンジしてほしいと思います。きっとずっと心に残る経験ができるでしょう。
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