2016年8月16日火曜日

三重県菰野町・桑名市の湿地でサンプリング

 みなさまこんにちは,よしだです。
 
 2週間ほど前の話になりますが,小野先生,森先生と私で三重県菰野町・桑名市の湿地でサンプリングをしてきました。5月20日に行ってきた犬山市の八曽湿地でのサンプリングなどと同様,珪藻と水質を同時に分析する研究の一環です。
 
 先に向かったのは菰野町にある田光 (たぴか) 湿地です。「たぴか」って,なんだかすてきな名前ですね。かなりの難読地名ですが,きっとおもしろい由来があるのでしょう。
 この湿地はシデコブシの群落があることから,2005年に天然記念物に指定されました。公開はされいないため,菰野町の担当の方から許可をいただき,サンプリングをしました。やや深い斜面を下りていくと,その斜面から水が湧きだしていて,表面を広く湿らせていました。
湿った斜面を下りていきます
 
 この日はとても暑く,湿地のように日光が直接当たる場所では汗が噴き出してきました。水質分析で汗は大敵なので,汗が混じらないよう顔や手をよく拭いて慎重にサンプリングしました。
 
 続いて訪れたのは桑名市にある「多度のイヌナシ自生地」です。イヌナシとは,愛知県・岐阜県でいう「マメナシ」のことで,ここには大きな群落があることで有名ですが,私は初めて訪れました。かつては釣り堀だったため池の上流に広がる谷筋にイヌナシが自生しています。
写真中央から奥が自生地です
 
 そしてこの自生地も天然記念物に指定されています。
 
 私たちは谷筋を歩き,最適と思われる場所3か所でサンプリングを行いました。

 ところで,田光湿地はシデコブシの群落地ではあるもののイヌナシ(マメナシ)は生育していません。多度はイヌナシの群落地ではあるもののシデコブシは生育していません。田光と多度はそんなに遠いわけでもなく,見た目の地形や,水の酸性度を測ってみても,それほど大きく違うわけではありません。なのになぜ植物が違うのか,不思議ですね。今回の分析ではそれを解明することはできませんが,面白いテーマだと思います。
 

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