2015年2月14日土曜日

湿地復元実験

 みなさまこんにちは,よしだです。

 昨日(13日),ランドルフ記念講堂近くの森の一部を伐採する作業を行いました。湧き水が出ているこの地点の木を切って明るくし,湿地を復元させようという大規模な実験として行ったものです。

 大学がこの地に設立された60年以上も前,このあたりは高い木が全くと言っていいほど生えていない「はげ山」でした。当時も湧き水があれば,おそらく現在の八竜湿地と同じような湿地があったはずです。希少種のシラタマホシクサなども生育していたかもしれません。

 しかし森ができてくると暗くなってしまい,明るい場所を好む湿地の植物は消えてしまいます。ただ,種が土の中に残っている可能性があり,木を切って明るくすると再び芽を出すかもしれないのです!

 しかもこの場所,湧き水の水質を以前私が分析していたのですが,八竜湿地とほぼ同じくらいの水質なのです。それで八竜湿地で保全活動をされている柴田さんや,生態学がご専門の名工大の増田先生などのご意見も伺い,思い切って伐採することにしました。

 とはいっても,大きな木を切るのは私たち素人にはとても危険で無理なことです。なので普段金城の緑の手入れをしていただいている中日本造園さんにお願いして木を切っていただきました。
作業開始です
 
 この日,天気予報は晴れだったのですが,朝から断続的に雪となり,一時的に吹雪になるような天気でした。
うっすら積もっています (>_<)

 上述の柴田さんや増田先生,増田先生の研究室の学生さん,KSCメンバーや小野先生のゼミの学生さんなどたくさんの人が作業を見守っていたのですが,じっと見ているだけではとにかく寒い! ならば体を動かそう!と,中日本造園さんの作業の邪魔にならないところで細い木を切ることにしました。
学生さんもヘルメットをかぶって作業中
 
 私も木を切って体を温めたかったのですが,手が負傷中なので「写真係」がやっと。体が冷えていく一方です(泣)。

 学生さんたちはとても熱心に木を切ってくれたので,短い時間でこんな感じに。
さっぱり~
 
  一方,中日本造園さんはさすがにプロ。手際よく木が切られていきます。こんな大きな木も大きな音を立てて伐採されました。
 
 その結果,こんなに変化しました。
ビフォア
 
アフター (笑)

 この日作業は完了とはなりませんでしたが,広々とした土地が出現しました。ここに湿地性植物が復活するのかどうかは,増田先生やその学生さんがこれから何年もかけて調査をしていく予定です。増田先生からは「こんな実験をやってみたら面白そう」といろいろなアイディアがさっそく出ていて,これからが本当に楽しみです。
 

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