10月も下旬になり,今日は秋らしく過ごしやすい天気となりました。自然を求めて出かけるには心地よい季節ですね。そこで今回は里山から離れて,北アルプスに先月私が登った時のお話をしましょう。
私が今回登ったのは,順に日本第8位で標高 3110 m の涸沢(からさわ)岳,3位で 3190 m の奥穂高岳,11位で 3090 m の前穂高岳で,一泊二日の行程です。
初日の土曜日,松本から早朝の臨時列車・バスを乗り継いで登山基地となる上高地に入りました。時刻はまだ朝の6時台ですが,すでにたくさんの登山客でにぎわっています。
登山計画書を提出し,6時40分に歩き始めましたが,5分もしないうちに有名な景勝地,河童橋に到着します。ここから見る穂高連峰は絵になる景色です。下の写真に写っている山のなだらかなUの字の稜線の左側に奥穂高岳が,右側に前穂高岳があります。これからこの山に奥から回り込んで登り,翌日Uの字の稜線を左から右へ通って,手前に降りてくるのです。
河童橋から 11 km 程の間は,梓川に沿ったほぼ平坦な道を歩いていきます。途中ではニホンザルの群れにも会いました。子を背負っているサルもいました。人に慣れているのか,人を気にする様子はありませんが,慣れすぎないようにしてほしいものです。
途中の景色はこんな感じです。穂高の山々と梓川を左手に見つつ,歩きやすい道を進んでいきます。
谷筋の山道を 5 km ほど進んでいくとだんだん視界が広がっていきます。ここは涸沢(からさわ)という場所で,かつてここにあった氷河が谷を丸くけずり取ったため,このような地形になっています。それにしても美しい景色です! この時点ではまだ本格的な紅葉とはなっていませんが,紅葉の最盛期は毎年10月7日頃です。
ここでのんびりと1時間近く休み,お昼ごはんとしました。これから一気に標高を稼いで穂高連峰の稜線上にある山小屋まで上がります。下の写真の草もみじを抜けて,岩場をこれから歩いていきます。森林限界をすでに超えていることが分かりますね。
13時40分,上高地からちょうど7時間で宿泊先の穂高岳山荘に到着しました。この日は登山客が多くて混雑し,一畳(=一枚の布団)2人(!)になるとのことでした。私のように一人者だと,両側知らない人と並んで寝ることになります。寝返りするのも落ち着きませんね(苦笑)。
まだ日没まで時間があるので先に涸沢岳に登っておきます。山頂から南を見ると,赤い屋根の穂高岳山荘が眼下に,明日登る奥穂高岳と前穂高岳がそれぞれ正面中央と左に見えます。前後左右に 3000 m 級の山々が連なり,「アルプス」の名に恥じないダイナミックな山岳景観が展開します。
小さな島国と呼ばれる日本ですが,このような高山地帯があることも生物の多様性を生んでいる要因の一つです。それは高山植物だけではありません。動物ではライチョウがその最もよい例ですが,本州中部では標高の高い地域にしか生息しないオコジョを涸沢岳で見ることができました。
すばしこくて撮るのが大変でした(笑)
ここまでが一日目の様子ですが,続く二日目は明日お話しすることにしましょう。
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