みなさまこんにちは,よしだです。
きょうから5月。金城の森では落葉樹の葉が出そろい,咲きはじめたシイやニセアカシアの花に春らしさを感じますが,場所が変わると全く違った春の感じ方がある,というお話をしましょう。
前回,私の恩師である廣田満先生の最終講義に出席したことを書きましたが,その翌日私は松本まで足を延ばしました。学生時代の最初の一年を過ごした松本は,北アルプスを望む美しい街で,今でも大好きです (^o^)
さっそく市街地東側の弘法山古墳に上がり,景色を展望してきました。市街地の向こうにそびえて立つアルプスは,いかにも松本らしい風景です。
中央のどっしりとした三角形の山が常念岳(じょうねんだけ,2857m)で,常念岳から画面左端へ3分の2進んだあたりに,ちょこんと犬歯のように出ているとがったピークが槍ヶ岳(3180 m)です。
松本から見るアルプスの中で,この三角形はもっとも目を引くはずです。常念岳は深田久弥の「日本百名山」でも取り上げられ,松本方面から見たこの山の美しさについて述べられています。
しかし,今回ちょっと意外だったのは,この時期にしては残雪が少なかったこと。山頂部分もかなり黒くなっています。
いつもならもっと白く,この時期は向かって右側の斜面,下の写真の赤丸付近に,「常念坊」と呼ばれる雪形が,残雪の中に黒く浮き上がる頃のはずですが,すでに常念坊は崩れてしまっていました。
山国の春の風物詩としてこれを楽しみにしていたので,ちょっと残念でした。雪形がきれいに出る時期は短く,年によって早い・遅いがあるので,いい時期にあたるのは難しいのですが・・・。今年はそれだけ春の訪れが早い,ということなのでしょう。
下の写真は,2011年3月下旬,松本市の北にある安曇野市から見た常念岳。
角度が変わって,ここからは正面に「常念坊」が見えるのですが,この時はまだ雪が多く,きれいな雪形になる前の状態です。それでも左に向かって歩くお坊さんが手にとっくりを持つ姿を,なんとなくイメージできるのではないでしょうか。
(この段階ではまだお坊さんととっくりがつながっていませんが)
「雪が融けると何になる?」と先生が聞いたら,「春になる」と答えたこどもの話をよく聞きますが,このような景色を毎日見ていたら,「春になる」という答えはごく自然に出てくるのかもしれませんね。
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