2020年7月9日木曜日

大雨が続いて

 みなさんこんにちは,よしだです。
 
 梅雨で雨が続いていますが,ここ最近は九州各地と岐阜県・長野県で土砂崩れや浸水などの被害が発生してしまいました。
 
 昨日の名古屋も未明に強い雨が降りましたが,朝には雨が止み,昼前からは時々日が射すくらいになりました。このわずかな晴れ間を狙って,八竜湿地の流出量測定装置の様子を見てきました。 
雲が多めで,太陽の周りにかさができていました
 
 湿地に向かう道は,一部が水の通り道になっていました。下の写真は,写真の左下角あたりから水が湧き出し,遊歩道に流れ込んでいる様子です。ここで水が湧き出しているのは初めて見ました。

 ここはいつもなら,遊歩道の下に埋められた管に水が流れるのですが,水があふれて道が浸水しています。 

 湿地の中に入り,装置の場所に来てみると大変なことになっていました! 激しい流れになっています。これは,装置内の整流板と呼んでいる,丸い穴をたくさんあけたステンレス板に,流れてきた落ち葉が詰まってしまい,水をせき止めてしまっています。整流板の底にあるすき間に集中して水が通るので,装置の底から表面へ水が湧き上がる水流ができ,流れが激しくなっています。 
激しい水の流れです!

 整流板を撤去してしまうのが根本的な解決法ですが,整流板をささえるチェーンを外そうとすると,強い水圧で装置に損傷を与えてしまう可能性があったため断念し,整流板にくっついていた落ち葉を手で取って,とりあえずの対応をしました。 
落ち葉を除去してすっきりしました

  これで流れが落ち着き,水位計をパソコンにつないでデータを回収しました。流れ出る水の量をビニール袋に取って測る準備もしてきましたが,この量は到底測れそうにない(オーバーかもしれませんが,若干の身の危険を感じます)のであきらめました。
2つ上の写真と比べて,流れが
落ち着いたのがわかると思います

 この装置のデータとともに,学内に設置した雨量計のデータも回収し,研究室でデータを見てみました。

 未明の大雨が異常出水の原因になっているのは間違いないのですが, 最も多かった時間雨量は,午前4時からの1時間で15.4 mm と,思っていたよりもずっと少ない量でした。それでもこの写真の時点で水位は360 mmほどあり,午前8時頃には430 mm以上にもなっていました。

 豪雨というほどの雨量でないにもかかわらず,水量が異常に多くなるのはなぜでしょうか。これは雨が降り続いているからだと思われます。7/3以降大学周辺では毎日雨が降りました。土壌中の水分が飽和してしまっているところへ,やや強い雨が降っただけで一気に水が流れ出たのです。

 この先も何日か雨が降り続く予報になっています。まだしばらくは異常出水が起きる可能性が高い状態が続きそうです。