2021年12月22日水曜日

南アルプスの雪崩の研究

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょうは山岳地帯の雪崩について書きたいと思います。雪崩は,森林限界よりも標高の高い場所やスキー場など,高い木が生育していない場所ではめずらしくない現象です。では,森林地帯で大規模な雪崩が起きるとどうなるでしょうか。なかなかイメージができないのではないでしょうか。そもそも森林地帯では,雪崩は起こりそうにないですよね? しかし,南アルプスの仙丈ヶ岳の山腹では,森林を押し流してしまうほどの雪崩が実際に起きています。かなりめずらしい現象です。

信州伊那谷から見た,ここ最近の南アルプスです
中央の大きな山が仙丈ヶ岳,
左端の三角の山が甲斐駒ヶ岳です

 この雪崩を研究しているのが,八竜湿地の流出量調査で共同研究をしている,信州大学農学部の福山先生。以前から先生にこの話を伺っていたこともあり,私が今年の7月に甲斐駒ヶ岳に登山に行った時,ついでに雪崩の跡地を見に行ってきました。なぎ倒された木々が斜面を累々と覆っていて,その破壊力のすごさに圧倒される思いでした。

 森林地帯で雪崩が起きると一体どのような影響があるのでしょうか。防災の面でも影響がありそうですし,植生などの生態系の面でも影響がありそうで,私もとても興味があります。ちょうど信州大学山岳科学研究拠点のホームページのスペシャルコンテンツとして,福山先生の雪崩の研究が紹介されました (宣伝みたいになってしまいますが,私が甲斐駒ヶ岳から雪崩跡地を撮った写真も使っていただいています)。

https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/ims/special-contents.html

 雪崩を研究する意義から,調査のご苦労までよくわかると思います。大変興味深い内容になっていますので,みなさまもぜひご覧ください。


2021年12月8日水曜日

朝早い時間に

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日,試験の対応でいつもより早い,午前7時頃に大学に来ました。この頃は日の出も遅くなって,昇り始めたばかりの太陽が大学の建物を照らしていました。

建物に朝日が当たっています。
山で言えばモルゲンロートですね(笑)。

 寒い朝でしたが,鳥たちは元気です。写真のコゲラのほか,シジュウカラ,ヤマガラ,エナガ,メジロが混群を作って木々を飛び回っていました。
ほんの3 m程先でコゲラが
キツツキらしく木の幹をつついていました。

 建物から西の方を見ると,朝の名古屋が一望できました。名駅の高層ビルの背後には,雪を冠した鈴鹿の山並みが見えますね。

 このところ寒い日が続きますが,澄んだ空気の景色はなかなか良いものだと思いました。

2021年12月1日水曜日

秋深まる八竜湿地

 みなさまこんにちは,よしだです。

 しばらくブログの更新が滞ってしまい申し訳ありません。気がつけば12月,時間の経過の速さに焦ってばかりです。

 先日,八竜湿地で行っている流出量調査の装置の確認に行ってきました。装置内にたまった落ち葉を取り除き,機械に保存されていたデータを回収したりしていました。

装置周囲にもたくさんの落ち葉がたまっていました

 湿地を見てみると,湿地の草は冬枯れし,湿地を取り巻く木々の紅葉もかなり進んできました。 


 すっかり葉を落としたウメモドキは,鮮やかな赤い実だけになり,とても目立っていました。

 きれいに黄色に色づいていたのはタカノツメです。葉が太陽の光を通してまぶしいくらいでした。

 本格的な冬を前にして鮮やかな色の八竜湿地・八竜緑地の風景を見て,心が落ち着いた気がしました。

2021年9月30日木曜日

湿地の秋

 みなさまこんにちは,よしだです。

 ブログの投稿に間が空いてしまいました。申し訳ありません。今回は9/29(水)に行った調査地の様子を書きたいと思います。

 この調査地も八竜湿地と同じ「湧水湿地」の一つで,主に水質調査をさせていただいています。9月末とは言えまだ暑く,汗をかきながらの調査となりました。

 しかし,植物は秋の様相に移り変わり,季節の移り変わりを感じました。

シラタマホシクサは花の状態と変わりありませんが,
種子をつけてほぐれているものもありました。

シデコブシは赤い実を主張しているようです。

湿地の植物ではありませんが,ちいさな栗が落ちていました。

 明日から10月になりますが,最高気温が30度越えの日がまだ続くようです。湿地に限らず,あらゆる生きものに良くない影響が出ないことを祈るばかりです。

 

2021年8月31日火曜日

雨が多かった8月

 みなさまこんにちは,よしだです。

 早くも8月最終日になりました。小学校の頃,この8/31はどんなにつらい一日だったことか・・・(笑)。

 それはともかく,この8月は猛暑→大雨→猛暑の繰り返しでした。特に雨は,まるで梅雨がもう一度来たような長雨,そして8月とは思えないような雨量でした。その様子は大学内で観測している雨量計にも現れていました。

 上のグラフは,横軸が8月の日付,縦軸が雨量(単位 mm)です。多い・少ないはあるものの,8/12から23日まで毎日降雨がありました。そして,8/13(金)は一日で約115 mmもの雨が降りました。この日前後に災害が発生した地域に比べればまだ少ないですが,日雨量が100 mmを越えるのは,金城では年に1回あるかどうかで,2019年10月以来のことです。

 この日,八竜湿地の流出量がどのようになっていたのか,まだデータ回収をしていませんが,かなりのインパクトになっていたと思われます。

 ちなみに昨年は全く逆で,8月1か月間の総降雨量はたったの24.0 mm! 全然雨が降らず,これもまた異常でした。異常が日常にならないことを願うばかりです。





2021年8月8日日曜日

けもの道

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日調査で八竜湿地に行ってきた時のこと,湿地内にけもの道があることに気がつきました。下の写真の中央部に,左に緩やかにカーブしながら左上の水たまりに続いている道のようなものがものがあるのがおわかりでしょうか。

 八竜湿地では,自動カメラを用いて動物の調査をしていますが,どの動物が歩いた跡なのかまではわかりませんでした。

 八竜湿地では,今年の初め頃はタヌキがたくさん写ったのですが,この春以降はネコの方が多く写っています。季節的なものなのか,動物どうしでなわばり争いのようなものがあるのか・・・まだまだ分からないことがたくさんあります。
 

2021年7月27日火曜日

ライチョウの砂浴び

 みなさまこんにちは,よしだです。

 以前,八竜湿地で見たメジロの水浴びの話を書きましたが,今回は私が山登りに行った時に見たライチョウの砂浴びについて書きたいと思います。

 場所は長野県と山梨県の県境,南アルプスの甲斐駒ヶ岳という山です。山梨県側の麓ではおいしい水が湧き出ていて,南アルプスの天然水の山,と言えばイメージしていただけるでしょうか。

 この山は花崗岩でできていて,山頂付近は花崗岩とそれが風化した砂地が混在しています。私が登り進んだとき,ライチョウは花崗岩の上を歩いていました。

トコトコ歩いています
 
 ライチョウが私に気がつくと,そそくさと砂地のほうに歩いて行き,ちょうどよさそうなくぼ地に入って大き目の石を足で蹴飛ばして取り除き,くぼ地に細かい砂をくちばしで中に入れて,バサバサバサッ!と豪快に砂浴びを始めました。
豪快に砂を飛ばしています!
 
 ギャラリーは私を含めて4人まで増えましたが,チラチラこちらを見ては何度も砂浴びを続けていました。私たちも見てて楽しかったですが・・・
 
 ここでおやっ?と思った人はいないでしょうか。
 先日見たメジロはものすごく警戒しながら水浴びをしていたのに,ライチョウはむしろ,人前で得意げに砂浴びを見せてくれるのです。ちょっとヘンですね。
 
 ここからは私の想像なのですが・・・
 おそらくライチョウは天敵のワシやタカを警戒しているのです。しかしそこに人間が来ると,ワシやタカは襲ってこなくなるので,無防備な砂浴びを安心してできるのです。人間にとっても,愛らしい姿はずっと見ていられるし,写真や動画を撮ったりもして,まさにWin-Winの関係ではないでしょうか。日本ではライチョウを「神の鳥」として捕獲したりしなかった長い歴史の結果なのだろうと思います。面白いなぁ,と思いながらしばらく見ていました。
 

2021年7月21日水曜日

ゆで卵のようなきのこ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 名古屋も梅雨が明けて,毎日暑い日が続くようになりました。金城の森ではセミが盛んに鳴いていますが,足元を見るときのこが生えていました。


 土から出てきたばかりの,傘を開く前のきのこですが,その姿はまさにゆで卵! 写真ではわかりづらいですが,大きさもほぼゆで卵サイズでした。

 これは,有毒のドクツルタケではないかと思います。誤って食べると死に至ることもある怖いきのこで,傘を開けば20cmくらいにもなって,存在感もなかなかなものですが,出てきたばかりの姿はかわいらしいですね。

 

2021年7月15日木曜日

トカゲのしっぽ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 梅雨末期の大雨なのか,夕立なのか,このところ名古屋は短時間で強い雨がよく降ります。普通の授業には差し支えないものの,学生さんを連れての湿地や森の見学は,その時間に雨が降らないよう祈るしかありません。

 先日の「薬学セミナー」の時間も,学生さんと一緒に森を見て回ったのですが,その時撮ったのがこの写真です。

 最初は何かの虫かと思ったのですが,色や形からトカゲのしっぽのようです。天敵につかまったとき,トカゲはしっぽを切って逃げるという行動を取るのは誰でも知っていますが,実は私,トカゲの「しっぽだけ」を見るのは初めてです。そもそも,しっぽのないトカゲってまず見かけないので,単純に珍しいと思ってこの写真を撮りました。

 実際トカゲにとって,しっぽを切る機会って,どれくらいあるのでしょうね? そして逃げたトカゲからはまたしっぽが生えてくる(再生する)わけですが,しっぽからは体は再生しません。考えてみたら不思議ですね。


2021年7月8日木曜日

湿地で石積み(その2)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 前回の記事で,長久手市にある湿地で行った石積み作業のことを書きましたが,先日その後の様子を見に行きました。2週間ほど経過していますが,この間に特に強い雨は降らなかったからか,土砂が流出するようなことはありませんでした。
積んだ土砂は無事でした

 とは言ってもまだ十分な量とは言えないので,作業開始です。
川で土砂を取り・・・

湿地に運んで・・・

ザザーッと投入!

 今回も10名以上が集まり,雨が降る中がんばりました。
 少しわかりづらいですが,最上部はダムのように扇形に土砂を積み,水が湿地に広く行き渡るようにしました。

 これからまたしばらく様子を見ることになりますが,今は石の間をすり抜けて流れる水も,すきまに砂がたまって締まってくれば,表面を流れてくれるようになるのでは?と期待しています。
 

2021年7月1日木曜日

湿地で石積み

 みなさまこんにちは,よしだです。
 7月に入りましたが,梅雨空が続いていますね。
 
 少し前のことになりますが,長久手市内にある湿地の保全作業に参加させていただいた時のことを今回は書きたいと思います。
 
 湿地はその名の通り,水があってこそ「湿地」となるわけですが,周辺から土砂が流入して埋めてしまったり,逆に湿地の中の土砂が流されて小さな川ができ,水が全体に行き渡らなくなったりすると,乾燥化して湿地という環境が失われてしまいます。ここの湿地では後者が問題となっていて,対応策としてその小さな川に石を積んで埋めることになりました。
 
 小さな川,と書きましたが,専門的には「リル」と呼ぶようです。どうしたことか私はこの時,埋める前の写真を撮り忘れてしまい,「リル」だった状態をお伝えすることができません。なので代わりに,山登りをした時に撮った写真でイメージをつかんでいただこうと思います。
 
 急に壮大な写真が出てきましたが(笑),ここは南アルプスの蝙蝠岳(こうもりだけ,2,865m)という山の近くの稜線上です。写真中央から左下にかけて,亀裂のように溝ができているのがわかると思います。これが「リル」です。溝の深さは20-30cmくらいだったと思います。小さな溝でも,降った雨がここを流れ続けることで土砂が削られて浸食が進み,これからどんどん谷が深くなっていくことでしょう。
登山道は左上から右下に続くのに
リルに目が行って左下に誤って進んでしまい,
危ない思いをした場所です (>_<)
 
 で,話を長久手に戻しますね。
 石を積むと言っても,それなりの量を外部から持ち込むのは大変ですから,湿地のすぐ下を流れる小川で採取しました。こぶし大の大きめの石と,砂に近いような小さいものを,バケツを分けて回収します。 
充実のマンパワーです!
 
 大きい石,小さい石を交互にリルに投入します。
ほぼ埋まってきました
 
 それなりに斜度のある湿地のリルに,石を積んだだけで大丈夫でしょうか? 簡単に崩れたりしないでしょうか? 実はよくわかりません。なにせ初めてのことですから,やってみないとわからないのです。経過観察を続けて,どれくらい効果があるのかこれから確かめていくのです。
完成です
ここに溝があったとは思えないような
仕上がりです
 
 この方法,実にシンプルですが,うまくいけば湿地保全のとても良い事例になると思います。というのも,大学の隣の八竜湿地でも大雨による大量出水でリルができてしまい,水がそこを流れ下ってしまうので,湿地全体に水が行き渡らないという全く同じ問題が起きています。おそらくこの問題は他の湿地でもあると思います。その問題の答えがこの湿地から出せるのかどうか,とても興味深いですね。
 

2021年6月27日日曜日

メジロの水浴び

 みなさまこんにちは,よしだです。

 愛知県の緊急事態宣言が解除されたことで,先日学生さんを連れて八竜湿地の見学に行ってきました。このところ梅雨空が続き,この日も雲が多かったものの,幸い雨が降ることはありませんでした。

 あくまで講義の一環なので,湧水湿地という自然環境がどうしてできるのか,といった話が中心でしたが,偶然メジロが水浴びをしている様子を見ることができました。

水浴びしようかやめようか,
迷っています

思い切って水に入りました
バシャバシャ水を浴びています

枝に上がって,
バサバサ水を払い落とします
 

 メジロは群れでやってきて,2-3羽ずつ水場の近くまで来るものの,多くはあきらめて去って行きました。メジロにとって,水浴びをすることはもちろん,地上に降りることすら,天敵に最大限気をつけなくてはいけないことなのでしょうね。水浴びはわずか数秒間。のんびりゆっくり・・・というわけにはいかないようです。

 

2021年6月21日月曜日

子だぬき

 みなさまこんにちは,よしだです。

 私は以前から八竜湿地で,湿地から流れ出る水の量の観測を続けていますが,実際に装置でデータを取っているのは装置を通過する水の水位で,水位を流出量に換算するためには,いろいろな水位で,実際に流れる水の量を測定しなければいけません。

 いまは梅雨なので雨がよく降り,水位が高いことが多いので,先日も雨上がりに測定に行ってきました。

いつもより水量多めです

 この日は,5秒間で約23リットルの水量がありました。これを厚手のビニール袋で取って持ち上げるのですが,言うまでもなく重いです・・・(苦笑)。

 測定が終わってから湿地内を見てみました。湿地の底部の草がかなり繁茂してきました。今は花が少ないこともあって,湿地は緑一色です。
緑の湿地です

 大学に戻り,研究室に向って歩いていたら,前方に動物が走るのが見えました。大きさと色から,一瞬ネコだと思ったのですが・・・タヌキでした。
黒い子だぬき

 まだ子どもでネコサイズだったのですが,疥癬(かいせん)という感染症にかかっていて,全身の毛が抜けてしまっています。
 近くにもう一匹いました。黒い子だぬきと同じくらいのサイズで,きょうだいのようです。こちらはまだいくらか毛が残っているものの,やはり疥癬にかかっています。
痛々しいですね

 野生のタヌキの疥癬の罹患は,5年ほど前よく目撃しました。その後いったんは沈静化したように見えたのですが,また最近タヌキの間で感染が広がっているようです。野生動物にとって,感染症はかかってしまったらどうにもなりません。ちょっとかわいそうです。

 

2021年6月17日木曜日

クチナシの花

 みなさまこんにちは,よしだです。

 このところ曇りがちの日が続いたり,晴れの日が続いたりで,梅雨らしいような,らしくないような・・・という感じがします。

 少し前から大学の森ではクチナシの花が咲き,甘い香りが漂っています。森の中でも白くて大きい花はよく目立ちます。

 さてこの花,花弁(花びら)の数が7枚ですね。クチナシはふつう6枚なのですが,どうもクチナシは数がブレやすいのだそうです。花弁にぴったりくっついている黄色の糸状のものは雄しべなのですが,これも7本ですね。花弁の数と,雄しべの数は同調しているのでしょうか。ちょっと不思議に思いました。




2021年6月6日日曜日

紫陽花

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今年は例年よりもかなり早い梅雨入りとなりました。たまたま今年だけなのでしょうか。それとも今後これが「普通」になってくるのでしょうか。少し気になるところです。

 梅雨ということで,ベタですがアジサイの花です。ある雨の日,通勤途中にある公園で咲いていたのを撮りました。紫と白の淡いグラデーションで,すてきな色合いですね。


 このアジサイ,なぜ外側のふちどりの部分しか花が咲かないの?と疑問に思った人はいませんか? いえいえ,中心のぼそぼそとした部分が本当の「花」で,すでにちゃんと咲いているのです。そして花のように見えるのは「装飾花」といって,花の偽物なのです。

 本当の花が小さくて目立たないので,周りに花っぽいものを用意して,ここに花があることを虫にアピールしているのです。もし,たくさんある本当の花を全部大きくしてしまうと,コストがとても高くついてしまいます。逆に,本当の花をなしにして,装飾花を本当の花にしたら,花の数が少なすぎて効率が落ちてしまいます。それでコストと効率の落としどころを狙って,このような形になったと考えられています。

 人間社会で言えば,お店は小さいけれど,看板だけは大きくして,コストダウンと集客の両立を狙うようなもの,といったところでしょうか?


2021年5月27日木曜日

みのむし

  みなさまこんにちは,よしだです。

 ここ最近忙しくて,ブログの更新が滞ってしまいました。申し訳ありません。この間いろいろ話題はあったのですが・・・。

 さて,久しぶりの投稿の割には地味な話題(苦笑)ではあるのですが,先日出勤途中に「みのむし」を見つけました。大きな木から長い糸を垂らしてぶら下がっていたのです。

 手の届く位置ではなかったものの,写真は何とか撮れました。枯葉や小枝を使って上手に住まいを作っていますね。

 みのむしは最近なかなか見ることができないので,迷わず写真を撮ったのですが,私の小さい頃(ン十年前)はうじゃうじゃ,とまでは言わないものの,少し探せば必ず見つかる身近な虫でした。少々かわいそうですが,一旦「みの」をはがして,短く切った毛糸に中の虫を放ち,毛糸を使ってそれこそカラフルな (笑)「みの」を作る様子を観察する・・・というのは当時の子どもの大定番でした。

 それがいつのまにか急に数を減らし,現在ではなかなか見かけないめずらしい虫になってしまいました。私が小さい頃はめずらしかったクマゼミが,今ではセミの主役のようになったりと,生態系からするとわずかな時間でも大きな変化が起きていることを実感します。


 

2021年3月22日月曜日

日本ビオトープ管理士会の研修会を開催しました

みなさまこんにちは,よしだです。


3/20(土),大学で日本ビオトープ管理士会の,令和2年度第3回研修会が行われました。タイトルは「自然と共存するキャンパス 金城学院大にて里山の未来を考える」というもので,私からはKSCの活動や八竜湿地での調査などをメインにお話をさせていただきました。
   この写真はスタッフの方に撮影していただいたものです

 私の座学の後は,ビオトープネットワーク中部の宇野様より「愛知県の里山管理について」というタイトルでお話があり,これらが終わった後は現地見学です。学内の里山を見ながら八竜湿地に向かい,湿地の保全,維持管理について解説をしました。
   この写真もスタッフの方に撮影していただいたものです

 この頃には厚い雲が空を覆い,少し強めの風が吹き始めて,天気が荒れそうな雰囲気になってきました。時間の都合もあって水質分析については説明のみとなりましたが,湧水湿地について知識を深めていただけたのではないかと思います。

 今回の参加は,この新型コロナウィルス感染症の状況にあるため9名でしたが,みなさん大変熱心に耳を傾けておられました。本当におつかれさまでした。
 

2021年3月16日火曜日

八竜湿地で作業

 みなさまこんにちは,よしだです。

 きょう(3/16)は八竜湿地に設置してある流出量測定装置の再設置作業をしてきました。ステンレス製の箱型の三角堰を設置したのが2018年6月,それから3年近く経過して,三角堰の周囲を固定している土砂がえぐれつつあったので,一旦装置を取り外し,水底や周囲を整地してから再度装置を設置し直す,規模の大きい作業です。もちろん私一人ではできないので,研究室に所属する学生さん4名とともに作業にあたりました。

 まず現地に行って驚いたのは,装置に大量の土砂や落ち葉が堆積し,整流板という板が押し流されていたことでした。水位のデータを見ると,3/12~3/13に降り続いた雨で流出量が急激に増加していたので,堆積はこれによるものと推測しました。

奥側にあった整流板が手前に押し流されて
土砂と落ち葉が堆積してしまっています

 まずは整流板を取り外し,土砂と落ち葉を掻き出しました。
三角堰の中がすっきりしました

 力を合わせて三角堰を流路の外に一時的に撤去し,整地作業に入ります。
水底に土砂を投入して整地します
写真左側では土のうを作っています

 再び三角堰を設置し,前後左右の水平を調整してから周囲を土砂で固めます。

 さらに四隅を中心に,三角堰を土のうで固定します。
 
 完成しました! ここまでおよそ2時間でした。予定通り順調に仕上がりました。

 あとは周囲の土砂が安定するのを待つのみです。
 4人の学生さんにとっては,自分の研究テーマとは異なる,どろどろな?作業でしたが,最後までしっかりやってくれたと思います。

 余談ながら作業のあと,湿地の周辺を見るとコバノミツバツツジが咲き始めていました。ウグイスの鳴き声が聞こえたり,大学の中では桜が咲き始めたりと,今年の春はかなり早く感じます。


2021年2月13日土曜日

薬草園にタヌキ(その2)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 2月中旬ですが,今日は春のような陽気です。寒暖を繰り返しながら春に向っていくのでしょうね。

 今日もまた薬草園でのタヌキの目撃情報が,ながつ先生から寄せられました(情報ありがとうございます!)。土曜日で大学は人の気配が少ないとはいえ,お昼12時頃の出没で,しかも2匹です。先生のお話によると,タヌキは先生を気にする様子はあっても,逃げようとするほどの様子はなかったそうです。


*ながつ先生のご厚意で写真を提供していただきました。

 前回の薬草園での目撃は朝でしたが,今回は真っ昼間。実は知らないだけで,意外に明るい時間もタヌキは歩き回っているのかもしれませんね。

2021年1月20日水曜日

琵琶湖の向こう側?

 みなさまこんにちは,よしだです。

 2021年最初の投稿です。本年もどうぞよろしくお願いします。

 この冬はここ最近にしては寒さが厳しいですが,北陸などの日本海側で大雪が続いても,名古屋で雪が積もることはまれで,晴れることが多い気がします。そして今日はめずらしく,北陸地方や長野県も含めて広く晴れているようで,瀬戸線の列車からは恵那山,中央アルプス,御嶽山,白山,能郷白山,伊吹山など名だたる山々をくっきり望むことができました。

 そしてお昼間,大学から伊吹山方面の写真を撮ってみました。

真っ白な伊吹山です
雪がたくさん積もっていますね。
伊吹山ドライブウェイのルートもわかります。

 雪化粧の伊吹山が目を引きますが,伊吹山のすこし左の関ヶ原付近を見て「おやっ?」と思うことがありました。
すこしズームアウトしました
右が伊吹山で,左の木の枝の陰のあたりの
一番山の低いところが関ヶ原ですが・・・

 なんと,関ヶ原の向こうに白い山なみが見えるではありませんか! 私は何年も金城に勤めていますが,この山なみに気がついたのは今日が初めてです。
やや鮮明ではないですが,青い山なみの上に
白い山なみが見えます

 地図で調べてみたら,琵琶湖北部の西側の山地で,滋賀県と福井県の県境の「野坂山地」が見えているようです。その距離ほぼ100 km! 
 名古屋から琵琶湖の向こう側が見えるなんてすてきですね。野坂山地の向こう側はもう若狭湾,つまり日本海! 日本海の雪雲がときどきこの濃尾平野に流れてくるのもよくわかりますね。