2023年9月18日月曜日

水族館ミュージアムグッズプロジェクト

 みなさまこんにちは,よしだです。 

 大学は実質今週から後期の授業が始まりました。つまり夏休みが終わったということになります。それで今回はこの夏休みに行ったプロジェクトを紹介します。主導したのはKSCメンバーでもある国際情報学部の岩崎先生。

 場所は名古屋港水族館です。シャチやペンギンで有名な水族館ですが,ここの新しいミュージアムグッズを起業を意識して作ろう,というのがプロジェクトの目的です。ただかわいいものではなく,家に持って帰っても生きものの特徴がよくわかるもの,勉強になるものというのが条件で,なおかつ実際に販売することも想定して考えなくてはなりません。

 今回はまた,大学だけでなく,金城学院高校の生徒さんも参加し,生徒さんと学生さんでチームを組んで(つまり高大連携で)議論する点が,今までの大学のプロジェクトと違う点です。

初日のようすです。どんなイメージを作っていくのか,
岩崎先生とそのゼミ生のみなさんが説明をしています。

高校生と大学生の混成チームで,何を作っていくのか
考えていきます。

もちろんすぐに結論が出るわけでもありません。
たくさんアイディアが出たものの絞り切れず,
水族館のスタッフの方に相談することもありました。

そして最終日,チームごとに発表を行いました。
そして水族館のスタッフの方から講評をいただきました。

 3日間の日程でしたが,すぐにアイディアがまとまったグループもあれば,すごく悩んだグループもありました。それでも結果としては,それぞれのチームで全く違ったアイディアが出て,水族館のみなさんからも好意的なコメントをいただきました。問題解決能力を磨く意味でもいいプロジェクトになったと思います。
 

2023年9月3日日曜日

みよし市であいち自然再生カレッジ

 みなさんこんにちは,よしだです。

 金城も加入している「東部丘陵生態系ネットワーク協議会」で実施している環境学習会「あいち自然再生カレッジ」の今年度3回目が,みよし市の境川で9/2(土曜日)に行われました。私は当日学内で会議があったため,少し遅れて参加しました。

 カレッジではまず,公民館で椙山女学園大学の野崎先生によるご講演がありました。野崎先生は事前に境川で下見をし,生き物や水質にどのような傾向があるのかお話をしていただきました。それが終わると境川まで歩いて移動し,参加者のみなさんで生き物探しです。

生きものがたくさんいそうな
川のふちを中心に探していきます
 
 私はこの境川に来たのは初めてでしたが,川幅がある程度広く,水深が浅くて流れも穏やかで,安全に生き物探しができるいい場所でした。ただ猛暑続きだからか,川の水は生ぬるいくらいでした。
 
 みなさんが捕まえてきた生き物を仕分けして,種を確認していきます。今回は小さなエビがたくさん獲れました。

 全員川から上がって,野崎先生の解説が始まりました。先生も予期していなかった魚がいたりして,生き物調査の面白さが感じられました。

 このあと野崎先生と私で説明しながら,参加者のみなさんに川の水を測定していただきました。測定項目は,水の酸性度を示すpH,水の有機物の量の指標となるCOD(化学的酸素要求量),水のイオン濃度の指標となるEC(電気伝導度)です。この3つの指標の結果から,境川はまずまずのきれいさであることが分かりました。

 あいち自然再生カレッジは9/23(土曜日)に名古屋市天白区の植田川で4回目の講座を行います。興味のある方は「あいち自然再生カレッジ 植田川」で検索してみてください。


2023年8月30日水曜日

八竜湿地で水質調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 猛暑が際限なく続く感じですが,そうは言っても野外調査は決められた通り実施しなければなりません。滝のような汗をかきながら大学の隣の八竜湿地へ,定期の水質調査に行ってきました。今回は気軽に写真を見ながらご覧ください。

湿地表面にたまっている水を採取したり・・・

湿地に埋めた塩ビ管から地下水を採取したりします。

八竜湿地では,植生調査を行うためのプロットが,
ビニールテープで設定してありました。

8月ももう終わりですが,空を見上げれば
真夏の雲が浮かんでいます。とにかく暑いです!

でもシラタマホシクサの「白玉」が
少しずつ成長してきました。

そしてこの春咲いたマメナシが,「梨」らしい実を
つけていました。少しずつですが,季節が秋に
近づいているのを感じました。
 

2023年8月16日水曜日

里山プロジェクトで大野瀬町を見学

 みなさまこんにちは,よしだです。

 前回の投稿から随分と間が空いてしまい申し訳ありません。今回は,少し前のことになりますが,プロジェクト科目の「里山プロジェクト」で実施した,豊田市大野瀬町の見学について書きます。

 「里山プロジェクト」は,里山のことを学び,里山のこれからをどうするのか,自分たちで考え提案する授業です。ここで対象とするのが,豊田市大野瀬町です。このブログで何度か紹介していますが,大野瀬町は長野県・岐阜県と境を接する,愛知県の「端っこ」にあります。いわゆる中山間地であり,人口減少や地域活性化といった,なかなか難しい課題があります。

 そこでこの「里山プロジェクト」では,大野瀬町が直面している課題に対して,何ができるのかを提案するわけですが,そのためには大野瀬町を知る必要がありますね。それで一日かけて見学に行ってきました。

 まずは大野瀬町の名所の一つ,「子持ち桂」です。渓流沿いに,一か所からたくさんのカツラの木が生育しています。もともと一本だったのが,幹が折れたのでしょうか,残った株から新しい芽がたくさん出る「萌芽更新」をしたものと考えられます。たくさんの幹が成長したことから,子宝に恵まれる,という言い伝えがあります。


 上の写真では大きさがよくわかりませんが,左端に映っているのが子持ち桂です。太い幹ですがこれでも一部にすぎないので,かなりの巨木だということが分かっていただけると思います。

 こちらも大野瀬町の名所の一つ,梨野大滝です。その名の通り梨野地区にある立派な滝で,住民のみなさんの手で滝のすぐ近くまで行ける道が整備されています。猛暑が続く中,滝の近くは涼しくて学生さんにも好評でした。


・・・と書くと,まるで観光ツアーじゃないか?と思われるかもしれません。もちろんそれだけではありません。中山間地の課題も学生さんに見てもらいました。この写真はその一つで,空き家の説明を受けているところです。人口が減る=住民が減っていく=空き家が増えるということになり,あちこちで空き家が発生しているという現実も学びました。

 里山プロジェクトでは今後も講義や見学を行いながら,最終的にグループワークをしてアイディアを出し,発表することになっています。さて今年はどんな提案が出るでしょうか?

 

2023年6月28日水曜日

豊田市上高湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日,豊田市にある上高湿地で定例の調査に行ってきました。当日は晴れて暑い一日だったものの,梅雨の時期なので調査地点はどこも普段より水が多めでした。

この場所は水が枯れることが多いですが,
今回は水が流れていました。

岩盤の上を流れる水を採取しています。

 湿地は日当たりの良い場所なので,みなさんが思っているほどは涼しくありません。飲み物を持参し,水分補給をしながら調査地点を回っていきます。

 そんな中,この時期なのに赤い実を見つけました。ウスノキです。他の湿地でも生えていますが,ここの実はやや大きめです。
この写真だけ見ると秋のようです(笑)。

 木道を歩いている時,足元に何かが・・・ヘビでした。
隠れているつもりなんでしょうかね?

 ちょっと驚きましたが,すぐに逃げていきました。実は,先月の調査で私は,20 m程の距離で野生のイノシシに遭遇しました。野生動物のすみかの中で調査をさせていただいている,そんなことを改めて思いました。


2023年6月19日月曜日

池の生きもの調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 学内には文四郎池という名前の小さな池がありますが,先日その生きもの調査を行いました。ちょうど10年前の6月にも調査を行っていて,今回はそこからどのように変化をしたかを調べる,というものです。 

 参加したのは私の研究室の学生さん6名で,なごや生物多様性センターから生きものに詳しい先生にも来ていただきました。多様性センターの胴長をお借りして,池の中に入っていきます。池の水を全部抜いてどうこうというテレビ番組がありますが,この調査では水を抜いていません(笑)。


 大きくない池ですが,それでも深みに足を取られることもあり,浅い水際を中心に網ですくって生きものを探します。学生さんは初めての経験でしたが,楽しそうでした。

 この日は気温が高かったので,日陰に入ってお茶を飲んだりして休憩を入れました。すると,すぐ近くにトンボが産卵にやってきました。シオカラトンボでしょうか。メスに付きまとうようにオスもいます。じつはこれ,産卵しているメスが他のオスに取られないかオスが警戒しているのです。実際他のオスが近づいてくると,このオスはすぐに立ち向かっていきました。

 今回の調査でも,種名はわかりませんがヤゴが見つかりました。

 でも一番多く見つかったのはアメリカザリガニ!
大漁!!!

 おそらく数百匹は捕まえたと思います。私も網で一度すくうだけで5匹獲れたこともありました。大繁殖していますね・・・残念ながら。でも10年前にはたくさんいたと聞いていたウシガエルが全く見当たりませんでした。大きなオタマジャクシなので見落とすことはないはずです。どうやらこの10年間で外来種どうしで競争が起き,ウシガエルが敗退したようだ,ということがわかりました。

 ちなみにこのアメリカザリガニ,この6月から「条件付特定外来生物」に指定されました。今回捕まえたものは全量生物多様性センターに譲渡し,センターで飼育している在来のカメのえさとして活用されます。

 

2023年5月24日水曜日

八竜湿地で調査

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先週のような暑さもなく,空気が乾燥してカラッとした陽気になった今日(5/24),八竜湿地で定例の水質調査を行いました。採水地点19か所を順に回って,酸性度(pH)と電気伝導度を現地測定し,分析のための採水を行っていきます。

気持ちのいい青空です。

中央左の塩ビ管の中にたまった地下水は,
右のチューブで吸い出して採水します。

湿地上流部の森の奥にある採水地点です。
月曜日の夜にまとまった雨が降ったからか,
いつもより水が多めです。


湿地ではトウカイコモウセンゴケが
ピンク色の花を咲かせていました。

 すべての地点を回るとだいたい2時間半かかります。今日のような快適な気候だと順調に進むのでありがたいです。