2024年4月30日火曜日

霊仙山へハイキング

 みなさまこんにちは,よしだです。

 ゴールデンウイークの前半の連休の一日,日帰りで滋賀県の霊仙山(りょうぜんざん,標高1,084 m, 最高点は1,098 m)へハイキングに行ってきました。KSCのイベントとしてではないのですが,私の他にKSCメンバーの学生さんも参加しているので,ここで紹介します。

 今回のルートは,JR東海道本線の柏原駅から山頂まで往復する道を選択しました。一般的には醒ヶ井養鱒場(さめがいようそんじょう)から往復するルートが有名ですが,途中の林道が土砂崩れで通行止めとのことで,ロングコースにはなりますが柏原ルートとなりました。今回は別の大学の先生チームとの合同企画?の計6名で,私を含めて何人かは霊仙山自体は初めてでなかったのですが,柏原ルートを歩くのは全員初めて。「新しい発見があるかも?」とポジティブに捉えます(笑)。

 登山届を書いて提出してしばらく林道を歩きますが,さすがロングコース,だいぶん歩いてようやく一合目でした(笑)。この日は気温も高めだったので,道のりの長さが体にこたえました。でもやっぱり春!いろいろな花や植物を見ることができました。ここからは写真中心でお伝えします。

 まずは林道脇の渓流沿いに咲いていたウワミズザクラです。サクラらしくない花で,理系人間はつい「試験管を洗うブラシのような花」と説明しがち(笑)ですが,ちょうど見頃を迎えていました。


 2合目を過ぎたあたりではヤマザクラの一種でしょうか,サクラらしいサクラが咲いていました。こちらもちょうど満開で見頃ですね。

 登山口付近の林道にもシカの侵入を防止するためのゲートがあったりして,最初からシカがいる雰囲気は感じられたのですが,2合目を過ぎたころから林床にアセビが目立つようになりました。下の写真のこんもりとした低木がアセビです。有毒植物でシカが食べないため,他の植物は食べつくされてもこれだけが残るのです。シカの食害の影響がかなりあることがよくわかります。

 4合目に着きました。ここには避難小屋があるのですが,中はボロボロ,入り口のドアもなく,よほどのことがない限り使うことはなさそうです。一見すると古いタイプの船舶用のコンテナ(海上コンテナ)を転用したように見えますが,標記跡も荷役用の金具もないので,そうではなさそうです。

 7合目を過ぎると標高もだいぶん上がって明るい雰囲気になってきました。小渓流沿いにはバイケイソウの仲間が群落をつくっていました。余談ながらバイケイソウは有毒植物で,よく似たギョウジャニンニクなどと間違えて食べてしまい,食中毒を起こす事例が毎年のように発生しています。一方でバイケイソウの花は見事で,この群落で花が咲いたらきれいでしょうね。

 もう一つ,これもまだ花は咲いていませんが,有毒植物として有名なトリカブトです。これも誤食による食中毒があったりする一方,生薬としても使われるので,薬学部の学生さんには勉強になる植物です。

 そろそろ山頂近くの避難小屋が近づいてきました。歩いてきた道を振り返ると,芽吹いたばかりの天然林のほんのり淡い緑と,右上のスギの人工林の濃い緑とのコントラストがくっきり出ていました。

 避難小屋の軒下でお昼ごはんやおやつを食べてのんびりし,いよいよ最高点と山頂を目指します。隣には伊吹山が存在感を示していました。写真右下にはお昼を食べた避難小屋が見えています。他にも御嶽山や白山も遠くに霞みながらも見ることができました。

 最高点への最後のひと登りです。霊仙山は石灰岩の山で,その一部が地面から顔を出した「カレンフェルト」の景色が広がっています。遠くからだと,山に羊の群れがいるように見えるんですよ!

 最高点を経由して,山頂に着きました! 私の相棒である「ゾン太君」の記念写真です(笑)。写真の後方には琵琶湖が広がっています。

 下りもまた花や生き物を観察しながら同じ道を歩きました。見る方向が違うからか,登りでは見落としていた花など,新しい発見がありました。登山口に戻ってきた頃にはもう太陽が暮れそうに。ちょうど水を張ったばかりの水田が水鏡となってきれいでした。

 今回往復20 km超と「ハイキング」というにはちょっとハードで,私もそれなりに疲れました。今回参加した2人の金城の学生さんは,決して登山経験が豊富というわけでもなかったのですが,それでも一度もペースを落とすことなく最後まで歩き切りました! 本当によくがんばったと思いますし,大学内では経験できない発見をしたり,見識の幅を広げることができたのではないかと思います。

 みなさま,おつかれさまでした!