2013年1月23日水曜日

湿地の水の話

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日は東谷山の麓の湿地へ毎月の調査のために出かけていました。毎月のことであっても,あるいは寒い冬であっても,自然の中に入るのは私にとってとても楽しいことです。残念ながら写真を撮り損ねてしまいましたが,白と黒の模様で,ちょっと尾が長いスズメくらい大きさの鳥,「エナガ」がすぐ近くにやってきました。木の実の中から綿のようなものを引っ張り出していたのですが,巣の材料にするのでしょうか?

 さて,湿地自体は保全活動をされている市民団体の方々の手によって枯草が刈られたようで,ずいぶんすっきりとしていました。そして,昨日までに降った雨で地面の水分が多くなり,湿地らしい光景となっていました。

 ところで,下の写真はその湿地内で撮ったものですが,ここはいつもこれくらい水がたまっています。赤茶色になっているのもいつも通り。
 この赤茶色は,鉄の沈殿によるものです。東海地方の湿地は「酸性・貧栄養」といって,湿地を涵養する水が弱酸性で,しかも植物の栄養となる塩類の乏しいのが特徴である,とよく言われます。でももう一つ,水には鉄分を含むことも多いと私は感じています。では,この鉄はどこから来たのでしょうか? おそらく地層中からであろうと思われますが,実際のところはまだよくわかっていません。それどころか,湿地の水がなぜ酸性なのか,ということすら説明できていません。
 身近な自然でありながら,湿地には科学で解明できていないことがまだまだたくさんあるのです。
 

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