2014年9月12日金曜日

狩りをするハチ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今回は先日の炭焼きの時に見た昆虫について書きます。見つけたのは小野先生。さすが鋭いですね! まずは下の写真をご覧ください。
ここは炭焼き窯の端のブロックの上です。左に見える木の棒は,学生さんが薪割りで使った手斧。中央に緑色のクモと黒色の虫がいますが,ここでの主役は黒い方です。これは通称「狩りバチ」と言われるもので,昆虫やクモを捕えて麻酔し,生かさず殺さずの状態で卵を産んで幼虫のえさにします。「ファーブル昆虫記」でこの話を読んだ方も多いことでしょう。

 さてこの狩りバチ,いままさに緑色のクモを捕えてきたところです。狩りバチはあらかじめ巣をつくってから狩りをしにいきます。そして獲物を巣の近くにいったん置き,巣の状態をもう一度確認してから巣を運ぶ習性があるのだそうです。どうやらこの狩りバチは,近くの巣を確認するためにいったんここに獲物を置いたのでしょう。


 ここで小野先生がおもしろい研究を紹介してくださいました。それは

巣を見に行った狩りバチは,
何を頼りに獲物を置いた場所に
戻ってくることができるのか?

というもの。そうですよね。せっかくの獲物を見失ったらもったいないですもんね。で,過去の研究者は工夫をして,その場所を目で見た記憶で狩りバチが戻ってくることを証明したのだそうです。

 ならば・・・ということで,この狩りバチには少々気の毒ですが,実験をしてみました (^_^)。横にあった手斧を,狩りバチがいない間にそっとずらしてみたのです。緑のクモはそのままです。
クモは元の場所のままですが
手斧だけ奥へ

 すると狩りバチは,移動した手斧のあたりに戻ってきました。やはりこれを目印にしていたようですね。
あれれっ,このあたりに
置いたはずだけどな~


 えさがあると思われる場所にないので狩りバチは右往左往・・・(ごめんね~)。でもしばらく歩き回ってえさを見つけることができました(よかったよかった)。
 やれやれ,ようやく見つかったよ~
 
 これで狩りバチは,作った巣にえさを持っていきました・・・となるはずなのですが,えさを持ってまたうろうろ・・・おやおや,どうしたのでしょうね???
 
 でも,こんな小さな虫ではあっても,巣をつくり,大きな獲物を捕らえ,高度な麻酔をし,えさの位置を覚える・・・なんてすごいですよね! ファーブルさんが驚いたのもうなづけます。
 

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