2014年3月14日金曜日

名古屋から見える山 - 【5】 御嶽山(おんたけさん,その2)

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今回も御嶽山の話の続きです。
 いきなり話がそれますが,日本の山を標高順に並べると,その多くは山脈の中にあることがわかります。具体的には・・・

北アルプス   52峰
中央アルプス  9峰
南アルプス   31峰
八ヶ岳連峰    5峰

足して97峰。残る3つが山脈に属さない「独立峰」で,1位の富士山,90位の白山,そして御嶽山です。御嶽山の標高は3067mで日本第14位。名古屋から見える山の中では1位です。
(名古屋から富士山は見えないのか?というテーマは非常に興味深いので,またいずれお話ししましょう)

 今から120年ほど前,イギリスから宣教師としてやってきたウォルター・ウェストンは,御嶽山に2回登っています。当時都市部は「文明開化」が進み,外国人も珍しくなかったようですが,地方ではまだまだ日本古来の風習が色濃く残り,それに興味を持ったウェストンは,御嶽山で見た山岳信仰について「日本アルプス-登山と探検」に書き記しています。

 白装束に身を包んだ巡礼者たちが,ほら貝を吹き,木の杖を突きながら山道を歩き,山頂では昇ってきた太陽に祈りをささげ,神主のお祓いを受け,神がかりの神事が行われる・・・そんな様子が細かく描写されています。今から120年ほど前,と言えば,ちょうどこの金城学院が創立された頃。そう思いながら読むのも非常に面白いでしょう。

 日本には富士山をはじめ,白山や立山など,信仰の山はいくつもあります。数年前公開された映画「剱岳・点の記」も,剱岳初登頂だと思っていたら山頂には修験者のものと思われる錫杖があった,という話でした。ウェストンを機に日本にスポーツとしての「登山」が広まり,今やたくさんの人が登山を楽しむようになりました。それでも山の上に立つと,スポーツの達成感とは別の,一種の神々しさを感じずにはいられないのです。

 今日の写真は中央アルプス空木岳(うつぎだけ)から見た,昇ったばかりの太陽に照らされる御嶽山。左肩に小さく白山も見えています。独立峰らしいどっしりとした姿が印象的ですが,自然に対する畏敬の念がこみ上げてきた瞬間でした。
 

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