2014年3月10日月曜日

雲が環境を変える?

 みなさまこんにちは,よしだです。

 今日も寒い一日となりました。時々鉛色の雲がやってきて雪を降らせています。さらさらの粉雪ですから,まさに真冬ですね。

 さて,今朝の新聞(中日新聞)に興味深い記事が二つありました。

 一つは「恐竜の絶滅の原因は酸性雨だった」という記事。隕石が硫黄分を多く含む岩石に衝突したために大量の硫酸が発生,これが酸性雨となって多くの生物を絶滅させ,恐竜も消えた,という日本人研究者の成果を紹介したもの。

 もう一つは「水銀による汚染が地球規模で広がっている」という記事。大気とともに水銀も地球規模で移動し,雨や雪などとなって地上に降ってくるため,近くに汚染源がないはずの日本の山岳地域でも高濃度の水銀が観測されている,という滋賀県立大の永淵先生の研究を紹介したもの。

 この私,今でこそ里山担当で仕事をしていますが,大学院時代は酸性雨などの「酸性降下物」の研究をしていました。もちろん現在の酸性雨のレベルで多くの生物が絶滅することはありませんが,生態系への影響は今なお決して無視できません。

 私の研究は,酸性降下物のひとつである酸性霧は,どのようなプロセスで樹木(モミ)を枯れさせるのか?というもの。モミの苗木を使った室内実験がメインでしたが,北アルプス乗鞍岳,神奈川県の丹沢山地,そして屋久島(!)など野外調査にもよく行きました。その時にお世話になった先生の一人が,後者でご登場の永淵先生。今日の二つの新聞記事は私の大学院時代の研究を思い起こさせるものだったのです。

 雨や雪をもたらすのは雲。そして霧も外の人から見れば雲。
 空を覆う雲が,環境を大きく変えるものとならないことを願うばかりです。
 

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