2014年4月20日日曜日

トヨタの森にて,採水とフクロウとムササビと

 みなさまこんにちは,よしだです。

 18日(金曜日)、ときどき雨の降る天気となってしまいましたが、豊田市の「トヨタの森」で水質分析用のサンプリングを行いました。ここもシデコブシなどの東海丘陵要素植物群と呼ばれる植物種が生育しており、その湧き水や渓流の水を分析することによって、これらの植物の生育と水質の関係を見出そうと、トヨタの森のみなさんにお願いして調査をさせていただけることになりました。
 
   余談ですが、わたくしがトヨタの森を訪れたのは今回が3回目。すべての回で雨が降りました。私は自分自身を「晴れ男」だと思っているのですが、あまり説得力がないですね・・・(苦笑)

 さて、今回全部で8か所の水を取らせていただきました。現場測定の項目ではいずれの場所の水も「きれい」と判定されました。下の写真を見ても清らかな流れの様子がわかると思います。

 森の中を歩いていると、小さな清楚な花を見つけました。サンプリングできそうな場所を案内してくださったスタッフの伊吹さんに、「チゴユリ」だと教えていただきました。チゴは「稚児」。その名の通り小さくてかわいい花です。
 
 一通りサンプリングが終わったところで、スタッフのみなさんからこんな提案が。「ちょうど今夜ムササビの観察会をするので、よかったら一緒に見ていきませんか」と。ムササビが巣穴から出てきて飛び立っていく様子なんて、めったに見られるものではありませんから、喜んで参加させていただくことにしました。

 とはいえ、暗くなるまでまだ時間があります。その時間を使ってスタッフの杉山さん(写真左)に、大きな斧を使った薪割りを教えていただき、いざ、挑戦!
ちょっと腰が引けてますね~
この写真は伊吹さんに撮っていただきました。
ありがとうございました。
 
 当たり前ですがすぐにはうまくいきません。きれいに、無駄な力をかけず、なおかつ安全に割るのは難しいですね。丸太を7~8本割ってみましたが、割れたときに薪が2~3回足に飛んできたりしました。

 片隅では夕食の準備が始まりました。エンジンオイルなどを入れておくようなペール缶を釜に、落ち葉や稲のもみ殻を燃料にしてご飯を炊くのですが、実に単純でありながら巧妙なやり方で、5合のお米がわずか10分ほどで炊けてしまうのです!

 さて、赤外線カメラが取りつけてあるムササビの巣の中の様子を画面で見ながら夕食をいただきます。この夕食、みなさん持ち寄りの一品料理もすばらしく、詳しくは言えませんが(苦笑)ざっくばらんとした楽しい雰囲気で時間が過ぎていきました。

 ムササビは、夜活動する前に巣の中でしっかりと毛づくろいをし、外の様子をうかがったりするので、おおよそ巣穴を出るタイミングはわかるそうです。そろそろ出そうな雰囲気になったので私たちも外に出て、建物の前にある巣箱を観察しました。下の写真は明るく写っていますが、実際はもっと暗くなっていました。

 すると・・・北東方向の森から、フクロウの鳴く声が聞こえてくるではありませんか! 一同大興奮! 杉山さんがその方向に鳴きまねをすると、テリトリーに他人が入ってきたと思ったのか、同じように鳴き返してきました。そして私たちの上空を音もなく羽ばたいていき、南側の森にとまってまた鳴き交わし。私もフクロウを見るのも鳴き声を聞くのも初めてで、実に幸運なできごとでした

 ところで一方のムササビは、フクロウにお株を持っていかれた?だけでなく、天敵のフクロウの鳴き声(と人間による鳴きまね)で全然落ち着きません。いつになったら外に出られるやら・・・といった感じで巣穴から顔を出したりひっこめたり。
ごめんね~

 それからどれくらい時間がたったでしょうか。ようやく意を決して巣穴から出てきました。巣箱をかけてある木を上までのぼり、建物とは反対側の森の奥に滑空して飛び去っていきました。一瞬の出来事でしたが、一部始終を見ることができました。

 この日はお泊りのスタッフのみなさんと別れ、午後10時にトヨタの森を出て私は帰宅しました。今思うとフクロウもムササビも夢のような体験でした飛び入りにもかかわらず手厚いもてなしをしてくださったスタッフのみなさんに感謝してやみません。ありがとうございました。
 
 

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