2014年2月12日水曜日

キハダ

 みなさまこんにちは,よしだです。

 先日の「第9回大学間里山交流会」で愛知県の方からのいただいた珍しいものを今回は紹介しましょう。それがこちら!
木片ですが・・・
 
 これがただの木片ではないのです! 普通の木片よりも何だか黄色っぽいと思いませんか? これは表題に書いた「キハダ」という木の木片です。キハダの分布域は全国の山野なのですが,なかなかお目にかかれない樹木で,私も木片を見るのは初めて!

 木片の断面を拡大してみましょう。
 キハダはすなわち「黄肌」で,コルク質の表皮の下(内皮)がずいぶん鮮やかな黄色ですね。この黄色は人間にとってとても大切な成分で,古くから染料に用いられたり,あるいは「オウバク」という名の生薬にもなります。お腹をこわしたとき,百草丸(地方によっては陀羅尼助など名前はさまざま)という胃腸薬にお世話になったりしますが,あの主成分はこの黄色の部分から得られるのです。実際この黄色の部分を少量はぎ取ってかじってみたのですが,「良薬口に苦し」のことわざ通り,何とも苦い味がしました (> <)

 キハダといえば,京都府宇治市にある京都大学宇治キャンパスの最寄駅は「黄檗」(おうばく),まさにこの「キハダ」のことです。近くに「黄檗山萬福寺」というお寺があることが由来で,キハダの産地という意味ではなかったようですが,そのキャンパス内には「宇治おうばくプラザ」という建物があり,その中のホールには「きはだホール」という名前が付けられています。それほどキハダに縁のあるキャンパスなので,ここでは植栽木として珍しく,入口付近にキハダが植えられているのを見ることができます。
 

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